山本七平さんは『妙貞問答』は仏教や神道を排撃し、論争をしかける
仕組みで、かならずしも全編をキリシタン礼讃で埋めつくしている本では
はないと書いておられたと思いますが、伝道の手引書として書かれている
のですし、ハビアンが入信者を増やすために書いたのは事実です。
ですからアダムとイブから説き起こして、「洗礼」をすすめ、「十戒」を
守ることが救いに通じるといっています。
ところがです。ハビアンが心変わりしたというのです。 七平さんのいう
ところの「排除」、つまり、ハビアンが1608年(慶長13)にみずから
イエズス会を脱会、「棄教」してしまったというのです。さらに
その12年後、1620年に『破提宇子』(はだいうす)というキリシタン排撃
の本を書き、あまつさえキリシタン弾圧に手を貸したというのです。
私の気になることは25年間のキリスト教との生活をそんなに簡単に否定
することができるだろうかという疑問です。それもキリシタン大名に入信を
強制された武士などとは違い、イエズス会会員です。
それよりもなによりも、私はハビアンに千々石ミゲルと同じ匂いを嗅ぐのです。
脱会以前にハビヤンは女子修道会にいた女性と同棲しています。
ミゲルも失意の日々を同棲生活の中で過ごしました。聖職者に異性問題や結婚が
許されるわけはありません。ヴァリニャーノはインドや日本送りですみましたが、
ハビアンはイエズス会を脱会させられ、『破提宇子』も書かされたものかも知れま
せん。
棄教者として語り継がれている千々石ミゲル、そしてここで取り上げた不干斎
ハビアン。キリシタンの世紀には気になることがたくさんあります。
仕組みで、かならずしも全編をキリシタン礼讃で埋めつくしている本では
はないと書いておられたと思いますが、伝道の手引書として書かれている
のですし、ハビアンが入信者を増やすために書いたのは事実です。
ですからアダムとイブから説き起こして、「洗礼」をすすめ、「十戒」を
守ることが救いに通じるといっています。
ところがです。ハビアンが心変わりしたというのです。 七平さんのいう
ところの「排除」、つまり、ハビアンが1608年(慶長13)にみずから
イエズス会を脱会、「棄教」してしまったというのです。さらに
その12年後、1620年に『破提宇子』(はだいうす)というキリシタン排撃
の本を書き、あまつさえキリシタン弾圧に手を貸したというのです。
私の気になることは25年間のキリスト教との生活をそんなに簡単に否定
することができるだろうかという疑問です。それもキリシタン大名に入信を
強制された武士などとは違い、イエズス会会員です。
それよりもなによりも、私はハビアンに千々石ミゲルと同じ匂いを嗅ぐのです。
脱会以前にハビヤンは女子修道会にいた女性と同棲しています。
ミゲルも失意の日々を同棲生活の中で過ごしました。聖職者に異性問題や結婚が
許されるわけはありません。ヴァリニャーノはインドや日本送りですみましたが、
ハビアンはイエズス会を脱会させられ、『破提宇子』も書かされたものかも知れま
せん。
棄教者として語り継がれている千々石ミゲル、そしてここで取り上げた不干斎
ハビアン。キリシタンの世紀には気になることがたくさんあります。