段ボールWatcher

段ボールを中心とした情報整理ブログ

マイティCボード

2006-06-02 23:20:37 | 段ボールについて
日本化工機材(株)(神奈川県相模原市)が販売する
、紙管原紙を原料とした段ボール「マイティCボード」
の販売先が50社に達した。04年秋の公開から地道
な営業活動を続け、通常のダブル・トリプル段ボール
に劣らない強度やコスト性が認められ採用先が増加
した。今後、ボードを加工できる設備と技術を持つ
段ボール企業との提携を進め、製品の種類とともに
ユーザーや生産平米を増やしていく構えだ。
 「マイティCボード」は通常段ボール原紙には使用し
ない、紙管用の原紙をコルゲータで貼合した。
製造された段ボールシート状のボードは、ユーザー
の要望に合わせ何枚でも貼り合わせることが出来る。
数量やサイズなど様々な取引条件によって価格は
変動するが、安い素材のためダブルやトリプル段ボール
などと比較して販売価格は2割程度抑え、独自の構造
を採用し強度の維持も実現できると、同社では見ている。
かつて紙管原紙の段ボールを開発販売していた段メーカー
もあったが、コスト等多くの問題で撤退した経緯があり、
現在販売展開しているのは事実上同社のみという。
 ダブル以上の厚みを持つボードを製造するには、ボード
を2枚重ねて貼り合わせるため中ライナは2枚重ねになり、
中ライナが1枚の通常のダブルと比較して折れ強度に
優れる。2枚のシートはそれぞれ予想される方向に反ら
ないよう、お互いが引っ張り合う方向で貼り合わせてい
るためシート反りも非常に発生しにくく、同社の実験でも
反りの数値が小さいことが確認されている。紙管原紙の
ため紙の繊維が細かく、罫割れが発生しやすく破裂強度
で劣るが、同社では「表面が弱くても構造は強い」と自信
を持つ。
 同社の顧客で、大型機械の梱包にダブル・トリプルを
使用していたエンドユーザーで高いシート価格や反りの
問題があったことがボード開発の発端。特に土台となる
シートにパットや組仕切りを設置するタイプの製品では、
シートが反ると全てが不良品になるため、土台をボード
に切替えたことでロスが格段に減ったという。
ユーザーの評価も高く、「木材に劣らない強度がある」
など強度に関しての声が多く、環境ISOを取得している
企業では「(ダブル・トリプルと)値段が同じでも採用し
たい」とする意向が聞かれたという。
 ボードは(株)ネオパック(名古屋市)が製造し日本化
工機材が中心となってボードを販売する。加工は日本化
工機材やボックスメーカー各社が行う。印刷や打抜きな
ど各種製函工程で、ボードの加工に対応できる設備や
技術を備え、提携関係があるボックスメーカーは田口
紙業(株)(千葉県松戸市)など数社に限られている。
そのため同社では「素材としてはかなりの評価を得て
いるので、加工の面でパートナーシップを組める企業を
増やしたい」とし、数年以内で生産平米を5倍にするこ
とを目標としている。
 問合せはTEL042-752-4921。
(板紙・段ボール新聞 5月27日)
http://www.nk-kizai.co.jp/S_CB_A.htm
http://www.nk-kizai.co.jp/PDF/mcb.pdf