daddy-kのいきあたりばったりⅡ

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ローラ・リー/ハング・イット・アップ

2023-03-09 | 音楽つれづれ

女性ソウル・シンガーで誰が好き?と考えたら、アルバム通して聞き応えある人、ワンヒット・ワンダーだけどその1曲のためアルバムを手放せない人、皆が高く評価するけど私の好みに合わない人…ま、色々あって楽しいのですが、私が好きな歌手として真っ先に思い浮かぶ1人がローラ・リー。

彼女を初めて知ったのは、72年に出た「ソウル・オン シカゴ・サウンドⅡ」という、チェス/チェッカーから何枚かのシングルしか出していない人を集めたコンピレーション物からでした。

最初はキップ・アンダーソンの「愛のかけひき」という曲が気に入って買ったのですが、そこに入っていた彼女の「ハング・イット・アップ」と「アップ・タイト・グット・マン」も、とても気に入り、他の2曲が入ったVol.1もあわてて買ったのも懐かしい思い出ですが。

それにしても当時の60年代ソウルの掘り起こなど、マニアの盛り上がりには熱量がありましたね(一部でしたが)、故人となられましたが、桜井ユタカさんの書くライナーノーツ、テリー・ジョンソン(湯村輝彦)のイラストレーション…ついこの間のような気がするのですが、あれからもう半世紀も経っているのですね、止まっているのは私の頭だけかぁ…

 

彼女は、母親と共にゴスペル・グループに参加して音楽活動を始め、そこで頭角をあらわしリードをとるようになったそうですが、私はこうした60年代後半のゴスペルを出発点とする歌手のアーシーなスタイルのソウルが好きで、未だそこか抜け出せないまま、そこに沈殿しているわけですが。

しかし音楽をビジネスとする人は澱んでいるわけにはいかない、時代に合わせニーズに合わせアップデートしないとおいて行かれます。チャンスを求め彼女は、出来てまだ数年のホット・ワックスというレーベルに移籍。

時代の求めか?レーベル・カラーが違ったからか?、これが成功し彼女は2枚目のシングル「Women’s Love Rights」をヒットさせ、ビルボードのR&Bチャートで11位、ポップチャートでも36位に上り、ここで最初のアルバムを出す事に。(最初の写真中央のチェスのLPは、この曲のヒットを受け、60年代のシングル盤を集め72年に発売された物)

このレーベルは、モータウンで活躍したエディ・ホーランドらにより設立され、ノーザン・ソウル系のダンサブルな部分を持ち合わせ、そこは私の好みとは少しズレていて、2枚目・3枚目となると、やがて来るディスコの先駆けみたいなサウンドになって、もう私の好みでは無くなるのですが。

70年代に入ってからは、マーヴィン・ゲイや、カーティス・メフィールド達に牽引されたニュー・ソウルの流れに移りつつあり、アーシーなソウルは埋もれてゆくのですが、この曲あたりはまだ、彼女の声の魅力とサウンドが合っていて、ヒットもなるほどと思うのですが。

 

私のような60年代ソウル信者は一様に、彼女はあのチェスの時代が一番だよねぇなどと、勝手な事を言うのですが、ディープ系ソウルに固着しても未来があったか?となるとそれは疑問だし… ま、 私は水を掻き混ぜたりせず、沈殿したままの音楽がお似合いと自覚はしていますが。

と、またジジィの戯言になりましたが、今日3月9日は彼女のお誕生日です。

1945年の生まれと言うから78歳ですか? どうぞいつまでもお元気でいて下さい。

 

■ 以上、聞きたい365日 第342話でした。