一方、レースに参加する4人のメンバーは、明日に備えて特訓をすることになる。
とくにブランクのある杉山と、駅伝は未経験のボクシング部の藤原のために、他大学だが陸上部・副主将の真野が特別アドバイザーを買って出て、ストレッチ運動や筋肉運動などの特訓を手伝うことになった。
レースに参加するメンバーらは、きょう1日は練習でつぶれる。
カップル相手の女性たちは相談して、ホテルの中で楽しめるところがないか「フロント」で尋ねてみることにした。
そして、宿泊客にはホテル内の『エステ・サロン』が半額で、室内プールとサウナは無料で利用できるとわかった。
こうして、彼女たちもそれなりに有意義な1日を過ごすことが出来た。
本来の≪東京-箱根大学駅伝≫のコースは、東京大手町を出発点として箱根までの5区間107.2kmで往路優勝を競い、復路は逆に、箱根から東京大手町までの5区間109.2kmで総合優勝を競う。
今回の姉妹都市提携を記念して行われる駅伝コースは、次の通りである。
1区(大学駅伝では6区)・・・箱根~小田原(20.7km)
2区(同上7区)・・・小田原~平塚(21.2km)
3区(同上4区)・・・平塚~小田原(20.9km)
4区(同上5区)・・・小田原~箱根(20.7km)
隆一たちは、最初から積極的に飛ばし2位以下を大きく引き離し逃げ切ろうという作戦を立てた。メンバーとコースの割り当ては、
1区=高原隆一(関東大3年「陸上部」主将)
2区=桜井隆司(関東大3年「陸上部」)
3区=藤原昭男(関東大3年「ボクシング部」)
4区=杉山二郎(関東大「陸上部」OB)
と、届け出てある。
4人は、この日のうちに、レースに必要な物の調達を済ませた。
あとは体調を整え、あすのレースに備えるだけである。