daddy-kのいきあたりばったりⅡ

以前のブログが閉鎖でⅡを立上げ。食の別ブログもあります:https://ameblo.jp/mightymogu/

思い出のA&Mレコード

2023-08-19 | 音楽つれづれ

レコード会社の設立間もない頃は小規模な故に扱う音楽が明確で、オーナーの個性から滲むそのカラーが魅力だったり苦手だったりするのですが、ハーブ・アルバートとジェリー・モスが設立し、二人の頭文字からA&Mレコードとしたこの会社の初期は、お洒落な大人の音楽を扱うレーベルと言う感じで、私にとっては好ましいものでした。

そのジェリー・モスさんが先日16日に亡くなられたそうで、そのA&Mで思い出すミュージシャンとアルバムの事を書いてみます。

最初に気になったのがウェス・モンゴメリーの「ア・ディ・イン・ザ・ライフ」、これは何かラジオ番組の挿入歌に使われ、そのオクターブ奏法が新鮮で気にいり、弟がこの曲の入った4曲入コンパクト盤を買ってきたのですが、それも確かLPと同じジャケットだった記憶が。

この口紅の付いたタバコの吸い殻のジャケットが大人で、そもそもこのCTIシリーズ最初のタンバ・トリオの「二人と海」から、そのサウンドもジャケットもお洒落でアートに感じ、丁度ポップス小僧から大人の音楽に視野を広げ始めた時期と重なり、印象に残っています。

愛の聖書」のクリス・モンテス、彼も同じようにこのレーベルでポップス・シンガーから大人の、後に言うAORシンガーの先駆けとして脱皮。初めて本格的にボサノヴァを耳にしたセルジオ・メンデスとブラジル66、まだ手持ちのLPの少ない頃だった事もあり、一時かなりのヘビー・ローテーションで廻していたのは、両方とも60年代の事だったと思います。

多感な年頃?になった70年代は、キャット・スティーブンスや、イングランド・ダン&ジョン・フォードが好きでした。「雨に濡れた朝」や「シーモンの涙」とか、今も時々口ずさみます。ロジャー・ニコルズ&スモール・サークル・オブ・フレンズも後追いでしたが結構聞いたな。

70~80年代にかけてはこのレーベルも多様化し、オルガンとドラムスだけでロックするリー・マイケルズ、カントリー・ロックのフライング・バリット・ブラザーズ、元々はアカペラのグループだけど、ここでは伴奏付きの曲も入れたザ・パースエイジョンズや、ブルーサムから移籍したマーク=アーモンドとか今は懐かしいです。今でも時々聞きますけれど。

このレーベルで一番多くアルバムを買ったのがリタ・クーリッジとクロディーヌ・ロンジェ。リタは今年5月のブログに書いてます ⇒ リタ・クーリッジ/愛を知りしとき。クロディーヌについては2011年のブログで書いたのですが、こちらは閉鎖されてしまいましたので、来年の彼女の誕生日(1月)にでも再掲載しようと思っています。

以上、【聞きたい365日第358話】で、遠い昔のジジィの青春時代に付き合っていただき、ありがとうございました。

 

【2023/08/23追記】 2022年5月に別ブログで、「パースエイジョンズ/この指輪を君に」がA&Mと関連するので、そこで書いた内容に加筆し追記しました。

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アカペラ・コーラス好きです。ただ声だけが勝負だから、何曲か聴くと辛くなるグループもある中で、私はパースエイジョンズが好き。グループの好みはそれぞれあるでしょうが、アルバムを一番出しているのはこのグループのはず。

このグループは50年代からのストリート・コーナー・シンフォニー…街角の街頭の下や地下鉄駅の通路など、響きのある場所に集い歌うというあれです…の終焉を迎えた頃の62年の結成だそう。その後フランク・ザッパに見いだされ、最初のアルバムを発売。その頃のアルバムは持っていませんが、後追いを含め、何枚かアルバムを求めました。

このグループに限らず、アカペラ・グループの選曲はドゥー・ワップやゴスペルの他、様々なジャンルの有名曲をカバーする事が多く馴染みの曲が、こんな風なアレンジでという楽しみがあります。

彼らのアルバムでも、ゴスペルやドゥー・ワップの名曲の他に「スター・ダスト」とか、ストリート・コーナー・シンフォニーの時代を歌ったケニー・ヴァンスの名曲「ルッキング・フォー・アン・エコー」などが流れ、後者などそんな経験も無いのに、つい感情移入が…。

などと言いつつ私が彼らを知ったのは、75年のA&Mからの2枚目「この指輪を君に」と言うアルバムからなのですが、このアルバムではアカペラの曲の他に、伴奏つきの歌も入っていて、うち「ウィズ・マイ・フレンズ」はそこそこヒットしたはずです。

デルズの「オー・ホワット・ア・ナイト」や、サム・クックが書いたソウル・スターラーズの「コートの手触り」など、本寸法(?)のアカペラ曲も最高ですが、こうした伴奏付きもまた新鮮。

こうした彼らの活躍は、後に続くグループにも大きな刺激になったようで、大好きなグループの「ナイロンズ」も彼らから大きな影響を受けたと語っているそうですし、ロッカペラやボーイズⅡメン、テイク6などもそうらしいですね。

AORが人気だった頃、ビリー・ジョエルの「ロンゲスト・タイム」という1人多重録音のアカペラ曲がヒットしましたが、あれは元はパースエイジョンズにバックを付けてもらおうと思っていたそうです。

やってみると、アカペラ・グループはややフラット気味になる傾向があって、自分でリードは若いイタリア人の工員、ベースは中年銀行員…なんて風に声の感じも設定し、一人でやってみたら思っていた音になったので…何て話を、当時読んだ記憶がります。

本当にフラットしているのかは音痴の私にはわからないのですが、私がアカペラやドゥー・ワップが好きなのはそこじゃなくて、ベース・パートが強靭で、そこにリードやファルセットが絡むという構成が好きだからなので、そうなのかなぁ~と思った記憶があります。

 

このグループの結成時からのベース・パートはジミー・ヘイズさんですが、結成55年の「エメラルド・アニバーサリー」ツアーで、日本にも来る予定だった2017年の5月に、73歳で亡くなられました。

オリジナルメンバーでは既にバリトンのハーバートさん、セカンドテナーのジョセフさんが亡くなっていて、リードVoのジェリーさんも2019年の7月に亡くなられたそうで、活躍された時期からすると、確かに皆さんご高齢になられているのでしょうが、淋しい事です。

でも、グループそのものはメンバーを補充し、今も元気で活動しているみたいですから、一度生で聞いてみたいものです。



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