la princesse au bois dormant

~いくつになってもお姫様 眠い姫の独り言~

今回はショートショートなし

2007年08月31日 | 眠り姫の独り言
 mixiが「15の質問」とかいうのをやってたので答えてみます。

1) あなたを mixi に招待してくれた人は?

 かえるもどきちゃん


2) その人を一言であらわすと?

 「美人」

 大学時代のゼミの教授が「『美人』というのは見た目も心もきれいな人を言うんです。見た目だけきれいな人はただ『きれいな人』です。」と言ってた、そういう「美人」。


3) ズバリ、あなたの好きな人はマイミクにいる?

 いっぱいいる。


4) お気に入りの絵文字はどれ?それを好きな理由は??

 ←これ。
 使ったことあるかわからないが、なんかうるうるしててかわいい。


5) 自分を動物にたとえるとしたら、何?

 猫。


6) 今何か夢中になっていることはある?

 夢中というかなんかわからないけど、とりあえず「休みたい」とわめきつつ自分を忙しくしてないと気がすまない。


7) 宝物はなんですか?

 経験。


8) 戻れるとしたら何歳に戻って、なにをしたい?

 17~18歳に戻って、「西高(母校の名前)の自主自立潰そうとしたらただじゃおかねーぞコラァ」というのを態度で示しまくる。
 校長とか某教員(複数)とかストレスで退職に追い込むくらい暴れる(私がやられたことをやり返して何が悪い)。


9) 歳をとったなぁ…と感じる瞬間はある? それはどんなとき?

 「若く見えますね」とお世辞を言われたとき。
 (その台詞がお世辞として通用する年齢になってしまったんだなぁと。)


10) 最近作った料理は何?

 うなぎ卵のせチャーハン……かな?


11) 最近気になるニュースは?

 もはや最近でもないが、消えた年金記録関連。
 ニュースを見るたびにテレビに向かって「てめえ私の仕事を一日でも代わってあのむちゃくちゃにずさんな記録の数々を目の当たりにしてからそんなことほざいてみろ!」と怒鳴ってます。「精査」とかいう言葉を軽々しく使われるのも元監査論ゼミ生としてはがまんならないし。


12) 最近泣いた? その理由は?

 社会保険労務士試験受けてるときは泣きが入ったなぁ。「んなこと知るか!」と「もう文章読みたくありません」で。
 なんせ1日で午前午後あわせて5時間にわたる試験だ。3時間勉強したら1時間は自動的に寝るという脳の構造を持っている私が。


13) 最近笑っちゃったことは?

 9月23日のOB大会に向けて突きの練習(寝転んだ状態でひじが身体から離れる時~終点までをやってると、けっこう意識がこもっていい感じ)をしていたら、右腕の肉離れを起こした。
 が、まっすぐ突いている分には痛くないので気づかなかった(スポーツジムでフックとかアッパーとかやってはじめて痛いと気づいた)。


14) 今まであげた/もらったプレゼントで一番高かったものは?

 もらったものの値段なんかわからんよ。
 あげたものは、………そういえばあげたものの値段って覚えてないな。
 まあこれは質問自体が無粋だから答えなくてもいいか。


15) 今、いちばんありがとう、って言いたい人は誰?

 ひみつ。



 こんなかんじです。
 便乗したい人はどうぞ。

今回はちょっと長いです。

2007年08月20日 | 眠り姫の独り言
 もうすぐ社会保険労務士試験です。こんどの日曜。
 勉強は、三歩進んで五歩下がる、一つ覚えりゃ二つ忘れる、のペースで順調に後退しております。
 今日も全然覚えられず、あーもういらいらするなぁと思いつつ勉強してたら、MDから斉藤和義さんの「進め なまけもの」がいいタイミングで流れてきたので、かろうじて投げ出さずにすみました。

 さてそんな中(そんなの書いてる場合じゃないのに)パクリ超短編小説シリーズですが、今度は斉藤和義さん「真夜中のプール」です。
 真夜中もプールも出てこないし、相手が結婚するって話でもないし、私のパクリのツボは何かおかしいのかもしれないと今さら思ったりもする今日この頃。

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 彼は不思議な目の色をしていた。
 オッドアイといっただろうか。
 左目だけが、金色だった。
 髪の毛も、左目と同じ色にしていた。もっともそれは、人工で、だけど。
 全校生徒の誰もがまっくろ黒髪の中学校で、それはとても目立っていた。

 彼は毎日のように殴り合いのケンカをしていた。
 売られたケンカは全部買っていたし、彼の風貌は学校内でとても目立っていたから、ケンカを売る人は毎日のようにいた。
 彼は不良と言われていて、先生たちは彼から眼を背けていた。
 注意しても、殴られるだけだから。
 遅刻も多かったし、授業中はほとんど寝ていた。

 だけどなぜか、制服だけはちゃんと着ていた。
 詰襟は上まできっちりとめてたし、夏服のワイシャツのボタンまで上まできっちりとめてた。どんなに暑い日でも。


 ある日の美術の時間、ペアを組まされて、相手の似顔絵を描かされた。
 学校というのは変なところで、特定された男女の交際についてはあれこれとやかく言うくせに、授業や学校行事では男女のペアやグループを組ませたがる。
 私の相手は、彼だった。
 「どちらかが提出しなかったら連帯責任」と先生は言った。
 どうしよう、あの人がおとなしく絵を描いて出すわけなんかない、と私は思った。
 だけど意外にも、彼は私の前に座り、絵を描き始めた。
 私はほっとして、だけど彼がすぐに飽きてどこかへ行ってしまうかもしれないと思って、急いで彼の顔を描き始めた。大まかな特徴さえつかんでおけば、あとはどうにでもなる、彼の方はどんな雑な絵でも、とにかく提出さえしてくれればいい、そう思っていた。
「すげーな、お前。」
 必死で描いていた私に、彼は言った。
「両手で絵描いてんの?両手利き?」
 私はもともと左利きで、でも親に直されたので一応右手も使えた。字を書くのは左、箸とはさみは右、絵を描くときは両手を使うことが多かった。
「両手利きってほどじゃないけど…。」
「でも両手使ってんじゃん。すげーよ。俺そんなのはじめて見た。」
「すごくないよ。画家目指してる人には多いよ。」
 話しながら、私はかなり緊張していた。クラスでも地味で目立たなかった私は、男の子と話すこと自体ほとんどなかったし、まして「不良」とされている彼と話すのなんて初めてだったから。
「目指してるの?画家。」
 声変わりし始めの、少ししゃがれた声でそう聞かれて、私は面食らった。その頃の私にとって「画家」というのは、自分とは別の世界の、とても遠い、神聖な存在で、自分がそれを「目指す」なんてことは、考えられなかったから。
 それはもしかしたら、絵が好きで小さい頃からずっと絵ばかり描いていた私に、両親が「画家を目指そうなんて馬鹿なことは考えるな。画家なんていうのは本当に特殊な才能のあるひとにぎりの人間しかなれないものなのだから。」とくり返し言っていたのが、無意識のうちに頭に染み付いていたせいというのもあったのかもしれない。
「まさか。そんなわけないよ。」
 そう答えた私を、彼は栗色の目と金色の目で見つめた。
「なんで?」
「なんでって…」
「好きなんだろ?絵描くの」
 金色の目が私を見る。私は怖くなって目を伏せた。
「だって、好きなだけでなれる職業じゃないし、私は見たまま描くなら出来るけど、見たまま描くしか出来ないし、なんていうか、ただ整ってるだけっていうか、感動させる絵っていうのは全然描けないし……。画家っていうのは、もっと、こう、きれいなイメージや想像が心の中にたくさんあって、それを表に出して表現できる人たちで、私にはその『きれいなもの』が全然ないから……」
 目を伏せたままで、どうしてこんなにたくさんしゃべっているのか、自分でもわからなかった。
 金色の目のせいだ、と思った。
「画家って、そういうの最初から全部できないとなれねえの?」
 その言葉にはっとして目を上げた。金色の目はまだ、こちらを見ていた。
「足りないものは、これから補えばいいんじゃねえの?そういうわけにいかないもんなの?」
 よくわかんないけどさ、と彼は付け加えた。金色の目はもう、画用紙を見ていて、私を見ていなかった。
 私は答えられなかった。彼も、それ以上は何も言わなかった。
 沈黙が重かった。誰と一緒の時だって、沈黙なんか全然いやじゃなかったのに、むしろ、よほど仲のいい相手でもない限り喋るのは苦痛なだけだったのに、今は沈黙が重かった。
「清水くんは?」
 沈黙を破りたくて必死で、彼に問いかけた。話が続けば、何でもよかった。
「清水くんは、何になりたいの?」
「あ、俺?俺はね、『お父さん』」
「おとうさん?」
「うん。家族が欲しい。子ども二人くらいで。それでこの学校に入れるの。」
 本気なのか冗談なのか、よくわからなかった。
 でも彼は真顔だった。
「何かおかしいか?」
 真顔のまま、彼は言った。
「う、ううん。」
 冗談かと疑ったのがバレたような気がして、私はあわてて首をふった。
「でも、清水くんだったら厳しいお父さんになりそうだね。子ども殴ってしつけたりしそうだね。」
「殴んねえよ。」
 私が言い終わる前に、彼は言った。
「絶対、殴んねえ。」
 強い口調だった。


 そのあとのことは、全然覚えていない。
 もう20年以上前の話だ。


 その会話の後、私は本気で画家を目指すことにした。
 当時はっきりとそういう言葉で思ったわけではないけれど、「他人の言葉に振り回されないで、自分で感じて、考えよう」と、なんとなく思うようになったから。
 先生にも生徒にも「不良」と思われていた彼は、本当は家族思いで、他人のことも尊重できる人だった。
 私自身でさえ抑圧していた私の夢を、見抜いて背中を押してくれたのは彼だった。
 家ではずっとお父さんの暴力を受けていたと、後で知った。
 制服をきちんと着ていたのは、傷を隠すため。
 髪を染めていたのは、しょっちゅうビールをかけられて髪の色が抜けてしまっていたのをごまかすため。
 ケンカばかりしていたのは、お父さんに対抗できる力をつけるため。
 お父さんの暴力から、お母さんと二人の妹を守るために必死だったのだろう。
 誰もそんなことは知らないで、知ろうともしないで、彼を「不良」呼ばわりするだけだった。
 私もそうだった。周りの人が「不良だ」と言えば、そうなんだと思っていた。
 誰か一人でも、察して抱きしめてあげられる人がいたら、彼も少しは救われたかもしれないのに。
 だけど彼は誰にも理解されないまま、ある日遠くの街へ逃げていった。
 お母さんと二人の妹と一緒に。
 そのとき初めて、みんなは事実を知ったのだ。
 もうまどわされたくないと思った。
 何を「いい」と思うか、「悪い」と思うか、そんなことくらいは自分で決めよう、自分で感じたことを大事にしよう、自分で考えよう、そう思った。

 彼がこの町を出て行った日、私は両親に告げた。
「画家を目指す」と。
 両親は当然反対し、すったもんだの末、高校は普通科へ進むことと、ストレートで大学に進学することを条件に、美大への進学を許された。
 初めて私が反抗し、しかも頑固に考えを曲げなかったから、両親は戸惑っていたけど、「うちの子にも反抗期が来たか」くらいに考えているようでもあった。

 結局私は、画家にはならなかった。
 美大にストレートで合格するのは、とても大変で、受けた美大はすべて落ち、かろうじて受かったのはとある大学の教育学部の美術専攻だった。
 そのまま中学校の美術の教員になり、母校で美術を教えている。
 あいかわらずデッサンは得意だけど、デッサンしかできないから、生徒には作品を好きに作らせて、自分はその間、生徒の似顔絵を描いている。
 そして卒業するときに全員に渡す。生徒はともかく、保護者には喜ばれる。

 私は、あの日描いた未来とは違う道にいるけれど、彼は描いた通りの未来にいてほしい。子どもが二人いる、優しいお父さんになっていてほしい。
 きっと彼はこの町に素敵な奥さんを連れて帰ってきていて、かわいい二人の子どもを育てているはずだ。
 あの日描いた彼の似顔絵は、仕事場においてある。
 その絵と似た顔の生徒が入学してくる日を、私は心待ちにしている。

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 ちなみに「清水くん」がオッドアイなのは、この話し考えついた日の朝に、テレビで女子アナが「今日は8月3日、蜂蜜の日です」と言ったからです。
 蜂蜜色→金色の目、で、オッドアイ。

ハレヒレホといけちゃん

2007年08月08日 | 眠り姫の独り言
 なんか創作してるほうがブログ更新できることに気がつきました。
 しかも長い話はだめで、超短編でないと書けないと気づきました。
 つまり連載はだめ。短気っていうか、こつこつつむぎあげられないみたいで。
 その上全くの創作でなく、「いいな」と思ったテーマや言い回しなんかをちょいちょいパクっては組み合わせ、その上から勝手な解釈や連想をふりかけてっていうのでないと書けません。
 まぁ美しく言えば「さまざまな作品からインスピレーションを得て、独自の発想を加えて生まれた」になるはずだ。ものは言いよう。

 そんなわけで今日は花の日(8月7日)なので、「ハレヒレホ」と「いけちゃんとぼく(……の、あとがき)」から。その他「ゆんぼくん」とか「うつくしいのはら」とか。ハレヒレホ以外サイバラばっかりだな。
 要は「おかあちゃん」です。花は関係なさそうだ。

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 青い花火の夢を見た。
 大きな大きな花火。

 そうしたら、わたしのおなかに男の子がふってきた。

 わたしは知ってる。
 わたしはあなたの、さいごの恋人だったの。
 短い短い恋をしたの。
 またあなたに会うために、あなたを産んだの。
 そしてあなたの、さいしょの恋人になるの。

 くるくるまわる ロンドのように。
 長くて短い、蜜月の始まり。

 わらって踊って、走ってすごした。
 水たまりをはだしでばしゃばしゃ。
 山に行って、海に行って、川に行って、田んぼに行って、
 世界中をぐるぐるまわって、
 わらって踊って走って走って。
 いろんなものを、ふたりで見たい。
 ふたりで聞きたい。
 ふたりでさわりたい。
 おいしいごはんを食べながら。

 それはロンド・カプリッチョーソ。

 なるべくたくさんのものをあなたに見せたくて
 なるべくたくさんのものをあなたと見たくて
 花も虫も、電車も船も、空も雲も、鳥も魚も、虹も太陽も。
 月の光が映る湖も
 金の魚が泳ぐ池も


 一番見たいのは、遠くの海の色。
 何度も何度も重ね染めしたような、深い深い藍色。
 教えてあげる。
 わたしの一番好きな色だよ。
 あの色のところへ行けば、いつでもまた、好きな人に会える。
 いっしょに見よう。
 何度も見よう。



 だけどあなたは、またすぐにどこかへ行ってしまう。
 男の子は、走るのがはやいから。


 ねえ、もう行っちゃうの?
 ねえ、どこに行っちゃうの?


 ああもう、みえなくなっちゃったねえ。



 だけどこれは、楽しいロンド。
 永遠に続く、ロンド・カプリッチョーソ。

 だからわたしは知っているのよ。
 あの藍色に乗って、またあなたに会いにいけること。
 わたしはまたあなたと出会う。
 そしてあなたの、最後の恋人になるの。
 そして、短い短い恋をするの。

 笑いながら、ふざけながら、
 光の下で、あなたと踊るの。

 何度でも。


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 ……あ、花の日過ぎてる。
 まぁいいや。やっぱり花関係なかったし。

2007年08月02日 | 眠り姫の独り言
 斉藤和義さんが「虹」って曲出したらしいですね。
 「らしいですね」ってだけで買ってないんですが。買う気もない。アルバムだけでいいの。
 こういうのはファンとして間違ってるな。きっと。
 そのくせその新シングルのスペシャルサンクスに、いっつも最初に載ってる奥さんの名前がなかったという噂を聞いて、反射的に「私にもチャンスがきた!」とか思っちゃったのは、なんなんだか。なんのチャンスだよ。
 こういうのは、彼氏もちとして以前に、26歳のいい大人として間違ってるよな。

 こういうの、間違いだらけの人生って言うんですかね?
 でも別に、私は産まれてきたこと自体が間違いだから、今更ちょっと間違ったところで、そんなんたいしたことじゃないと思うんですよ。
 間違ってこそ人だし。


 そんなこんなで、また懲りもせずショート・ショート

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 あの日一緒に、虹を見たね。
 君は桜の下で冷たくなってた。
 弔いの虹。
「それで、楽になれたの?」
 言葉でのこたえはなかったけど、横たわった君は微笑んでいたから、それがこたえだと思った。
 この世には向いていない人。
 散らない桜を欲しがり、消えない虹を欲しがり、色あせない香りの花を欲しがり、沈まない夕日を欲しがり、終わらない朝焼けを欲しがり、この世にありえないきれいなものばかり欲しがった。
 どんな手をさしのべても、言葉を選びつくしても。
 君のいる場所は、君のいたい場所は、ここじゃなかった。
 きれいなものが大好きな君だから、きれいなものだけの世界に行きたかった。
 たぶんそうだったんだろう。


 だけど私はさびしくてさびしくて。
 君の長い黒髪が恋しくて、日本人形のように切り揃えた前髪が恋しくて、いつもふせてた黒い瞳が恋しくて、長い睫が恋しくて、白くて細い腕が恋しくて。
 君の言葉のすべてが恋しくて。
 君の表情のすべてが恋しくて。
 君の仕草のすべてが恋しくて。
 さびしくてさびしくてさびしくて。
 誰もいない美術室で、放課後の教室で、夕闇の公園で、真っ暗な夜のグラウンドで、とにかく君の好きだった場所で、ずっと君を探してしまっていた。
 何年も、何年も。


 今でも街で君の匂いがするときがあって、思わず振り向いては苦笑する。

 今日もまた、ふわりと漂った君の匂いに振り向いた。
 振り向いた先の空に、虹が出ていた。

 「行かないで」

 思わず口をついて出た言葉。
 初めて、言えた。

 桜は散ってもまた咲くから、虹は消えてもまた出るから、朝焼けも夕日も、何度でも、見られるから。何度でも、一緒に見られるんだから。
 だから、一人にしないで。ここにいて。



 もう一度、はっきり言った。


 「行かないで」

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 ※念のため書いときますが、上記のショートショートは斉藤和義さんの「虹」とは何の関係もありません。まだ聴いてもいないんだってば。

ショート・ショート・・・・・・かな?

2007年08月02日 | 眠り姫の独り言
 これでも私は昔は「文芸部員」だったこともあるので、ショート小説なんぞ……
 (すみません。最近ほんとに日常に何にも書きたい事がないんです。)


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 トルコでは目玉モチーフは、魔よけの意味を持つという。

 あなたが青い目玉のモチーフの腕輪をくれたとき、それが目玉モチーフだなんて知らなかったし、目玉が魔よけだなんてことも知らなかった。
 あなたも知らなかったのかもしれない。
 ただ、少しは赦された気がした。

 その腕輪をなくしたとき、やっぱり私は赦されていないんだと思った。
 腕輪をなくすと同時にあなたは去っていったから、よけいそう思った。

 笑ってもいいよ。


 腕輪に意味はない。
 青い目玉にも意味はない。


 そんなの知ってるよ。


 だけど私は、赦して欲しかったんだ。
 誰も「赦さない」なんて言ってないのに、「赦して」って叫び続けていたんだ。
 誰の声も聞こえないように、耳をしっかりとふさぎながら。


 赦してないのは、私だけ。


 やっと手を離すことができたのに
 やっとあなたの声が聞こえるはずなのに
 あなたはいない。
 腕輪もない。
 どんなに耳を澄ましても、声は聞こえない。




 ごめんなさい。


 手を離せなくてごめんなさい。
 何も聞かなくてごめんなさい。
 耳をふさいだまま手だけがむしゃらにのばして、ただあなたに迷惑をかけただけで、何を何度言われても変われなくて、ごめんなさい。


 届かないのは知ってる。
 届かないのは慣れてる。
 でも叫び続けるだけなら、あの頃から十八番。


 今、私の手の内にあるのは、腕輪じゃない。
 青い目玉のモチーフの部屋飾り。
 私を赦してくれた気がした腕輪と同じ色。


 だけど私はもう私を赦しているから


 願わくば、この目玉が、
 私が大好きな人たちに与えた苦しみや迷惑を、吸い取って幸運として跳ね返して、大好きな人たちに届けてくれますように。
 18歳のあの日私が見た白い光を、届けてくれますように。



 私が私を赦せるように、みんながみんなを赦せますように。



 祈りながら、今日も眠る。


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 ……だめだ。何の構成も考えてないから、よくわからんです。
 なんで昔はあんなにいろいろ書けたんだろう?