クライアントからサーバに通信できなかったため、traceroute(tracert)を使って調査した。
どこに障害が発生していると考えられるか。図中の選択肢から1つ選びなさい。
「う~ん、これは難易度高めだね。」
「とっつき難いかもしれないけど、落ち着いてよく見れば図の中に答えはあるよ。」
「どこをどう見れば良いのかわからないよー。」
「まずは『tracert』のことを説明しようね。」
「このコマンドは目的のサーバーやホストまでの経路の情報を表示してくれるんだ。」
「あと、ホップというのはネットワークを一つ越える(ルーターを経由する)たびにカウントしていく単位だ。」「じゃあ、下の数字がいっぱいあるのはどんな意味なの?」
「テスト用のパケットを送って返事が戻ってくるまでの時間(ミリ秒)を経由したルーターの順に上から表示してあるんだ。」
「ちなみに1つの送信先につき3回試行するから1行に3つ数字が並ぶんだ。」「へぇ~、じゃあ『*』は?」
「それは、そこのルーターから一定時間内に応答がなかった場合に表示されるんだ。」
「3回試行して、3回とも『*』になるとタイムアウトって表示されるんだ。」「そこのルーターが壊れてるの?」
「う~ん、なんらかの障害が発生している場合もあるし、返事を返さないように設定されている場合もあるけど、これは大丈夫なヤツじゃないかな。」
「タイムアウトになっているけど、さらにその先から応答があるからちゃんとパケットはそこを通過しているのが判るよ。」「なるほど~、じゃあ結局どこがダメなの?」
「tracertの結果の4行目が『203.0.113.1』からの応答なので、ルーターCまではパケットが届いている事がわかるね。」
「そっかぁ~、つまり『d』の区間まではオッケーってことなんだ!」
「そして5行目で『宛先ホストに到達できません』って出てるね。」
「『203.0.113.1』って書いてあるけど、ルーターCの調子が悪くなっちゃったの?」
「ルーターCから先に進めなかったって返事がかえってきたんだね。」
「つまり『e』の区間になんらかの問題があるって事だ。」「へぇ~、そういうふうに見るんだ~。」
【 第24回 第x部 第x問 解答&解説 】
[解答]e.
[解説]
a.誤。 2行目の結果によりルータAまで成功している⇒障害区間ではないことがわかる。
b.誤。 2行目の結果によりルータAまで成功している⇒障害区間ではないことがわかる。
c.誤。 4行目の結果によりルータCまで成功している⇒障害区間ではないことがわかる。
d.誤。 4行目の結果によりルータCまで成功している⇒障害区間ではないことがわかる。
e.正。 4行目、5行目の結果によりルータCまで成功し、宛先ホスト(203.0.114.2)まで失敗していることから障害区間であることがわかる。