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Techno CD Review Blog
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Autechre/Confield

2010-03-17 | Album
これも前回紹介したOrbitalと同じ2001年のアルバム。
同じく秋葉原の秋の音展で200円で売られていたものを回収してきました。
この頃テクノを漁っていたと思われる人が放出したんだろうという形跡が中古CDの在庫に感じましたが、重複するのもあったりで結局買ったのはこの2枚とJAZZ1枚、CLASSICのSACD10枚でした。
全部200円だったのでちょっと嬉しかったりして。

オウテカは、今年にも待望のニューアルバムを出す、WARPの看板アーティスト。昔から独特のスタイルを崩さないやり方はインタビュー紙の記事を読んでも強く感じました。
アナログシンセにあまりこだわらず、良いものを使い続けるところとか、すばらしいですね!
ENSONIQのサンプラーが好きだった記事を見た記憶もありますし、YAMAHAのRX30というリズムマシンを手に入れて、「僕たちはこれで何でもできる!」と喜んでいたという記事を読んだこともありました。
現在の状況をぜひサンレコで特集して欲しいものです。

オウテカも昔はソニテクだったはずですが、このアルバムはBeat Recordsからの販売。テクノのシーンの陰りを感じずにはいられません。
大手レコード会社がどんどん捨てていく中で、なんとか発売元を確保してくれる各ディストリビュータさんには頭が下がる思いです。

このアルバムは、当時から傾倒していたエレクトロニカよりの手法をふんだんに駆使した実験的なアルバムです。
以前、CLUB CITTA川崎でのとれまイベントでもダンサブルかつ実験的なパフォーマンスを見せてオーディエンスを困惑させていたオウテカがここにもあります。
綺麗な4つ打ちリズムが好きな方はかなり厳しい内容です。
普段あまりライナーノーツは見ないんですが、さすがに今回はどんな内容か読んでみました。
ライターは野田努。過去のインタビューを掘り下げたような内容で、新作に対してのインタビュー等はなかったんですが、彼ららしい、4つ打ちを否定してHIP HOPから影響を受けた変則リズムをテクノで表現することをアピールした内容に感銘を受けました。
今回のアルバムにもその姿勢が貫かれています。
ネット上で検索するとサンレコのWebサイトで過去のインタビューを見ることが出来るんですが、残念ながらこのアルバムを作成した時のインタビューがありませんでした。
機材の変更がそれほど派手ではないので、この頃はMAX/DSPの使い方に慣れてきたころの作品ではないかと推測されます。
そういえば、知人でReactorでLiveをよくしていた奴もDJはハードテクノだったのに、Reactorにしてからオウテカのようにエレクトロニカに傾倒してしまったことを思い出しました。
ソフトウェアやインターフェイスが音楽スタイルを変えるというのもまたおもしろいことだと思います。
全体的に変則リズムのエレクトロニカの洪水で規則的なリズムが好きな自分にはいささか難解ですが、日本盤ボーナストラックのライブ音源はメチャメチャかっこいいです。
こういうライブパフォーマンスって勉強になるなと思いました。

今思うと、10年前にあれほど流行ったハードテクノが衰退して、こういうコアな音源を作る人達が現在のシーンに根強く残っているのはとても感慨深いものです。


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