夜になって外は凍えるような寒さが
通りを、ねり歩いているようだ
居酒屋の赤ちょうちんが微かにゆれて
のれんの隙間から見える店内に
人影はなく、かすかに音だけが聞こえる
この一軒だけが寒さで
丸くなった背を小刻みにふるわせて
やって来る職人風の男には
安らぎの場所のようだ
空き缶がカランカランと音を立てて
足元を転がる
直ぐそこに見える車までが寒さで
遠く感じる
信号の赤が長く国道を横断する
までの時間で顔が凍える
ふと振り返ってみる自分の店が
古ぼけた洋館の様に見え
過ぎて行った時間をまの当たりにした
背中に当たる風がそのまま
胸の中を通り過ぎて行くように
心まで冷え込む
暖めてもらえない淋しさがこぼれ落ち
車のシートに沈み込んで
ヒーターから流れ込む温風だけが
体をあたためてくれる
通りを、ねり歩いているようだ
居酒屋の赤ちょうちんが微かにゆれて
のれんの隙間から見える店内に
人影はなく、かすかに音だけが聞こえる
この一軒だけが寒さで
丸くなった背を小刻みにふるわせて
やって来る職人風の男には
安らぎの場所のようだ
空き缶がカランカランと音を立てて
足元を転がる
直ぐそこに見える車までが寒さで
遠く感じる
信号の赤が長く国道を横断する
までの時間で顔が凍える
ふと振り返ってみる自分の店が
古ぼけた洋館の様に見え
過ぎて行った時間をまの当たりにした
背中に当たる風がそのまま
胸の中を通り過ぎて行くように
心まで冷え込む
暖めてもらえない淋しさがこぼれ落ち
車のシートに沈み込んで
ヒーターから流れ込む温風だけが
体をあたためてくれる