「猫の死神」
俺は猫の死神
猫の寿命をつかさどってるんだ
最近は飼い猫と野良猫で全然生きる時間ってのに
格差が出来ちまってどっちが幸せなんだろうな~
今日もそこの路地裏で子猫を3匹あの世へ
送り届けたし 今俺の足元に居るのが
まだ3年しか生きてないのに病気で
目は見えないは ガリガリのメス猫
生きてるのが苦しくって やっと解放されるんだぜ
野良猫なんてさっさとあの世へ 行った方が
幸せなんじゃないのかな~
昔 俺が生きてた時は飼い猫でさ 幸せのつもりで生きてたんだ
好きだったメス猫は野良猫で いつも窓越しに
逢えるだけでも幸せを感じてた バカだったんだよな~
エアコンの効いた部屋で 腹いっぱいエサを食ってた俺は
外に居る猫も同じだと思ってた
ま~家から出たことがなかったんで
知らなくても仕方なかったんだけど
でもメス猫はそんな事何も言わずに
毎日毎日 俺と会ってくれてたんだ
夏の日差しの厳しい時も 日の照りつける窓辺へ
冬の雪が降って頭に雪を乗せながら来てくれた
「最近痩せたんじゃないの?大丈夫?」って聞いても
「メスだから ダイエットしてるのよ」なんて ごまかしてた
初めて変だと気が付いたのは雨で ずぶ濡れになりながら来た時
毛が濡れてペッチャンコで体がほとんど骨と皮だとわかった
「ねえ!ねえ!どうなってるの?エサ食べてないの?」
「私にもわからない 食欲も無いし 食べても戻しちゃうんだ
もうここへも 来たくても 来れないかもしれない ごめんね」
そう言いながら崩れるように 窓枠から落ちて行った
「大丈夫?大丈夫?」って窓に体当たりしながら叫んでたら
うるさいな~やっと仕事が出来るんだから
静かにしてくれないかな~って言いながらメス猫を抱えて
浮いている老猫が・・
お前はなんだよ! 俺か?俺は猫の死神だよ
このメス猫はもっと早く連れて行く予定だったのに
もう1日だけ もう1日だけって散々ごねやがって
やっと今日であの世へ連れて行けるよ
これで俺の仕事も最後 あの世や生まれ変われないが
やっと消えて何も無くなれる 疲れたよ・・
「止めろ~ 連れて行くな~!行くなら俺も連れて行け!」
おいおい!飼い猫さん お前さんが死ぬのはまだまだ10年先だよ
その娘は苦労してたんだ もっともっと幸せにならないとダメなんだ!
誰か連れて行かないとダメなのか?
じゃあ俺を代わりに連れて行け!それなら良いだろ?
その娘をここの飼い猫にしてやってくれ 頼む!
なにを無茶いってんだよ お前は幸せなんだろ?
そのまま生きろよ! 命を入れ替えたりすると
お前は生まれ変われずに 死神になってしまうんだぞ
そんなことになってもいいのか?
それにそのメス猫が変わってくれなんて
言わないだろ?メス猫が断ったら出来ないしな~
取りあえず あの世へ連れて行く前に話させてくれよ
面倒な奴だな~本当は違反なんだけど
最後の仕事だから チョットだけだぜ
「あれ?私 死んだの?」
そうなんだ でも死んじゃダメなんだよ
僕が変わるから 君はここの家で生きてくれ!
ダメよ!あなたが死ぬくらいなら 私でいい!
もともと私が病気になったのが悪いんだから 私が死ぬ!
お~これで話は決まったな~ じゃあ連れて行くぞ
まだ待ってくれ話は終わってないんだ
もう会えないで10年も生きるなんて僕には我慢できない
僕は今まで幸せで生きて来たんだかもう十分 今度は君が幸せになってくれ
嫌なんて言うな!10年後僕が死んでも再び君には会えない
それなら君が幸せに生き抜いてくれ 10年後僕は死神になって
君を迎えに来るから もう一度会えるから
僕はそれで十分幸せだから 僕に代わって幸せになってくれ
やっとメス猫を説き伏せて 僕の代わりに生きてくれることに・・
それで僕は野良猫として死に その老猫の死神に代わって死神になった
10年後 彼女を迎えに来たけれど 家族が出来てて みんなにみとられて
幸せそうな顔で 死んで行った!
俺の事なんてすっかり忘れているようだった
でも彼女が幸せな10年を過ごせた事で
俺の死は無駄じゃなかったんだと 思うことにした
遅かれ早かれ みんな死ぬんだから
それからどれだけの日時が過ぎたのだろう
今も俺は死神で働いてる いつか消えてなくなるまで
めでたし めでたし
俺は猫の死神
猫の寿命をつかさどってるんだ
最近は飼い猫と野良猫で全然生きる時間ってのに
格差が出来ちまってどっちが幸せなんだろうな~
今日もそこの路地裏で子猫を3匹あの世へ
送り届けたし 今俺の足元に居るのが
まだ3年しか生きてないのに病気で
目は見えないは ガリガリのメス猫
生きてるのが苦しくって やっと解放されるんだぜ
野良猫なんてさっさとあの世へ 行った方が
幸せなんじゃないのかな~
昔 俺が生きてた時は飼い猫でさ 幸せのつもりで生きてたんだ
好きだったメス猫は野良猫で いつも窓越しに
逢えるだけでも幸せを感じてた バカだったんだよな~
エアコンの効いた部屋で 腹いっぱいエサを食ってた俺は
外に居る猫も同じだと思ってた
ま~家から出たことがなかったんで
知らなくても仕方なかったんだけど
でもメス猫はそんな事何も言わずに
毎日毎日 俺と会ってくれてたんだ
夏の日差しの厳しい時も 日の照りつける窓辺へ
冬の雪が降って頭に雪を乗せながら来てくれた
「最近痩せたんじゃないの?大丈夫?」って聞いても
「メスだから ダイエットしてるのよ」なんて ごまかしてた
初めて変だと気が付いたのは雨で ずぶ濡れになりながら来た時
毛が濡れてペッチャンコで体がほとんど骨と皮だとわかった
「ねえ!ねえ!どうなってるの?エサ食べてないの?」
「私にもわからない 食欲も無いし 食べても戻しちゃうんだ
もうここへも 来たくても 来れないかもしれない ごめんね」
そう言いながら崩れるように 窓枠から落ちて行った
「大丈夫?大丈夫?」って窓に体当たりしながら叫んでたら
うるさいな~やっと仕事が出来るんだから
静かにしてくれないかな~って言いながらメス猫を抱えて
浮いている老猫が・・
お前はなんだよ! 俺か?俺は猫の死神だよ
このメス猫はもっと早く連れて行く予定だったのに
もう1日だけ もう1日だけって散々ごねやがって
やっと今日であの世へ連れて行けるよ
これで俺の仕事も最後 あの世や生まれ変われないが
やっと消えて何も無くなれる 疲れたよ・・
「止めろ~ 連れて行くな~!行くなら俺も連れて行け!」
おいおい!飼い猫さん お前さんが死ぬのはまだまだ10年先だよ
その娘は苦労してたんだ もっともっと幸せにならないとダメなんだ!
誰か連れて行かないとダメなのか?
じゃあ俺を代わりに連れて行け!それなら良いだろ?
その娘をここの飼い猫にしてやってくれ 頼む!
なにを無茶いってんだよ お前は幸せなんだろ?
そのまま生きろよ! 命を入れ替えたりすると
お前は生まれ変われずに 死神になってしまうんだぞ
そんなことになってもいいのか?
それにそのメス猫が変わってくれなんて
言わないだろ?メス猫が断ったら出来ないしな~
取りあえず あの世へ連れて行く前に話させてくれよ
面倒な奴だな~本当は違反なんだけど
最後の仕事だから チョットだけだぜ
「あれ?私 死んだの?」
そうなんだ でも死んじゃダメなんだよ
僕が変わるから 君はここの家で生きてくれ!
ダメよ!あなたが死ぬくらいなら 私でいい!
もともと私が病気になったのが悪いんだから 私が死ぬ!
お~これで話は決まったな~ じゃあ連れて行くぞ
まだ待ってくれ話は終わってないんだ
もう会えないで10年も生きるなんて僕には我慢できない
僕は今まで幸せで生きて来たんだかもう十分 今度は君が幸せになってくれ
嫌なんて言うな!10年後僕が死んでも再び君には会えない
それなら君が幸せに生き抜いてくれ 10年後僕は死神になって
君を迎えに来るから もう一度会えるから
僕はそれで十分幸せだから 僕に代わって幸せになってくれ
やっとメス猫を説き伏せて 僕の代わりに生きてくれることに・・
それで僕は野良猫として死に その老猫の死神に代わって死神になった
10年後 彼女を迎えに来たけれど 家族が出来てて みんなにみとられて
幸せそうな顔で 死んで行った!
俺の事なんてすっかり忘れているようだった
でも彼女が幸せな10年を過ごせた事で
俺の死は無駄じゃなかったんだと 思うことにした
遅かれ早かれ みんな死ぬんだから
それからどれだけの日時が過ぎたのだろう
今も俺は死神で働いてる いつか消えてなくなるまで
めでたし めでたし