栃木県はが郡の

陶工のつぶやき

塩釉薬について

2007-11-18 22:48:21 | 陶芸
私の師匠が塩釉をやる方で、少々説明したいと思います。

これは普通の陶器と少し異なりまして

くすり掛けと言う作業がありません。

したがって、素焼きもいりません。

乾燥した生生地を窯に入れて、本焼き。

ほとんど焼きあがる頃に、窯の中に塩を放り込みます。

すると塩が作品に焼きつき、ガラス状になるんですね。

面白いことに、作品の陰の部分にもちゃんと塩がのるんです。

おそらくガス状になってまわっていくんだと思います。

砂糖ならどうなんだ?

・・・

だめです。

もともとドイツで始まった技法のようで、

粘土の中のケイ酸と言う成分と塩のナトリウムが結びついて

ケイ酸ナトリウム・・・つまりガラスができるんですね。

ナトリウムが入っていれば良いんです。

ドイツでは岩塩がわりと豊富にあるようで、それを使ったんでしょうね。

ただし!

ナトリウムと分離した塩素ガスが煙突から逃げていきます。

窯焚き中、煙突のほうに行ったら、危ないから戻るようにといわれました。

素焼きやクスリ掛けがないから、楽かなと思うと

これがそうでもなく、窯出ししてからの処理が面倒でした。

作品に塩が付くのと同じように、窯にも、棚板にも塩が付くわけです。

これのそうじ。

くすり掛け以上の手間かもしれません。

それから、塩釉をやるには、専用の窯が必要です。

ほかの作品は焼けなくなります。

塩の影響を受けるからです。

海に近い窯元で、珊瑚をいれて焼く方がいます。

これも塩釉薬の一種ではないかと思われます。

また、備前の火だすきも塩水に漬けると良い色が出ると言いますが、やっぱり塩釉薬の一種ですね。

日本では、塩はほとんど海水から作るようですが、ヨーロッパでは岩塩が多いようです。

山から掘り出した、岩塩は陶芸の素材として違和感なかったのかもしれませんね。

益子陶器市コミュもよろしく。




ポチッとお願いします。

にほんブログ村 犬ブログへ

にほんブログ村 地域生活ブログ 栃木情報へ

にほんブログ村 美術ブログ 工芸・陶芸へ