祈りを、うたにこめて

祈りうた(野菜の声  たまねぎ②)

野菜の声 たまねぎ②

 

 

たまねぎを半分に切った

芯がいたんでいた 

茶色くよごれていた

外からは美しいたまねぎに見えた

 

いたんだ芯を取った

たまねぎは

なかも外も

良いたまねぎになった

 

 

私のこころには嘘がある

ほんとうは関心がないのに

不幸な人に同情ができる

 

私のこころには嘘がある

自分が怖れで震えているのに

不安がるひとに軽口をたたいてしまう

 

私のこころには嘘がある

うすっぺらな信仰なのに

ああ 祈ることさえできる

 

もしも神さまが私を半分にされたら

あのたまねぎの茶色く傷んだ芯のように

この黒ずんだ心が露わになるだろう

 

 

外側の皮を何枚かむいたら

うつくしいたまねぎが

顔をだした

なんと艶のあるたまねぎ

 

私は神様に何枚はがされたら

―内も外もこれが私です

そう言えるようになるのだろう

正直な声で

 

 

●ご訪問ありがとうございます。

 野菜に自分を見つける、自分の隠れた姿に気づく、そのようなことが起こるようになりました。不思議な体験になっています。

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