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la princesse au bois dormant

~いくつになってもお姫様 眠い姫の独り言~

てんかんは精神病か?

2006年01月17日 | 成年てんかん日記
 タイトルで問いを立ててしまったので先に答えておくと、

 「んなこた別にどっちだっていいよ。どうせ症状も治療法も変わんないし。」

 …である。

 じゃあ何故今こんなのを書いているかというと、「んなこたどっちだっていい」と言い切れない何かがあるかもしれないからだ。


 自分が「てんかん」という病気であると診断されてから、自分なりに「てんかんって何だ?」というのを調べてみた。
 そのうち、ひとつ引っかかることにぶち当たった。
 どうもてんかん患者の団体で、「てんかんは精神病じゃない」と言いたがる団体があるようなのだ。
 いわく、「てんかんは脳機能の失調であって、精神病じゃない。」と。
 これに関しては、「精神病じゃない」をいう人と特に何も言わない人といるようだ。
 まぁ別に精神病だろうがそうでなかろうが病気であることに変わりはないし、どっちだっていいのだが、何故「精神病じゃない」と言いたがるのか、というあたりに疑問が残る。少なくとも日本で障害者認定されるとしたら「精神障害者」だし、治療に当たって精神科で見てもらうことも多い(実際私は欝病だと思っていたころに行っていた精神科にそのまま通院してる)のに、何故か。また、「脳機能の失調」であるらしいてんかんと、脳内物質のうちの何かがうまく受容されないせいで起こるのではないかと考えられているうつ病との間の(精神病かどうかをわける)境界線は何なのか、そのへんも素人にはよくわからない。
 よくわからないなりに、なんとなくではあるが、「精神病じゃない」と言うてんかん患者の団体に、「精神病というものに対する偏見」を感じて、私は強い不快感をおぼえていた。別にてんかんであることそのものが嫌だとは思わなかったが(もちろん風邪をひいたと同じような、「病気であること」の嫌さはあるが)、「精神病に対して偏見を持ってるかもしれない人たちと同じ病気であること」はとても嫌だった(自分も境界性人格障害の人に偏見を持っているが、それは棚に上げている。偏見ったって、「下手に心配している様子を見せては相手にとってもよくない」という自覚を持ってるくらいのもんだし)。

 さてそんな今日この頃であったが、大学時代のサークルの監督(地方公務員)が、とある掲示板にとある書き込みをしていた。
 かいつまむと、「(精神障害者が職場に来てトラブルがあったという話をして)『精神障害者だと思ってなめんなよっ!』と叫んでいる。やっぱり精神異常者か。」「正直なところ、精神異常者は格闘技経験者よりも怖い、と思う。」という話である。(本人の設定した主題は別のところにあったかもしれないが、とにかく私にはこう読めた。)
 ああごめん。てんかん財団は正しいわ。(どこの国のかは言わない。)
 私は自分が鬱病だと思っていた頃から、自分が精神障害者(そう認定されるほど重症であったかどうかは別として)であることを恥だと思ったことはない。それはてんかんだと判明したあとも変わらない。
 もしそれで(私がてんかんという病気であるというだけの理由で)、私に対して偏見を持つ人がいたら、そんな人は切り捨てればいい。ただそれだけのことだと思っていた。
 しかし実際に、親しくしていた人が、直接私に対してではなく「精神病」というきわめて曖昧なものに対してであったにしろ、無知という偏見を持っていたことを目の当たりにしたら、あまりにも簡単に気持ちが揺らいだ。そんな自分がものすごく嫌いだ。

 で、嫌いだと思っていたんだが、今日その評価がちょっとずれた。
 本当はその監督と話したりメールしたりする機会があったら「私も(申請さえすれば)精神障害者ですよ。」と言ってやろうかと思っていたのだが、今日監督にメールする機会があったのに、そんなことはすっかり忘れていた。
 つまり「気持ちが揺らいだ」とか言っても、こんな簡単に忘れてしまうほどどうでもいいことだったんである。
 そんな自分はちょっと好きだと思った。

 でもやっぱり、こんなところに書いちゃう自分はちょっと嫌いだなぁ。

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