本日のロック

酸性雨ってまだ降ってるの?って聞かれたんだ。

リンクとロック

2005-07-31 19:18:37 | Weblog

姉さん、すみません。

いつのまにか、リンクとかいうものを張ってもらっていたのですね。ありがとうございます。お体の具合はいかがでしょうか?お見舞いとしてはアレですが、ヤンチャな頃を思い出して作りましたん。

 

阿佐ヶ谷ストロベリー仁義           


急行と
まらぬチンケな街で 路地に咲いたる苺花

ただ それだけの縁なれど 筋を通すは飲み屋の道理 

今宵もロックに抱かれて泣いて ボトルが切れたらサヨウナラ 

明日をも知れない人生ゆえに 夜毎深まる姉弟仁義 





(ちなみに平日は急行もとまります。皆さま、七夕祭りも催されますので、どうぞ阿佐ヶ谷まで足をお運びください)

あと、「お前の日記、グーグル検索で出てこねーでやんの。やーい、やーい」と、囃し立てられることが多くなりました。グーグル様にお中元を贈らなかったからでしょうか・・・。どうしたらいいか教えてください。妹が俺の日記を探し当てられません。てか、ご遠慮なくリンク張ってください。


一人旅とロック

2005-07-31 17:44:53 | Weblog

8月の初めから、ちょっとばかし旅に出ようと考えています。そんなわけで連れていくCDと本を選ばなければなりません。こういのって楽しいよね。『エルマーのぼうけん』で、主人公のエルマーが旅立つとき、何を持っていくべきか悩んでたのを思い出します。

以下は、個人的に外せないCDです。あと、5枚くらいはイケますので、よろしければ皆さんのお勧めも教えてください。イメージとしては、電車にカタンコトンと揺られているときに聞く感じ。そして、できれば日本語詞。



旅のお供に(CD編)

①『ラブレター』
曽我部恵一
4曲目の「ジュークボックス・ブルース」は、曽我部のボーカルと観客の手拍子・コーラスのみというシンプルな造りですが、最高にロックしています。ああ神様 俺のこのジュークボックスに 最高のロック入れてシェイクしてよ まわりのみんなに差をつけたいんだから ロック入れてシェイクして爆発させて、なんてストレート過ぎる歌詞も、曽我部だから説得力があるのです。
インタビュー記事では、「いま僕にとってのアルバムっていうのは、そのときそのときの日記ブログみたいなものなんですよね」と、いいこと言ってます。これまでにないスピードで変化する「音楽を巡る環境」や「社会情勢」。それらをしっかりと見据えながら日記のように作品を発表し続ける。技術面やコスト面では可能であっても、それを実践しているアーティストがどれだけいるでしょうか。物事を深く考えたうえで、これだけ弾けた音を、しかもこんなにも速いインターバルで発表できるなんて。いま最高にカッコいいミュージシャンです。

②『夏をひとつ』
倉地久美夫
高円寺の「円盤」を初めて訪れた際、店内のテレビで流されていたのが倉地のライブ映像。菊地成孔が共演していました。店長に薦められてなんとなく買ったんですけど、それからずっと聞いてます。本人が描いたジャケ絵がやたらと雰囲気があって上手いのです。

③『ロック画報13』の付録(SPECIAL SAMPLER CD 4~7曲目)
和田アキ子目当てで買った雑誌の付録CDに、「
休みの国」という、JALのキャンペーンのコピーに使われそうな名前のバンドが入っていて、結局、こっちにハマってしまいました。元々は、ジャックスのメンバーをバックバンドとして、フロントマンの高橋照幸(通称・カイゾク)が独特の乾いた世界観を歌い上げる、というバンドだったようです。オリジナルアルバムも買いましたが、このCDに収められた最近のライブ音源が好きですね。

④『Mellow My Mind』
カーネーション
昨年デビュー20周年を迎えた日本ロック界の大黒柱。二人のメンバーが抜けてスリーピースになってから一度だけライブを見ましたが、全てが圧倒的でした。魂を揺さぶるウルサさ、といいますか。1959年生まれ・直枝政広の、半端なくエネルギッシュなボーカルに男惚れしました。そんなカーネーションの夏向けベスト盤。おそらく色々な事情があって編集されたものだと思われますが、なにしろ曲がいいから。

⑤『8月の現状』
フィッシュマンズ
ゴリゴリに編集が施されたライブ盤。夏の夜、ひとりで外を歩くときに聞きたくなります。俺にとってのフィッシュマンズはこの一枚から始まりました。

⑥『imagination』
クラムボン
最新作をまだ買ってないので、いまのところこのアルバムを持っていくつもり。これでもかとばかりに様々なアイディアが盛り込まれているのに、全く嫌味に感じない。そのへんが不思議で、魅力的なバンドですね。

⑦『MUSIC FOR ASTRO AGE』ヤン富田
全然、バックグラウンドを知らずに聞き出したんですが、「俺の音楽観は、なんて偏狭なものだったのだろう」と思い知らされました。スチールドラムの風通しの良い、洗練された響きが都市の夏に合うのです。

⑧『
ロロサエ・モナムールソウルフラワーユニオン
購入したものの、まだきちんと聞いていません。が、ソウルフラワーの最新作は常に最高傑作でありますので。一曲目の「神頼みより安上がり」(このタイトルだけで名曲と分かってしまう)から一気にソウルフラワー節が炸裂してます。思想的には左なのに売春婦についても歌ってしまうあたりが中川敬の凄みだと思います。ミクスチャーロックというのは、こういうバンドのことを言うのでしょう。雑食の極み、そして、強靭な消化器官。旅先で聞きたくなるというより、聞いてると旅に出たくなります。

⑨『風街ろまん』はっぴいえんど
7曲目の「夏なんです」。夏の田舎の湿っぽくて閑散とした感じが伝わってくる名曲なんです。

⑩『サンボマスターは君に語りかける』
サンボマスター
一時期、俺の周りに「椎名林檎って絶対、私に向けて歌ってるよ」とか言う女子が何人もいましたが、そんなのは優れたプロデュースワークの賜物だよなー、とか思っておりました。しかし、サンボマスターは間違いなく俺に語りかけています。俺はいまロックが聞きたいのです。



うわー、マジで楽しいわ。


キノコとロック

2005-07-30 16:48:06 | Weblog

俺と一緒に飯を食いに行った際、「いいよ、いいよ。それは男の仕事だから(微笑)」みたいなことを言われて、料理を取り分けられたことのある皆さま。
そのとき、あなたが俺から受け取った小皿にはシメジやマッシュルーム、フクロダケなどが目立ちませんでしたか?

ええ、ええ、そうですよ。そういう奴ですよ、俺は。スミマセンネ。


個人的な好き嫌いランキング(キノコ編)

キクラゲ
エリンギ
松茸
エノキ茸  
  
  ←この辺がギリギリ

マッシュルーム
シメジ
舞茸
ナメコ
ヨーグルトきのこ 
←関係ないけど吐いた
フクロダケ
シイタケ


前から言ってるじゃん、食えないって。頑張っても無理なんだってば。それなのにこの仕打ちは何?
一昨日お会いした方(怖いのでイニシャルすら書けない)が、ご馳走してくれた明らかに高そうな天丼にはナメコ汁。昨日の昼に食った和定食のみそ汁には千切りシイタケ。そして、さっき買ってきたセブンイレブンの冷やし坦々麺には(一見して気付かないくらい)細かく刻まれたシイタケ。


後藤さん、俺は偶然も二度までは許すことにしているんだ。しかし、三度目は違う。そこには何らかの必然が関係している」 


(『機動
警察パトレイバー』における、松井刑事のセリフ。後藤喜一率いる警視庁特殊車両2課第二小隊に対して戦闘を挑んできた“黒いレイバー”。捜査を担当した松井が、事件の背後に度々名前の挙がる外資系レイバーメイカー「シャフト・エンタープライズ・ジャパン」の企画7課長・内海ついて語ったときのもの

何らかの必然が絡んでいるんですか。そういえば、このところずっと気になっている歌もやはりキノコ。体が望んでいるのかキノコ。


キノコ食べちゃうかもよ   (B-DASH!)
それは早すぎるかもよ   (B-DASH!)
急に止まれないかもよ   (B-DASH!)

「B-DASH!」 トンガリキッズ

キノコ食って元気になって、葉っぱ食って空飛んでたよなー、あのヒゲの配管工。それに熱狂した当時の小学生が、大きくなって現実社会で同じことしてますけど仕方ないですか。そうですか。


偽善とロック

2005-07-29 04:25:13 | Weblog

小学生にして受験生だった俺は、バスで杉山公園にある塾に通っていました。小6ですでに身長が170を超えていたせいもあり(先生を含めても学校で一番背が高かった)バスに乗るのは本当に苦痛でした。俺が子供料金で乗ろうとすると、必ず運転手に止められたからです。今でも思いますけど、それを望む小学生には学生証を付与すべきです。小学生が必死に説明してんのに全く理解を示さず、仕方ねーなぁ、後に客も支えてるし、とっとと乗れよ、みたいな顔をした運転手が何人もいました。その時の嫌な気分はいまも忘れられません。

いや、それはいいんだった。

俺が善悪を考える際に必ず頭をよぎる出来事は、そんなところで起きました。
その日も運転手の白い目を振り切るようにしてバスに乗り込んだ俺。雨が降っていたせいで車内は少し混みあっていました。すでに座席はすべて埋まっており、俺はバスの中ほどのつり革につかまりました。塾までは20分くらいだし、立ってるのは苦ではありませんでした。ただ、俺の隣に立ってるオバちゃん二人組がウルせーのは嫌でした。

そして、いくつめかの停留所で少し腰の曲がったお婆ちゃんがバスに乗ってきました。風呂敷包みを小脇に抱えていたと思います。床も濡れていたし、俺は、あ、危ねーなあ、と思ったのですが誰も席を譲ろうとしませんでした。その時、隣のオバちゃん達が「あらー、お婆ちゃん大変ねぇ」「席を譲ってあげないなんて薄情なもんねぇ」みたいなことを大声で話し出したんです。それを聞いて、オバちゃん達の前に座っていた中年のサラリーマンがイソイソと立ち上がりました。お婆ちゃんは、サラリーマンとオバちゃん達に向かって一礼づつして腰を下ろしました。前から書いている通り、俺はかなりのお婆ちゃん子ですから、この時はオバちゃん達が少しカッコよく見えていました。

問題はその後。

オバちゃん達は自らの行動が世の中を正しい方向に導いたと勘違いしているようでした。そして、彼女達は、俺の斜め前に座っていた茶髪のお姉さんをターゲットにして、さっきと同じ調子で話し始めました。「私が若い頃はバスで座ろうなんて考えもしなかった」「そうよー。時代も変わったものよね」「自分さえよければいいってんだからねー」「髪の毛ばっかり気にして、周りのことなんか見てないんだから」「お婆ちゃんも災難だったわよ、ねぇ?」お婆ちゃんは困った様子で「はぁ」とか「ええ」といった生返事を繰り返していました。

「うちの娘があんな態度だったら、とっくに引っ叩いてるわよ」

ビーッ、という音がしました。お姉さんが、次の停留所で降りることを告げるブザーを押したのです。
オバちゃん達はますます勢いづきます。「あら、降りるみたいよ」「こんなに近くで降りるんなら、なおのこと席くらい譲っても良さそうなものよね」「ほんとよー」俺は、オバちゃん達は少し言いすぎかも知れないけど、でも、ご老人をないがしろにするような手合いは少々キツメに懲らしめとかないとな(
ほんとに嫌な小学生だな)、みたいに考えていました。

バスが停まり、お姉さんはゆっくりと席を立ち上がりました。そのとき、バスに乗り合わせた誰もが「あっ」と思いました。お姉さんの右足が最初の一歩を踏んだ瞬間、彼女のからだ全体がカクンと沈み込んだのです。そして今度は、不安定に傾いた体を立て直すように左足を出して踏ん張ります。その繰り返し。みんな声も出ませんでした。きまりが悪そうに俯いてしまったオバちゃん二人組と、口をポカンと開けたままの俺のうしろを、お姉さんは長年の経験から体得したのであろう独特な歩調で、ひょこっ、ひょこっと通り過ぎていきました。

まあ、そんな話です。
いまだによく分かりません。オバちゃん達だけが悪いのか。他の乗客が悪いのか。オバちゃん達がいなかったら、お婆ちゃんは席に座れなかったかもしれません。ババアや身障は家に閉じこもってりゃいいんだよ、みたいなことをいう人もいます。(←本当にいるから腹が立ちます。俺としては、「そうか、それで街に残るのがお前(あなた)みたいな奴(人)ばっかりだったら地獄だね(ですね)」と、返事をしています)でも、結局のところ分からん。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


以下は、日本のヒップホップカルチャー(?)を創世記から牽引し続けるラッパーであるところのECDが、渋谷駅前で阪神淡路大震災の義捐金を募るボランティアについて歌った(?)曲の一部です。もうすでにラップではないこの言葉のなかに、俺があの時感じた後味の悪さを解き明かす鍵がある気がします。

だけどボランティアっていうのは本来「勝手にやる」、「見返りなんてどうでもいいから勝手にやる」という意味だと思ってたんだけど、ヘーイ、間違っているのかな、僕は。僕は分かんない。でもさ、人のためになりたいから「勝手にやる」。人のためになりたいというのはさ、つまり、その人がどういうことを希望しているかってことで、でも、そのための行動は「勝手にやる」ってのがボランティアだと思ってたんだ。でもさ、ボランティアで勝手にやっている人たちが「奉仕」だと思っている節が多くって、それって言霊の悪い使い方だと思うんだ。(中略)「人のためにやってるんです」っていう顔で来られたら誰だってムッとくるよ。酔っ払いだっていっぱいいるんだ路上には。酔っ払わなきゃいけない理由もいっぱいあるんだ街んなかには。だから、「僕は人のためになりたい、そういう人になりたいから勝手にこういうことしてるんです」という態度のほうがいいと思うんだ。  

「SHIBUYA ANTHEM」 ECD

ちなみに、音楽に興味のない人も『ECDIARY』だけは読んでください。本当に世界の見え方が変わってきます。


ブルーハーツとロック(2)

2005-07-27 18:21:33 | Weblog

下のを書いてて思い出したので書いちゃいます。

 

学生時代のバンド友達にモヒカンがいました。俺はもう辞めてたんですが、彼はバリバリにドラムを叩いてました。で、そろそろ就職活動という頃に彼とばったり会いまして。頭が良くて、かなり厳格なお父様がいらっしゃった彼は、このままバンドを続けていくべきかどうか悩んでおりました。ま、クラスも違うし、そこまで親しくもなかったので、逆にそういう話がしやすかったのでしょう。一時間くらい立ち話をしました。

彼のバンドのライブは何回か観たことがありました。彼以外のメンバーとも面識があったので、ライブのたびに誘ってくれたんですが、いつ行っても盛況なんですよ。対バンなのに彼らの出番だけは客が増えたりしてて。でも、俺は、ある理由で行かなくなったんです。



「バンドの調子はいいんだけどさ。親父が就職しろってウルサイんだよ」
「そうなあ」
「インディーズデビューも決まったしさ」
「うんうん」
「でもなんか自信がさぁ」
「わかるわかる」
「でさ、ダイスケ。お前、正直どう思う?うちのバンド」
ブルーハーツにしか聞こえない
「ああ。やっぱりそうかあ。」
「うん」
「つらいかなぁ?」
「うーん。俺ならブルーハーツ聞くよな」
「そうかぁ」


その後、見事にデビューしてしまったために、パクリだなんだと騒がれたようですが、まあ、別にいいんじゃないのという感じです。どっちにしろ今の俺は聞かないですし。考えてみれば、ブルーハーツにハマる要素を持った中学生は常に存在しているわけで、当然、商売にもなるってもんです。へー。青春パンクとか言われてんだ。

使い古された言い回しであれですが、そろそろブルーハーツをジャンルとして確立してみてはいかがでしょうか。

今年も、佳曲、名曲、話題曲が勢揃い致しました日本レコード大賞!続いては、注目のブルーハーツ部門の発表です!

みたいな感じで。そうすればパクリとか言われないですし。


ブルーハーツとロック(1)

2005-07-27 17:25:41 | Weblog

クソみたいに暑いすね。
俺、めちゃくちゃ汗っかきなんでツラいんですよ。階段をのぼっただけでダラダラですから、ほんとに。

で、汗をかきながら歌うといえば、ヒロトです。(
最近だと山口隆ですが、サンボマスターについてはまだ冷静に語れません)身も蓋もないことを言えば、ダラダラと汗をかく姿を見せることで、作り物ではないというイメージをアピールする、という意味もあるのでしょう。とはいえ、汗っかきはバンドなんかやっちゃいけないと思っていた10代の俺は、かなり励まされた覚えがあります。

俺が初めて聞いたのはファーストでした。親父のレコード棚を漁ってたらチョコンとCDが置いてあったんです。バンドの名前くらいは知ってましたから、へえ、こんなの持ってんだ、ちょっと聞いてみっかみたいなノリで。「未来は僕等の手の中」から30分間、身動きできませんでした。完璧でした。なんというか答えを教えられちゃった気分。そんで、親父に金をもらって、ちょうど発売されたばかりだった『STICK OUT』(
抽象的な歌詞が増え、ロックっぽい曲調が目立つようになったため、仲間内での評判は良くなかった後期の作品ですが、俺は今でも好きです)を買いに行きました。


それで、ひさしぶりに聞きながら書こうと思ったんですが、数分探して、全て実家に置いてきたことに気付きました。というか、家を出てからの3年間、それに気付かなかったことに驚いています。しかし、俺、思うんです。ブルーハーツは「実家に置いてくる」類の音楽ではないかと。甘酸っぱい思い出と一緒に実家に置いといて、帰省したときに記憶を蘇らせるみたいな付き合い方が個人的にはしっくりきます。
もちろん、ブルーハーツほど多くの人に認知されながら、聞き手各々の思い入れに差があるバンドも珍しいと思いますから、俺の考えを押し付けることは出来ませんけど。とりあえず、カラオケで歌うのはやめてほしいですね。イライラすっからさ。



そして、「親父が持ってた」というのは俺にとってかなり重要なことなのでは、と、いま思いました。そういえば、村八分やニール・ヤング、ジミー・クリフにダニー・ハサウェイ、すべて親父のレコードで知ったのでした


沖縄とロック(2)

2005-07-26 04:46:04 | Weblog

~昨日のママの話の続き 


カラオケ歌って気持ち良くなったのか、ビールの回りが早いのか、ママやたらと饒舌。なんか知らんうちに身の上話になっとる。

「私ほら、離婚してるから。娘の学費ぐらいは稼がなきゃいかんわけさぁ」
「ママ、離婚してるんだ」
「そうよぉ。地元でくっついたけどさぁ、旦那が働かないから別れたの。で、この店」

ママが言うには、沖縄は昔から
離婚が多いらしい統計的にはここ2、30年で急速に伸びているように思うけど、それは少し違うとのこと。

「うちの地元ではね、旦那が漁に出て獲ってきた魚を奥さんが売り歩くわけさぁ」
「うん」
「それはねぇ。旦那が獲ってきた魚を、奥さんに売るということ」
「は?」
「旦那は奥さんに魚を売って小遣いにする。奥さんは他人に売って生活費を稼ぐ。お財布も別々」
「夫婦で別会計ってこと?」
「そうそう。もともと島の女は独立心が強いんさぁ」
「へー」
「離婚したときも慰謝料とか貰わなかったよ。さっぱりしたもんさ

「それは貰ったほうがいいだろ」
「まあ、なんくるないさぁ。旦那が働かなくて別れたんだからね。食い扶持が減って助かったくらいよ」


この辺りから、この島の人がよく分からなくなってきました。情には厚いんだけど、変にドライ。俺が25年間住んでいる東京とは違う意味で乾いた人間関係という気がします。カラっとしてる、と言えなくもないのか。

 
「でも、こんだけ客足が冷え込むとつらいよね」
「そうそう。もう娘が卒業するから、うちは楽だけどね。最近、この辺りはひどいから」
「お客がいない?」
「そうよぉ。法律できてからずぅっとひどいねぇ」
「取締りが厳しいんだ」
「隣の店あるでしょ。あそこの次男坊なんか頭いいのに大学行かなかったよ」
「なんで?」
「12時になるとお客さんをお店に入れてるだけで営業停止でしょ」
「うん」
「裏口からお客さん逃がしても、見つかったらアウト」
「うんうん」
「隣は次男坊を店の前に立たせて見張りやらせたの。お巡りが来たらビール瓶を壁に投げつけて知らせるわけさ。一本1000円のアルバイト、それが次男坊の10代。大学出ても、それ以上儲かる仕事にはなかなかつけないからねぇ。それで、結局、行かなかった」



そんなこと話してたら、空が明るくなってきたのでホテルに帰りました。ほんとに。何もせずに。

で、次の日、海岸を散歩してたら高校生がサーフィンしてました。東京はまだ梅雨の真っ只中だった頃の話ですよ。

「もう海開きしてんだね、こっちは」
「え、4月から泳いでますよ?」

全然理解できないよ、沖縄。オレンジレンジが分からない感じと似てる。


残された時間と
限られた時代には
君みたいな迷わない若者がよく似合う

UA「プライベート サーファー」




沖縄とロック

2005-07-25 02:20:39 | Weblog

少し前に行ってきました。
出張なので楽しみといえば食事くらいのもの。まあ、沖縄そばもゴーヤチャンプルーも好きだからね、とか思ってたんですが、三日で飽きました。言ってみりゃ郷土料理ですから、続け様に食うもんじゃないんですよ。違うもの食べようとしても、生魚や生野菜が少ないOR不味い。(
阿佐ヶ谷の地下のお店で出会ったシマンチュのSさん。沖縄の回転寿司屋は築地からトロを仕入れてるってホントですか?酔っ払いの戯言だったですか?ちなみに彼によれば「クリスマスにブルーシールのアイスケーキを食べるのが沖縄のお金持ちの条件」なのだそうです

仕方がないので飲んだくれようと思い、少しお世話になったママに会うため栄町市場へ。
以前、何の土地勘もない俺に沖縄通のIさんが教えてくれたのがこの市場でした。(
この市場の入り口にある「ぱやお」というお店だけは奇跡的にお刺身が美味)そして、Iさんに薦められた飲み屋(高田渡の曲名から名前を取っている)を探してて迷子になった俺をわざわざ案内してくれたのが、ここでスナックを切り盛りしとるママさんでした。

お礼を兼ねてスナックを訪れますと、ママは俺のことをしっかりと記憶しておりました。(しょぼいカウンターとテーブル席がふたつの小さなお店。俺が入ると、カウンターで飲んでいた作業着姿のオッサンがこっちを一瞥して出て行ってしまいました。誰すかね。ヒモすかね)唯一のお客となってしまった俺は、50がらみの豊満なママと若作りな化粧が痛々しいホステスさんに囲まれて、一本1000円の瓶ビールをカッポンカッポン空けながら話をしました。出張費が出たから贅沢してます。

へー。赤線。あー、やたらと目にした赤い「旅館」の看板は、そういうお店ってことなんだ。知らなかったー。

「でもさ、旅館の呼び込みしてるのお婆ちゃんばかりじゃない?さすがに勃たないよー」
「なぁに、若い子もいるさぁ。角のマキちゃんだったら、まだ30の終わりくらいよ。ねぇ」
「いや、それでも結構つらいよ、ママ」
「でもお店に来てくれただけでもうれしいよぉ。ここも段々、人が歩かなくなってるからね」
「そうだよねー。外歩いてても、お客さん、ほとんど見なかったもん」
「昔はね、現場の帰りにみんな寄ってくれたんだけどね。今は工員も内地から呼ぶの」
「へぇ」
モノレールの時もそうだったさぁ。それで工員はホテルに缶詰にして出歩かせないから」
「あららら。じゃあ、商売上がったりだ。現地の人を雇わないんだ?」
「島の男は給料もらった次の日は仕事に行かないからねぇ。内地の会社は嫌がる。まぁ、その分女が働けばいいよ。なんくるないさぁ」

と言うと、ママはマイクを握って立ち上がったのでした。曲は田端義夫の「十九の春」。
ママってば、サービスし過ぎ。
ちなみにカラオケには「島唄」も「涙そうそう」も入ってたけど、ジョニー宜野湾やネーネーズはありませんでした。


○○とロック

2005-07-22 02:27:25 | Weblog



世界の終わりが砕け散る
悲しみ見あたらねえ
七つの荒海制覇しろ
あの娘に会えるまで

ジェニー ジェニー どこにいる
嵐で見えやしねえ
ジェニー ジェニー どこにいる
嵐で見えやしねえ


『ジェニー』ミッシャルガンエレファント



最初に聞いたときはただただノリのいい曲だと思ってたけど、こんな時、最初に思い浮かんだぜ。


同い年とロック

2005-07-21 18:43:40 | Weblog

近所の床屋に髪を切りに行きました。阿佐ヶ谷に引っ越して以来、ここ数年はこの床屋に通い、ずっと同じ理容師さんに担当してもらってます。髪型には全くこだわりがありません。というか3ヶ月に一回行くだけなんですけど、それでも刃物を首筋に寄せられるので信頼できる人じゃないと怖いんです。

で、その理容師の彼は俺と同い年。無口で黙々と仕事を進めるタイプですが、センスがぶっ飛んでます。一度「男気あふれる感じで(笑)」という注文を出したところ、2時間後には立派な哀川翔にされていました。彼の後輩に当たる店員が、笑いをこらえながら「ほんとにこのままでいいんですか?」的な視線を送ってきましたが、彼はマジですし、俺もマジな人は好きですから、全く問題ありません。さすがにガチガチに固められた頭は帰宅してからシャワーで洗い流しましたけど・・・。ごめんね○○君。

今日は「夏らしく全体的に短めで」という、柔らかめの指定をしたのでカッコよく仕上がりました。(
腕は間違いないんですよ。カミソリの扱いもやたらと上手いし。ただ仕事に対する妥協を知らない姿勢が少し怖いだけ

で、そのとき店内に延々と流れていたのは尾崎豊でした。ああ、これは彼のチョイスだよな
ー、まあ、気持ちよく仕事に励んで欲しいし、それとなく触れてみるか、みたいな感じで、「15の夜」が始まった時に話を振ってみました。

「あ、これ、今流れてるの尾崎でしょ」
「そうです。俺、好きなんで」
「そうなんだ。『15の夜』はいいよねー。歌も上手いし」
「ええ」
「○○君は何が好きなの?」
「俺は『―――』ですね」
「へ?」
「いや、一つ前にかかってた曲です」
「あー。(
やべー、『卒業』と『15の夜』しか知らねー。というか区別できねー)」
「聞いてると昔のこと思い出すんですよ」

と言って、彼が回想モードに入った瞬間にこの話題終了!どう転んでもイリーガルな話になりそうだからね☆

でも、そうか、同い年だけど尾崎か。いや、むしろ、このご時勢に美容師じゃなくて理容師だもんな。(
美容師の卵と合コンしまくりでしょ、とか聞いたら、前に職業を差別されるようなことを言われてから、仲良くできないんだそうです。そりゃ確かにムカつくわな)彼は彼で、色々とあった上での尾崎。同い年なのにミスチルでもイエモンでもなく尾崎。うーん、これは突き詰めるとオモシロい話になりそうです。
まあ、今日はいいか。今度、髪を切るときの楽しみが増えたしね。