NO TECHNO, NO FUTURE.

Techno CD Review Blog
他の話題も書くことにしました

Ken Ishii / The Works + The Unreleased & Unexpected

2011-01-14 | Album
KEN ISHIIの日本デビュー15周年記念企画第2弾。今回はリミックスと未発表音源と、マニアには贅沢な内容になっています。個別ではそろえていたとしても、まとまっているのはうれしいものです。また、入手した当時と違い、今聴くのはまた当時とは違った感想を持つもので、15年という節目のリリースにとても感慨深く思います。

KEN ISHIIという名前からしてテクノの中ではメジャーなので、どのリミックスにも特筆すべき内容があると言っても過言ではありません。その中で個人的には3曲目のSubvoiceのVampirellaのリミックスが収録されていることがとてもうれしかったです。Subvoiceは当時の国産ハードミニマルでは実力ナンバーワンだったレーベルです。そのリミックスがCDで今聴けるのはとても貴重だと思います。本家ほどハードさはないもののKEN ISHIIの個性が発揮された抜群のリミックスだと思います。

その他にも、藤原ヒロシ、デリックメイ、電気グルーヴ、DJ Krush等、やりたい放題やっている名盤リミックスがてんこ盛りです。聴くとリリース当時を思い出してとても懐かしくなります。時代の経過を感じるとともにKEN ISHIIの個性は不滅だと感じました。

リミックスというと元曲のこともどうしても気になってしまいますが、テクノのリミックスはそれを気にすることなく楽しめる、それが良さだと思います。KEN ISHII好きでもそうじゃない人も、テクノの歴史を探る上で貴重な内容を堪能してほしいです。

Jeff Mills / The Occurrence

2011-01-13 | Dj mix
Jeff Millsの6年ぶりとなるMIX CD。コンセプトは「宇宙遊泳中に体験したアクシデント」だそうで、使っている曲は昨年リリースした、「Sleeper Wakes」の曲を中心にすべて自分の曲という徹底っぷり。日本初のVinyl-Disc仕様で、レコード面とCD面があるという限定生産品も登場と、話題だらけの作品です。

まず触れなければいけないのはVinyl-Disc仕様についてです。プレイヤーやPCでの再生に問題はないとことでしたが、うちのCDプレイヤーでは明らかにインデックスの読み込みが遅かったです。再生自体は問題がなくできており安心しましたが、やっぱり仕様として問題があるのではないかと心配になります。

また、PCの再生ではリッピング時にエラーがでるという問題がでました。自分はSONYのX-アプリを使用しているんですが、PCに積んである、DVDドライブ、CDドライブ(どちらもPLEXTOR社製)でもリッピング時にエラーがでて止まりました。結局、何度もやり直しているうちにリッピングできて事なきを得ましたが、この規格自体には問題があると思います。

CDの内容については、Jeff Millsのコンセプトがしっかりしていることもあり、個人的には「Sleeper Walks」より聴きやすく理解しやすいと思いました。Jeff Millsの曲はDJ MIXした方が生きた音になると思います。内容は淡々としたMIXでとてもスペーシー、これはコンセプト通りだと思います。MIXについてもWOMBでのCOUNTDOWNを思い出させる内容でした。やはりJeff Millsの独壇場しか表現できません。Jeff Millsは「Jeff Mills」というジャンルでもいいんじゃね?なんて思います。でも基本ダンスミュージックのコンセプトは残っているんですよね。そこがすごいと思います。

iPod等PCでリッピングする必要のある方は、通常盤の購入をおすすめします。「Sleeper Wakes」で???だった人も、これを聴けば、どのようにMIXするかがわかると思います。テクノの一つの進化の形だとは思いますが、やっぱり難解だなと思いました。

Jeff Mills / Sleeper Wakes

2011-01-13 | Album
確か3年ぶりのJEFF MILLSの新作CDは来日イベントと併せて盛大に注目されました。自分も当然CDは購入していましたが、聞く暇がなく来日パーティへ。JEFF MILLSの独壇場のMIXに圧倒的なパワーを感じてきました。

そのパーティでも使われていたと思われる素材をアルバム化したのが、「Sleeper Wakes」です。内容はこれまでのJEFF MILLSのアルバムを進化させたとしか表現できない独特の世界観を出しています。一つ一つのトラックは彼によってMIXされるために生まれてきたという内容のトラックであり、それは素材でしかないと感じます。アルバムとして聴くにはちょっと用途が違うような気がしています。少なくともCDJで混ぜて使いたい内容の曲ばかりですね。ハードにするもクリック的なミニマルにするも、それはすべて回す側のDJにゆだねられている、そんな潔さも感じます。

デトロイトテクノの洗礼をうけたDJは不思議なほどにスペーシーなトラックをつくりますね。ここ数作のJEFF MILLSのアルバムもそうだと思うんですが、今回のアルバムでさらに、行くところまで行ってしまった、これから先はどこまで行くんだろう?と思わせる、一つの完成系にまで到達したと感じます。

正直、初心者向けのアルバムだとは思えません。でもこれを通過点としてテクノの一つの方向性を感じることが出来ればいいなと思います。

V.A. / FILTHY DUKES FABRICLIVE 48

2011-01-12 | Dj mix
FABRICLIVEの48枚目はFABRICでのレギュラーパーティを持っている3人組、FILTHY DUKESのMIX。自分は名前を知らなくて、google先生にも聞いてみたんですが、日本では知名度はいまいちらしく、紹介しているサイトが皆無でした。日本のテクノと海外のテクノの温度差をこう言うところで感じてしまいます。

MIXの内容はここのところずっと流行っているディスコものでした。ディスコといえば、2 many DJのアゲアゲなMIXをどうしても思い出してしまいますが、FILTHY DUKESはそこまでアゲアゲではなく以外としっとりです。でも、選曲を見ると、ZOMBIE NATION、APHEX TWIN、TIGA、DAFTPUNK、MR OIZOと結構かぶっているんですよね。MIXする人が変わると曲の表現もすごく変わるという典型を感じることが出来ます。もっとも、曲がかぶったりするのはライセンス契約の取りやすさもあると思いますが。

全体的にややまったりムードなディスコサウンドが聴けるMIXです。個人的にはちょっと上級者向けな気がします。海外ではこういう音が流行っているんだというチェックが出来る一枚です。

V.A. / Heartbeat presents Mixed By Francois K.

2011-01-12 | Dj mix
Heartbeat presents Mixed By Francois K. × AIR / V.A.

Heartbeatが提供するMIX CDの第2弾。大御所Francois K.の登場です。今は無きYellowでの定期的な来日PLAYが記憶にあるFrancois K.ですが、今回はAIRとのコラボレーションによるMIX CDです。前回のデリックメイが良かっただけに、とても気になるリリースです。

内容としては、Yellowで行っていたDEEP SPACE的なイメージを思い起こさせるディープでスペーシーなミニマルのMIXです。ライナーノーツを見ても知っている名前がなくてorzとても悲しかったんですが、音的にはとてもなじみのある楽曲ばかりで、たぶん、名前と紐付いていないんだろうなと思いました。

先ほどもふれましたが、YellowでのDEEP SPACEや数々のMIX CDのリリースでfrancois K.の傾向はそれなりにわかっていましたので、すごく目新しいMIXと言うわけではありませんでした。PCDJになってからテクニック面について昔の方が良かった的なことも言われることもあるようですが、これが今の音と考えるととても興味をそそられます。特にずっとじわじわ引っ張っていきながら、18曲目でガツンと盛り上げるところとかとても好きですし、テクノっていいなと感じるMIXです。

ミニマル好き、スペーシーなテクノ好きにはお勧めの、充実した内容のMIXです。ぜひお試しください。