祈りを、うたにこめて

祈りうた(いのち   鉄砲  引き金)

鉄砲

 

子どものおむつがえをしながら

パンツ式の紙おむつができないかなと思った

おむつが要らなくなったころ

紙おむつのパンツ式が出てきた

 

何度も書いたり消したりが面倒

機械で文章が打てたらなあと思った

社会人になったころ

ワープロが出てきた

 

万年筆のインクが詰まって困ると思った

水性ボールペンが出てきた

ボールペンのミスを直すのが大変と思った

消せるボールペンが出てきた

 

便利さを求めたわたしに

だれかが応えてくれた

暮らしを

明るくしようとして

 

ふと わたしは思った

―鉄砲を初めてつくったひとがいるのだ

その人は どんな便利さをもとめたのだろう

その人は 暮らしをどう明るくしたかったのだろう

 

 


引き金

 

 

引き金を

つくったひと

 

引き金を

ひいたひと

 

引き金をつくれと

命じたひと

 

引き金をひけと

命じたひと

 

その引き金で

ころされたひと

 

ころされた人を

テレビで眺めている

 

わたしと
あなた

 

 

●ご訪問ありがとうございます。
いのちに関わることで利便さを追求することは良いことでしょう。けれど、この間テレビを見ていたら、産業の発展は戦争の必要に応じてのものが少なくなかったと報じていました。暗い驚きがありました。
「個死」にこだわりながら、「軍隊による戦闘」は、「隊という塊同士の戦い」でなく、実は「兵士一人ひとりによる発砲の鎖」であることも考えたいと思います。

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