切ないメロディをかけてやってくる
冷やしわらびもち屋さん
“LOVE IS BLUE(恋は水色)”の切ないアルペジオの前奏の後に
「冷やしわらび~もち~」と節の回ったおじさんの声が
軽トラの古びたスピーカーから流れてくる
なぜ、その選曲?
いや、だからこそ気になって仕方なかったのかも知れない。
今日、2年越しの思いを果たすため
あのメロディーが流れてくるのを聞き耳を立てて待っていた。
時計の針は、午後6時半を回った
「今日は、もう来ないかも知れないな・・・」
諦めかけたその瞬間、遠くであのメロディが!
otoを抱っこして、お財布を握り締め、駆け足でマンションの下に向かう
「間に合うかな?」
マンションの前の道路に出たが、もうどこかに走り去った後のようだった
諦めきれず、しばらくその辺りをブラブラしてると
あのメロディーが猛スピードで近づいて来た
思わず、まっすぐ勢いよく手を挙げた。
軽トラックが止まった!
人の良さそうなおじさんが、降りてきて
クーラーバックから冷えたプルプルのわらびもちを四角のお皿に入れてくれた。
その上に、たっぷりときなこをかけて・・・
100円を渡して、「ありがとう!」
otoと私は、おじさんに手を振って別れた。
8月の最後の日・・・
夏の終わりの記念に
念願の冷やしわらびもちをとても美味しく頂きました