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宇宙の片隅で

日記や「趣味の情報」を書く

「隆一と有紀」 - 4 -

2020-04-08 13:15:03 | 脚本

 ・・・・やがて春休みに入ったある日、有紀を乗せた隆一のオースチンは、一般道から高速道路に入って、いくつかのジャンクションを通り抜けた。
 少し前から隆一の口数が少なくなったと有紀が思っていると、広い料金所を過ぎた所で、クルマを左路側帯に止めた。そこには、10台のバイクと1台の外車が止まっていた。

有紀「どうしたの? 隆一さん」
隆一「俺のバイク仲間たちなんだ」
有紀「あら、じゃぁ2人だけじゃないの?」
隆一「あれから、バイク仲間と≪アブサン≫に行ったとき、箱根行きの話をしたら、みんなのってきてね。ごめん、ちょっと声をかけてくる」
 有紀は、少し拍子抜けするが・・・。
・・・・
隆一
「じゃー、行こうかー!」
バイク陣
「おーぉ」
「いぇーい」
「オッケー」

 隆一のオースチンを先頭に、12台の一団が整然と走り出した。
有紀「もう1台のクルマも?」
隆一「杉山先輩だよ。マスターまで、仲間に入れてくれって言うんだ。その代わり費用は全額、マスター持ちってことになったんだ。いままで黙っててゴメン!」
と、両手を合わせた。
有紀「分かったわ、危ないからハンドルから手を離さないで。でもこれだけの人数じゃ、たいへんな出費よ、マスター」
隆一「それは大丈夫、マスターといったって、どうせ親父(おやじ)さんが出してくれるんだから」
有紀「まぁ!」
隆一「気にしない気にしない。さぁー、スピードを上げるぞー!」