廣島パイレーツ・チャンネル

広島の名も無き”田舎侍”が地元プロスポーツを中心に色々と書いて行く過激なスポーツコラムや、広島の市政や街づくりについても

”身の丈”と”背伸び”

2021-08-11 22:22:22 | Weblog
 東京オリンピックで野球(男子)ソフトボール(女子)が揃って金メダルを獲得し決勝戦はテレビ視聴率も良かったらしいですが、あくまで開催国の選ぶ追加競技としての開催であり次のパリ大会では野球もソフトボールも選ばれなかったそうで、その次のロスアンジェルス大会も大リーグ機構や選手会の協力を得られそうには無く追加競技には選ばない可能性が高く。 そして先日2032年のオリンピック開催都市に決まったオーストラリアのブリスベン市の場合、問題は会場として適正規模なスタジアムが現地に無い事ですね。 先日ネットで拾った写真を改めて載せますが日本ではあまり見掛けない、私も写真を見た時にファミスタの”かせんじき球場”みたいと思ってしまったくらいの規模ですね...



 オーストラリアの野球ですが2000年のオリンピック地元開催・シドニー大会の時はホスト国ながら決勝トーナメント進出ならず。 これで奮起したのか次の2004年アテネ大会の時は準決勝で日本を破るなど躍進を遂げ。 この当時、オーストラリアの野球はプロリーグが無くオリンピックに参加した代表チームもほとんどがアマチュアだったそうですが今はプロリーグが在るそうで、しかし規模的にはアメリカや日本の独立リーグくらいで先程の小型の野球場も”身の丈”に合った適正規模で観客は少なくても充実のサービスで地域の社交場になっているそうで。 しかしこの野球場でオリンピックは。



 2000年にオリンピックが開催され、当時は正式競技だった野球もやっていたシドニーの野球場がどうなったか検索してみたが野球場としては使われる事は無かったらしい。 今はプロリーグが在りますが先程の理由でオリンピック用スタジアムは規模的に過剰ですし。 検索していると興味深い写真を見掛けたので拝借。 素晴らしい野球場に見えますが実際はオーストラリアで人気のあるクリケットのスタジアムだとか。 それを2014年にアメリカ大リーグの試合を行う為に一時的に野球場にしたそうです。 当然、終われば元のクリケット場に。 これを見る限りオーストラリアやブリスベン市がオリンピックの追加競技に選ぶとしたら野球では無くクリケットでしょうね。 野球が2012年のロンドン大会からオリンピック正式競技を外された大きな原因の一つがシドニー、アテネ、北京と地国に普及していない野球の”身の丈”に合わない巨大な野球場を造らされて負の遺産となって来たからでは?


名解説者さんの憂い

 実は私がプロ野球と地元のカープに興味を持って本格的に応援をし始めたのは元・監督の野村さんや緒方さんら同世代の選手達ががデビューした頃、20歳を過ぎてからです。 そして彼らが主力選......

 2016年に亡くなられた野球評論家・豊田泰光さんが2003年の記事で「こんな素晴らしい野球場でプロ野球の公式戦がほとんど行われないのは勿体無い」と書かれていた松山市の坊っちゃんスタジアムだが先日、ここでプロ野球の(二軍や若手の選手による)ジュニアオールスターゲームが行われた際「地元にプロ野球(NPB)球団も無いのに、無駄な施設を容認していながら全国各地で進むサッカー場や球技場の建設計画に採算や稼働率でケチを付けるのは余りにもダブルスタンダードですし何も言わないで欲しいですね」みたいな事を書いたら地元の方から厳しい指摘を(以下、コメント引用)

「多くの野球場は、何度も言いますが採算性、稼働率、費用対効果の概念がない時代の建設されたものです。ですから名義上はスポーツの普及、市民の健康増進などです。Jリーグクラブが主たる利用前提の建設されるサッカースタジアムとは主旨が異なります。松山と新潟の野球場は3万人収容と大規模ですが、+@要因としてNPB開催試合、キャンプの誘致を稼働率向上の観点から加えたものです。比較する場合は、NPB本拠地の野球場との比較するべきですね。論点がかなりズレていますよ。

『NPB球団も無いのに稼働率や採算も不明な野球場に知らん顔~』との指摘は完全に間違いです。 採算性、稼働率、費用対効果の概念がない時代に建設されたので現在では、指定管理者制度を導入し、黒字化させる努力をしていることを知ってください。これは野球場だけではなく、他のスポーツ施設や文化ホールなども同様です。野球場だけ敵愾心を燃やすのは、非常に理解に苦しみます。『野球vsサッカー』の対立構造で語るのは少し違います。この話はまちづくりの観点から論じられるべきものだからです。

 最初のコメントでも書きましたが、Jリーグクラブ使用のスタジアムの場合、試合数がどうしても少なく、しかも野球場よりも建設コストが高いので採算性などがシビアになるのは仕方がありません。だからこそ稼働率を上げる多機能化と複合施設が重要になるのです。スタジアム単体の問題ではないのです。

 『Jリーグクラブが大規模集客に不便な立地の陸上競技場を押し付けられているケースが多かったからです』とありますが、Jリーグが創設された90年代前半、専用スタジアムは極僅かで殆どが郊外立地の陸上競技場でした。地方都市では交通至便の地などそうそうありません。決して押し付けたのではなく、それしかなかったからです。専用スタジアムの必要性が叫ばれ始めたのは、02年日韓ワールドカップ開催以降です。時系列を正確に把握してくださいね。 」


 松山市のあれはアマチュアの為の野球場では無く、将来のプロ野球の誘致も見据えた上の設計だと思います。 アマチュア野球と独立リーグだけなら1万人規模の普通の地方球場で十分だった筈で。 実際、過去に何度もプロ野球の球団誘致の構想は出ては消え、そして何年か前に政府からプロ野球側に16球団に増やしては?の提言までありましたがNPB側とマスコミはスルーしたので... だからこそ造ってしまった野球場は使うしか無いので何とか黒字化出来る様に頑張っている訳で、それは松山市や愛媛県だけで無く宮崎県や倉敷市と岡山県、新潟県などアマチュア利用にしては過剰な規模の野球場を造ってしまった各地域が今、取り組んでいるのだと思いますがNPB球団が無いと厳しいかも。

 

 私も昔、何度も足を運んだ旧市民球場です。 老朽化していたとは言えプロですらこんな施設を使っていた時代に地元NPB球団の無い各地域でプロ野球の(一部)本拠地球場を遥かに上回る野球場が建設されて来た訳で。 アマチュア野球しか無い地元の野球事情に合わせた”身の丈”の施設では無く、良い施設が在ればいつかプロ野球の球団が来てくれるのでは、そこまで行かなくても試合を開催してくれるのではと言う期待から”背伸び”して造ったのではないかと思います。 そう言えば2004年に仙台にイーグルス球団が出来た時、100万都市でありながら地元には小さな地方球場しかなく、それでイーグルスの親会社が金を出す代わりに指定管理者にする契約でプロ野球の本拠地にふさわしい施設に改修し、更に総天然芝にして今ではマツダスタジアムを越えて日本一の野球場になっています。 例え大都市であってもNPB球団が無ければ小さな地方球場が”身の丈”である証左だと思いますが...


 宮崎も素晴らしい野球場ながらプロ野球による利用は春と秋のジャイアンツのキャンプとオープン戦くらいで他はアマチュア野球くらいでは。 私の記憶の限りではここでNPB球団の公式戦が行われた記憶はありません。 先程、これらの野球場が造られた頃と時代背景が違うと言う指摘があったと書きましたが、今はNPB球団の無い地域でプロ仕様の野球場を建設する動きがあるとすぐSNS等で叩かれてますね、確かに時代は変わっています。 宮崎と言えば今年から地元にJリーグクラブが誕生しましたが、スタジアムはとりあえずJ3の会場基準に合わせた”身の丈”仕様です。 これはJ3今治やJ3八戸などでもいきなり巨大スタジアムを造らず、クラブの経営規模に合わせた”身の丈”からです。

 

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