おじさん日記 ~Okinawa Self-Diving Log~

セルフダイビングのブログ。ログや写真や器材が中心ですが、その他ダイビングに関係ないことも好き勝手書いています。

【まとめ】単独潜水のメリットとデメリット

2016-09-23 12:07:05 | リスクマネジメント
さて、今まで単独潜水について様々な側面から1週間にもわたり長々と書いてきましたが、ここでまとめます。
まとめだけ見ると誤解を与えるところもあるかと思うので、お時間があればコチラからそれぞれ見ていただけるとありがたいです↓
http://blog.goo.ne.jp/diving-snowman/e/e9ffe1847c5a824ef7c1e2a19797ab0f
毎回書いていますが、これは指導団体の推奨ではなくて私自身の考えです。ご注意を。

【単独潜水のメリット】
・1人で気軽に潜りにいける
・水中で自由な場所に行ける
・同じ被写体に何分張り付いていても大丈夫
・予備の呼吸源を自分で持っていけば、バディやグループメンバーといった不確定な呼吸源を頼りにする必要がない
・前の人に付いていくうちに現在地が分からなくなり、水中で迷ってしまうなんてことがない。
・グループが深い所や危ないところへ潜ろうとしているときに、不安に感じながら付いていくということがなくなる
・バディーやグループメンバーに迷惑をかけることがない
・バディーやグループメンバーから迷惑を被ることがない
・安全確認や安全管理を他人任せにすることがない


【単独潜水のデメリット】
・トラブルがあったときに自己解決しなければならない
ポニーボトルなどを持っていくことによって対応可能。そして誰と潜ろうがセルフレスキューは必要。
・予備の呼吸源がない状態でオープンウォーターでない環境(頭上が塞がれてたりDECO出したり)に行くと、そこでレギュレーターにトラブルが起こると安全に水面まで上がってこれないポニーボトルあれば大丈夫。バディ潜水でもバディが近くにいなければダメ。
・一通りのことが自分でできない人は、誰も助けてくれないので危ない。指導団体のソロダイビングコースでは100本以上の経験本数を前提条件にしています。この条件は僕も賛成。
・海上保安庁やダイビング指導団体の多くで「単独潜水は禁止」ということになっているため、万が一事故を起こした時に周りの目はきっと冷たい
・万が一水中で気を失うようなことがあったときに助からずに死ぬ。バディがいたところで助かる可能性は低いけれど、運が良ければ死ななくてすむかも。
・万が一水中で死んだ時に、そのこと自体に気付かれるのが随分と後になるので、捜索が必要になる。自分の中で最大の懸念事項はコレ。



昨日の記事で扱いましたが、単独潜水で死んだ人の多くはバルブの開け忘れやエア切れによる溺水のようなので、
・陸上で残圧計を見る&レギュレーターから呼吸して問題ないか確認する
・水中で時々残圧計を見て、エア切れにならないように気をつける

といったことを習慣にすることは言うまでもなく重要。
自分を含め、すでに習慣になっている人には当たり前のことですが、実際に多くの人がこういった基本的なことを行っていないせいで死んでいるようなので。。正直、この程度の安全確認もやらないのであれば、単独潜水どころじゃなくダイビング自体について一度考え直した方が良いんじゃないかと僕は思っています(たとえショップで潜ってガイドに引率してもらったとしても)。

そして、身も蓋もないことを言ってしまいますが、単独潜水かバディ潜水かということよりも、自分のことは自分でできるということや、緊急事態が起こった時の対応をシミュレーションしておくことの方が大切だと思っています。誰と潜ろうが「自分のことは自分で守る」姿勢が最重要で、準備・確認不足で潜り始めてしまうととても危ない。自分の主観ですが、ガイドやバディと潜る時に他人を過信してその辺を疎かにしている人が結構いるような気がしています。

バディ潜水と単独潜水でどちらが安全かは時と場合と程度によると思うので断言はできませんが、「単独でも大丈夫な準備・装備・スキル・心構えで、バディ潜水をする」というのが一番安全なのは確かですね。


この記事は単独潜水を勧めるものではありませんが、単独潜水の「メリット>デメリット」と判断するのであれば堂々と単独で潜れば良いのではないかと私は思っています。ただ当然ですが、何度も潜ってエントリーやエキジットに加え、地形や危険な場所等が分かっているポイントに限ります。

特に誰かと潜りにいく予定がないときは、私は単独潜水のメリットの方が大きく感じるので、デメリットのうち予備器材で解決できるものは解決して、今度も単独潜水を続けていきます。ポニーボトルやダイブコンピューターといった器材関連の予備は持っていくので、これに関してはなんちゃってバディ潜水よりも安全です。

水中で心筋梗塞や致死的不整脈や脳出血などが起こって意識を失ったら、もうそれは寿命です。一緒に潜っていたら、引き上げてやってください。僕が単独潜水で潜っている時に帰ってこなくてどこかで死んでいるようだったら、申し訳ないけれど捜索して引き上げてください。迷惑をおかけし申し訳ありません。一応ダイバーズ保険という名の普通傷害保険には入っていて、200万円までなら保険から捜索費用が出ます。

ちなみに幸いなことに、今の自分が水中で突然そういった危険な状態になる可能性はとても低いです。高齢、喫煙、肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症あたりがあるとリスクが上がってきます。年齢ばかりは避けられないけれど、その他は努力で避けられるので、リスクを減らしていきたいですね。

リスクはそれだけでは判断できず、実行するときの利益のほうが大きいと判断すればリスク覚悟で実行することもある。なので、「単独潜水なんてありえない」なんて上から目線で切り捨てるのは好きではない。何を重要視してどのリスクをどのくらい許容できるかは人それぞれで、一概には言えないのだから。あくまで自分の予想ですが、僕が予備を持たない普通のレクレーショナルダイビングの装備で単独潜水するよりも、ヘビースモーカーで肥満体型の高齢者が厳格なバディ潜水をする方が、水中で大変なことになる可能性は高いと思っています。

ちなみに、もし自分がヘビースモーカーで肥満体型で糖尿病や高血圧持ちの高齢者だったとしても、きっとダイビングは続けると思います。「ダイビングをする楽しみ>水中で何かが起こるリスク」と考えるので。

予備を持たない単独潜水や減圧潜水は、そのリスクを許容できないので自分はやりませんが、だからと言ってそういう潜り方をしている方々を批判するつもりはありません。自分のように予備の器材を持つと重くなるしそれなりに費用もかかるので、そこまでする価値はないと判断すれば、万が一のリスクを覚悟で潜れば良いと思う。この辺は個人の価値観の違い。

グループで潜る場合は他の人に迷惑をかけないようにする必要がありますが、単独で潜るのであれば水中で何かあったとしても他人に迷惑をかけるわけではないので、他人がどうこう言うようなことではないと思っています。

誤解がないように言っておきますが、自分はバディ潜水やグループ潜水を否定するつもりはありません。陸上でも水中でもワイワイとお話するのは楽しいし、仲間から得る知識や技術も多いです。安全性うんぬんとは別に、やっぱり仲間と潜るダイビングには、単独潜水にはない楽しみがあります。また、水中でバラバラになるよくあるグループ潜水も、それはそれで結構好きです。笑

正直、DECOを出さず穴に入らないオープンウォーター環境であれば、何かあってもゆっくり浮上して水面に出てしまえば良いのですから。


今回の一連の話題のように小難しいことや厳しめのことを書くと、仲間から潜りに誘われなくなりそうですね。。

今までの潜り方で全然構わないので、今後も引き続き誘ってくださいねー❤️笑
バラバラで単独状態の時にトラブルがあったら、慌てず速度に気をつけながら浮上すればいいさー。

今までの記事も含め、異論反論大歓迎です。そもそもブログを書いている理由はいくつかありますが、そのうちの1つが「他の意見に触れることができる」ということです。自分では気づかないことも、違う意見としてコメントをいただくことによって自分自身の視野も広がるため、とても嬉しく思っています。

ダイビングに限らず人間社会では、反対意見を悪口と捉えてしまう方が一定割合いらっしゃるので、なかなか建設的な議論ができないことが多いのですが、自分に関してはそういったことは全くないので、実際の私自身を知っている方でも、この記事を含めて私の好き勝手な発言に対する反対意見は表でも裏でも堂々と言ってもらって大丈夫です。少なくとも私に関しては、そういったことが人間関係に影響を及ぼすことはありません。

意見に反対することと発言者の人格を否定することは全く別。意見が違うことと仲が悪いことは全然違います。

また、この記事をあたかも自分の意見のように発信したり単なるコピペをするいわゆる「転載」はさすがにお断りしますが、賛否に関わらず「引用」は歓迎します。この記事を引用しつつ、否定・批判を含めてこの記事とは反対の意見を情報発信していただいても結構ですし、その際に私へ許可をとる必要もありません。リンクも賛否に関わらず自由に貼ってもらって大丈夫です。

以下でバディ潜水と単独潜水についての参考文献をまとめて紹介しています。ネットからアクセスできる情報も多いため、興味のある方にとっては参考になるかと思います。
http://blog.goo.ne.jp/diving-snowman/e/4c2517f7b3984fa1287d7206ddbca786


6 コメント

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超大作! (かとー)
2016-09-24 14:54:16
思わず一気見しちゃった~!

私はカメラに集中してしまうから単独潜水の方が気を使わなくていくて楽!!1dive90分その被写体だけ撮ったり変態なことが気楽に出来るもね~(* ̄∇ ̄*)
単独で迷惑をかけるとしたら遺体回収作業くらいだもね、、
勿論そうならないように自分なりのラインを決めて潜ってる!

だけど、みんなで潜れば自分で見つけれなかった生物が見れたり共有出来るから楽しいよね♪もちろん休憩のゆんたくも!
どっちにも魅力がある!

単独潜水に限らず数人のセルフダイビングにおいて自分のレベル、体調を自覚するのは一番大事かなと思う!自分においてもだし(何度か二日酔いで潜った、、😱もうやりません)、他の人においても、、(初めて一緒に潜る人で手助け無用と言われたのに急浮上してる人もいたし、、)
無理して潜っても楽しいダイビングなんて出来ないしね~!

あ~早く潜りたい!!!
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単独潜水 (snowman)
2016-09-24 21:31:24
かとちゃんコメントありがとう!
そうそう、カメラに集中する時は単独の方が他の人への迷惑を考えなくて良いから気楽だよね。そして、やっぱり皆で潜ると楽しい!自力では絶対見つけられない生物もあるし。

うん、かとちゃんの言うとおり、余裕を持って潜れる範囲内で潜ることが大切だよね。そうじゃないと危ない上に、楽しみが苦行に。。僕も何となくもったいない気がしてちょっと体調悪くても潜ってしまうけれど、必ず水中で後悔する。笑

単独であろうが何人で潜ろうが、緊急手順を含め自分のことは自分自身でできるってことが、潜る人数以上に大切なことだと思う。自分の印象だけど、ダイビング業界は単独潜水は絶対に許されないような雰囲気があるにも関わらず、何故かスキル不足は許容されているような気がしていて、その辺がどうなのかなーと思っているところ。より危ないのはスキル不足だし、他人に迷惑をかけるのもスキル不足なのに。

来年、子守をうまいことローテーションしながら潜ろう!!
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2回めの登場です。 (とんにぃ)
2016-10-05 20:36:47
よく考察されていると思いますが、ちょっと我田引水かなぁと感じます。
初めから危険度 バディ>単独 よって単独してもいいじゅあないかっててとれるのです。 まったく真っ白な状態で、客観的に公平に考察されてなく単独潜水の方が危険が少なくすうように導こうって意思がみえるのです。無意識のうちにだと思いますが。

自然を相手にするレジャー、登山、スキーや釣りなども一般的に単独行動は危ないって認識ですよね、特に登山は、事故が起きれば、重大度はダイビングと同等以上かもしれない。
それは、先人たちの経験や歴史からそういう認識ができてると思うのです。

それを承知で単独行を行った上村直己氏(冒険家)加藤文太郎氏(単独登山家)は称賛されているわけです。(単独行で上村氏はマッキンリーで亡くなり、生涯2度目の複数登山で加藤氏は亡くなっているので、単独がいいか複数がいいかわからなくなってきた…苦笑)

自分も納得できる、危険度 単独>バディっていう見解は持ち合わせてませんが、先人たちや歴史的認識を尊重して、受け入ています(それだけって思うかもしれませんが・・・)
そこから以前にコメントしましたように危険な単独潜水をより危険度を少なくするかって考えて行動しています。そうすれば、たとえ危険度 バディ>単独であっても、より危険度は減少するわけですから。

それともう一つ、自分が単独潜水する時は、バックアップ器材は、オクトパス以外もっていません(ダイコンの予備は家においてるけど) 持っていくことに越したことはないですが、予備マスク、予備コンパス・・・そこまでして単独で潜りたいと思わないし、なにかトラブルがあれば中止します。ダイコンも壊れ、コンパスも壊れ、レギュも壊れてなんて複数が同時にトラブルってことは、ほぼないし、あればここが寿命だと諦めます(笑)

なんかわかりづらい文で、気に障る事もあるかもしれませんが、ひさしぶりに熱い人に出会って嬉しいことは確かです。
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単独潜水 (snowman)
2016-10-05 21:37:17
とんにぃさん、コメントありがとうございます。おっしゃる通り、単独潜水の側に立った記事です。笑

指導団体を含めて、バディ潜水側に立った推奨しか見当たらないので、単独潜水の側に立った意見があっても良いのかと思って一連の記事を投稿したということもあります。もともとそういった動機だったので、決して中立ではないでしょうね。ただその意味では、いわゆるバディ潜水の勧めについても、「絶対にバディ潜水」という結論ありきのような気もしています。

内容をより中立に近づけるためには、バディ潜水が有利になる状況について今よりもしっかりと記載する必要があると思います。ただそうすると、一連の超長文の記事がさらに長文になること、そしてバディ潜水を推奨する勧告や意見はそこらじゅうにあるのでここで改めて触れなくてもいいかなと思ったことから、このブログで扱う内容は他の方があまり言わないこと(つまりバディ潜水のデメリットと単独潜水のメリット)が多くなっています。

自分としては、「単独潜水の方がバディ潜水よりも安全」という結論にしたつもりはなく、「単独潜水・バディ潜水それぞれに特有のリスクがあり、どちらが危険かは潜り方にもよるしバディにもよるので各自判断してくださいね」という立場です。おそらくバディ潜水の方が安全になることが多いと予想していますが、場合によっては未熟なバディ潜水の方が危険になる時もあると思っています。

予備に関しては、ソロダイビングを指導している団体によると、「命に関わるものは全て持っていくように」とのことですが、全て持っていくと大荷物なので自分も優先順位が高いものしか持っていきません。特にビーチダイブでは必要性が低いと考えているものは省いています。

私も「何か故障したらそこで中止」というのは一緒です。故障した時にダイビングをそこで中止するわけですが、その際に無事にエキジットできるようにするために予備器材を持っていくのだと考えています。

文中でも書きましたが、自分の場合はポニーボトルとダイコンです。ダイコンはコンピューターとしての機能というよりも予備の深度計・タイマーとして持っていっています。他の器材と違って大して邪魔にならないというのも、自分にとって持っていく理由になっていると思います。あらゆる予備器材の中で一番邪魔になるのは間違いなくポニーボトルですが、自分としては一番重要なバックアップだと思っているので、我慢して持っていっています。汗

潜り仲間からは、ログ以外の記事は「難しくてよく分からない」と不評でスルーされています。笑
そんな記事に丁寧なコメントをいただいて感謝しております。今月末、一緒に潜れることを楽しみにしています。
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このトピは、もう一度だけ (とんにぃ)
2016-10-05 22:40:12
書き出すとお互い切りがなさそうなので…笑
最後に、自分は単独では、慣れたポイントと誰かが潜っている場合でしか潜りません。そうすればトラブルがあっても、パニックになりにくいから(コンパスやダイコンが壊れても水深や戻る方向がわかる)エア切れや中圧ホースの破損時も他のダイバーのオクトパスを勝手に吸う・・・笑(事情を説明すれば、文句は言わないと思う)

そんなこんなで、沖縄での単独潜水は、最近、真栄田、砂辺、崎本部しか行ってないなぁ~。

後は、お会いした時に いろいろ話ましょう!
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単独潜水 (snowman)
2016-10-05 23:48:27
とんにぃさん

私も慣れたポイントでしか単独で潜りませんが、「誰かが潜っている場合」っていうのは思いつきませんでした。

確かに誰でもいいので近くにいれば、ポニーボトルは必要なさそうですね。笑
とても賢い判断基準だと思います!
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