活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

近江商人の里、五個荘

2013-11-18 09:16:58 | 活版印刷のふるさと紀行
翌日は東近江市の五個荘(ごがしょう)を歩きました。山形の鶴岡の町並みを歩いたときに似た江戸や明治の空気がどこかに残っていて、手のひらを伸ばすとその時代の余香が掴み取れるような気がしました。

 案内所でもらったマップに「近江商人発祥の地 てんびんの里」とあり、白壁と蔵屋敷まっぷともありました。聞けばてんびん棒一本から豪商に昇りつめた近江商人のこの五個荘出身者が多かったそうです。人っ子一人見つけられないような町でまず目についたのが、蔵屋敷の舟板壁の立ち並ぶ道の側溝を泳ぐ鯉でした。水面の上に何本かの針金が張られているのはカラスよけ、猫よけでしょうか。

 写真のような郵便ポストがポツンと立っているところがありました。五個荘出身の商人たちが活躍したのは、江戸時代後半から明治にかけてといいます。あるいは明治になって郵便制度ができてからは飛脚にたよらず、商売先からの連絡は郵便によったのかもしれません。念のため、このポストは景観シンボルで実用はできません。

 「売り手よし、買い手よし、世間によし」の「三方よし」をモットーに近江商人が扱った商品は呉服・太物はじめ生活必需品すべてにわたっていますが、いまも日本の経済界で君臨している商社・デパート・保険会社などそうそうたる社名をあげられるとなるほどと感心してしまいます。見学できる商人屋敷や近江商人博物館を見てまわると、なんとなく近江商人の心意気やルーツが頭に入ります。

 夕食は近江商人屋敷をそのまま使った愛知川(えちがわ)近くのその名もズバリの近江商人亭で頂きました。食器も凝っていましたが、店の入り口から御座敷、庭の眺め、すべてがグッド、私には鯉の甘煮が最高、ふな寿司は苦手でした。










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