活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

印刷会社のカレンダー

2012-02-02 13:43:02 | 活版印刷のふるさと紀行
 2012年1月も各地の大雪のニュースのうちにはやくも終わってしまいました。
今朝もFace Bookで知友の写真でわがふるさと岡崎の積雪を知りました。そんなに
雪を見ない土地柄だけに、今年の寒波の停滞は異常です。

 さて、発行企業はもちろんのこと、制作や印刷にしのぎを削った印刷各社も
すでに全国カレンダー展も終わって、2013年のカレンダー企画にとりかかる
時期かと思います。

 そこで、今年の印刷会社のカレンダーとして大日本印刷と凸版印刷両社のカレ
ンダーを並べて見てみました。

 大日本印刷、ひだり肩にDNPとありますからDNPで話を進めます。DNP
は昨年から世界の都市の美術をテーマにした「ARTCITY(芸術都市)シリーズ」を
始め、昨年はニューヨーク、今年はパリがテーマです。12枚物で1月はマルク・
シャガールの「日曜日」、戦後のパリで描かれた明るい絵。2月はバレロワイヤル
にあるビュレンヌの柱を描いたダニュエル・ビュレンヌの作品「2つの台地」と
いった具合に12月までパリゆかりの作品が絵柄です。

 各月の絵柄の解説もしかりですが、前づけ3葉を使ったアートシティパリの解
説がうれしい。カレンダーにエディトリアル感覚を盛り込んだ新味をかいます。

 凸版印刷の方は例年通り、一貫して日本絵画をテーマにした大判で堂々とした
風格が特色のカレンダーです。6枚物で今年のテーマは小野竹喬の秀作7点
(表紙込)で構成されています。題して「現代の芸術:日本絵画-小野竹喬」とあ
ります。1-2月は「宿雪」3-4月は「山桜」といぅた具合に続きます。
 おもてには出ませんが東京国立近代博物館はじめ竹喬作品の所蔵先との交渉を
含めて制作には時間を要しています。

 なんといっても凸版のカレンダーは作品を別刷りにして、玉(カレンダー部分
の数字)のあるカレンダー台紙に貼ってある手数のかかった入念なつくりにあり
ます。おそらく、美術色を強めて多くの愛用者のアフターユーズも意識してのこ
とでしょう。

 洋と和、2社のカレンダーそれぞれに強烈な個性があって楽しい見るだけでも
楽しいし、年が変わっても捨てられない作品です。なお、DNPには製版や印刷
データ、使用タイプフェース、用紙など詳細なデータが付されていますが、凸版
にもほしい気がします。






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