活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

平野富二のハンドプレス

2008-01-14 18:15:30 | 活版印刷のふるさと紀行
 今年の正月にいただいた年賀状のなかで、私がひときわ興味をおぼえたのは、ミズノプリテック株式会社の水野雅生社長から頂いた写真入り賀状でした。

 それには、「機械遺産に認定された平野富二ハンドプレス」という見出しのもとに、平野富二が製作したハンドプレスの写真が掲載されておりました。

 この水野社長が公開していらっしゃるミズノ・プリンテイング・ミュジアムのことは、かなりの方がご存知と思います。
 ミュンヘン工業大学で印刷を学びマイスターでもあられる社長は、印刷会社の経営の傍ら、早くから社会貢献の一つとして個人で,印刷のミュージアムを運営しておられます。

 百万塔陀羅尼はもちろん、グーテンベルクの「四十二行聖書」の原葉はじめ印刷の源流を彩った数々の収蔵品、「チョーサー著作集」・「ダンテ著作集」・「英訳聖書」の世界三大美本のホンモノ、和洋の古印刷本、活字や版材など超一級品に目が釘付けにされます。

 とくに感動するのはスタンホープやアルビオン・プレスなど三十点にも及ぶ印刷機械の展示です。この中に賀状の平野富二が1876年(明治9)のフィラデルフィアの万博に出品した本邦唯一のハンドプレスもあります。それが、機械遺産の認定を受けたというのですから、おめでとうです。

 なお、この東京都中央区入船にあるミュージアムについて知りたい方はWebで、ミズノ・プリンティングミュージアムを検索してください。

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