本日のロック

酸性雨ってまだ降ってるの?って聞かれたんだ。

制服とロック

2007-06-21 21:21:58 | Weblog

僕の勤務先の最寄り駅にはエスカレーターが設置されておらず、今日も今日とて、恨めしい思いを抱きながら、長い長い階段を上っていた。

本来なら休日であるはずの水曜日に、わざわざ出社する羽目になったのは、「誰を責めることも出来ないが、とりあえず今日中に誰かが処理しなければならない問題」が発生し、その煩わしい作業を、関係者のなかで最も年少である僕が、当然の結果として任されたからに他ならない。

それだけでも、かなり「渋々」感は否めないのだが、加えてこの暑さである。駅に到着したのは午後4時頃だったが、体感温度は昼間と全く変わることがない。仕方なく階段を行く。途中の踊り場付近に至り、僕のもみあげからひと筋の汗が滴り落ちた。立ち止まった僕の脇を、ワイシャツの背中に大きな汗の染みを作ったオジさんが通り過ぎる。あーあ。

と、そのとき。

階段を見上げた僕の目に映ったのは、手摺りの反対側を降りてくる女子高生の2人組だった。勤務先の近くに位置する(別に悪く言うつもりはないけど、彼女達と同じ制服を着た女の子達が、近所のコンビ二にたむろして、駐車場で胡坐をかきながらラーメンを啜っているのをよく目にする。 そんなあまりお行儀の良くない)高校の生徒のようだ。

水色のワイシャツを景気よく開け放ち、スカートも、まぁ、暑いのはよく分かるが、しかし、そこまでたくし上げなくてもいいのではないか、と思うほどの短さ。そこからニョキッと生えた4本の足は、見せびらかすにしてはあまりにも太く、セクシーの欠片も見当たらない。更にウンザリしたのは(これは主観の問題だけど)、どちらも個人的にはあまりお付き合いしたくないルックスをしていたことだ。

悪いことに、電車がホームに入る音が聞こえた。僕の背後から熱風がどっと押し寄せ、短か過ぎるスカートを襲う。彼女達はスカートを両手で抑えなながら

「マジなにこれ! ありえねー!」

「うわ! 風、やっべ!」

とか何とか、楽しそうにキャイのキャイのはしゃぎ出した。風がやばいとはどういうことか。僕と、僕の前を行くオジさんは俯いたまま無言で階段を上る。次の瞬間、僕の視界の端で、彼女達のスカートが大きくはためくのが分かった。

僕が顔を上げると(あぁ、何故、顔を上げてしまったのだろうか)、果たして彼女達のスカートは完全に捲れ上がっていた。

 

僕の目に飛び込んできたのは、鮮やかな水色。

二人とも、お揃いの水色。

そう、水色の、恐らくは体育で使うであろうハーフパンツタイプのジャージだった。

 

ありえねー。

 

僕は駆け足で階段を上りきり、深呼吸した。彼女達には、「暴力的なまでに短いスカートをこれ見よがしに穿く権利」がある。しかし、僕には、「怠惰で肥えた太股を見せ付けられ、なぜだか知らないが罪の意識に苛まれる義務」しかないのだった。

駅出口の前にある横断歩道で立ち止まると、さっきのオジさんと目が合った。彼はニコリともせず首を横に振った、ように見えた。

 

本日のBGM :  ミドリ「あんたは誰や」


最新の画像もっと見る