daddy-kのいきあたりばったりⅡ

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ロック版 ピーターと狼

2024-04-04 | 音楽つれづれ

クラッシクに疎い私にプロコフィエフの話など出来ないのだが、ロック・ヴァージョンなら多少は首を突っ込んでも…という訳で、ロックになった「ピーターと狼」のお話です。

この曲ではピーターが弦楽四重奏、狼はホルン…などの楽器で表すそうですが、ここではそれがロックの楽器に置き換わっています。むろん演奏するのはロック・ミュージシャン。 ~ 最近はロック楽器にも強いオケ・メンバーもいるそうなので、その人達が演奏するのも面白そうですが ~

メインとなるギターは、我が国のギター・キッズに絶大な人気のあったゲイリー・ムーア。彼は10代の頃よりクラッシクにも興味を持ち、ヴァイオリンの楽譜をギターで弾いていたという逸話もありますからこの企画にはピッタリかも。

ロック・コンボに多様な表現の幅を持ち込んだのがシンセサイザー。その演奏陣も豪華でマンフレッド・マンにブライアン・イーノ、プロコルハルムのゲイリー・ブルッカーなど。

国内盤の発売は81年でしたが英国での発売は75年。アナログ・シンセ全盛の時代なので、今のデジタル・シンセに慣れた耳には、少し古臭くも感じられますが、それが今は温もりとなり、またSE的な音を上手く使うなど、演奏技量を駆使する個々のミュージシャンの技も聞き物です。※世界初のデジタル・シンセYAMAHA DX-7の発売は83年。

そして個人的な一押しがエレクトリック・バイオリンのステファン・グラッペリ。

他にも多くのサポート・メンバーがいて、総勢20名以上が参加しているそうですが、中にはテン・イヤーズ・アフターのアルヴィン・リーの名もあって個人的には嬉しい。

綺麗な絵本(?)が付いているので、それに沿って気に入った演奏場面の事を書きましたが、ダラダラと長い分フォント・サイズを下げています。興味ない方はスルーして下さい。

エレクトリック・ピアノとアコースティック・ギターに導かれ、リリコン※1ジュリー・テイペッツ※2のヴォーカルよる、良い感じのイントロクションから短い語りが入り物語の始まり。 ※1 ウィンド・シンセ ※2 以前の芸名はジュリー・ドスコール

(F01) ピーターのテーマが流れこれはマンフレッド・マンのシンセ。それに絡むペダル・スチールGはP.ヘイウッド。このスチールGが麗らかな散歩日和を思わせ好き。さえずる小鳥たちはG.ブルッカーのシンセでこれがまた良い感じ。(F02) アヒルのテーマはG.ムーアでワウをかませて出すアヒルのクアックアッの感じが良く出て楽しく、「飛べもしないでそれでも鳥かい?」とアヒルをからかいに来た鳥はG.ブルッカーのシンセで、そのシンセとギターとの掛け合いが愉快です。(F03) 猫のテーマはS.グラッペリのエレクトリック・ヴァイオリンが担当。我が家にも駄猫(?)がいますが、その猫が気まぐれ散歩する様子が見える様でグラッペリの演奏は最高。猫とアヒルのやり取りでA.リーのギターとの掛け合いも楽しい。(F04) お爺さんの音はサックスで、語りが入って「森にはオオカミがいるから帰っておいで」と呼ばれてもピーターは平気。(F05) 狼のテーマはB.イーノのシンセ。アヒルとの緊迫感のある攻防が続きますが、この辺りはロック版の聞かせ所。抵抗むなしくアヒルは呑み込まれてしまいます。最後にシンセによるオオカミのゲップで笑わせる場面を入れてA面は終り。

(F06) B面はイングリッシュ・コラーレの「哀れなアヒルの歌」が流れ、悲しむピーター。猫も鳥も呆然と見つめています。(F07) またも狼が忍び寄って来て狙われたのは今度は猫。ここでもグラッペリの演奏する猫の追い詰められた感がすごく良く出ていて、さすがジャズ・ヴァイオリニストの長老グラッペリ。個人的にはこのアルバムの主役はグラッペリですね(F08) 木の上からロープで吊り上げ、何とか狼の捕獲に成功したピーター、シンセのSEによる小鳥たちの応援も聞き物。(F09) やって来た狩人を前に「狼は既に捕まえたよ」と得意顔のピーター。狩人はコージー・パウエル他による打楽器。(F10) そうしているうちにアヒルは無事に狼の口から飛び出し、目出度し目出度しのロックン・ロール・パーティで大円團。

とまあ、「聞いてみて」とおススメまでしませんが、E.ギターやシンセ等による表現力の広さが充分感じられ、何より演奏者の遊び心が伝わって来る楽しいアルバムでした。

付け足しですが、狼ファンの私としてはヨーロッパでは狼がいつも悪役なのは残念です。狩猟民族と狼は獲物がかち合うので、憎まれ役は仕方のないところなのでしょうけれど。

以上【聞きたい365日】 第375話でした。



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