「どうしたんだ、これ」
人間界への渡航禁止令が開け久々に蔵馬家へ訪れた翌朝。
襖の向こうから漂う匂いを不審に思い、まだ寝ている蔵馬を
寝室に残し(なんでまだ寝てるのかは秘密)、簡易型頭伝針を
装着し、台所のテーブルの上を見て黄泉は呟いた。
「おはよ〜、パパ。
なんかいいにおいする〜」
寝ぼけまなこで二階から降りて来た修羅が黄泉の脚にしがみ付いた。
「これ……どうしたの?」
蔵馬がキッチンに立っていないのを瞬時に判断した修羅は
恐る恐る視線を黄泉に向ける。
「いや、オレじゃない」
「あ、良かった……、じゃあこれなんで?」
ほっと息を吐いた修羅になんとも言えない感情が込上げて来たが
それを飲み込んで黄泉は再び、テーブルの上を見る。
テーブルの上には皿が二枚。
小麦粉で作ったらしき薄っぺらい生地の上に
赤いソースがかけられ卵やらハムやらじゃがいもが載っている。
もう一つは、生地の上に香辛料を使った挽いた肉の煮込み料理
(以前食べたことのある蔵馬の母が作ったキーマカレー?と言う
料理に酷似している)をソース代わりに塗り、その上に
油で揚げた茄子をたっぷりと載せている。
……どちらかと言えば後者の方が黄泉の好みだったりする。
「おいしそ〜」
修羅の目はキラキラと輝いている。
無理も無い。
子供の好きなものがふんだんに載せられ、ダメ押しにとろけたチーズが
誘惑しているのだ。
「れーぞうこのジュースと食べていい?」
ちらちらと上目遣いする修羅はー可愛い。
可愛いが。
この食べ物は怪しい。
何故、こんなものがここにあるのか。
黄泉は作っていない。
修羅も勿論作っていない。
蔵馬は疲労で起き上がれていないので作れない。
昨日こんなものが作れる食材は買っていなかった。
確か朝餉は和食にしてと修羅が頼んでいた覚えがある。
ならばデリバリーかと考えたが、蔵馬の暮らす町には蕎麦屋以外に
出前を頼める店はない。
「いや〜雨すげーわ、タオルタオル〜」
「……」
「……」
「……」
ガチャリと開いたドアから入って来たのは。
「うらめし?」
「おう……って、オメーら来てたんか」
手に持っていた袋から酒を取り出し朗らかに幽助は笑う。
「ねーこれ作ったのおまえ?」
「そー。これじゃなくてピザな。
あ、一緒に食わねえ?一人じゃ食いきれねえし」
「いいの?」
「いーぜ、いーぜ。
あ、手と顔洗ってからな、口もちゃんとゆすげよ」
「わかったー」
ぱたぱたと洗面所に駆け出した修羅を見、元気だなと幽助は呟く。
「あ、おまえも食うだろ?
ついでに飲む?」
差し出された缶ビールを手に取って黄泉は頷いた。
「ちょっと冷めちまったからあっためなおすからよ。
その間におまえも、顔洗って来いよ」
「ああ、そうだな」
「ねーこれ美味しいけどボクの知ってるピザとちがう?」
口の周りをソースで汚しながら修羅が問う。
「お、気づいた?
これよ、餃子の皮で作ったんだよ。
まだ客が少なくて買い込んだ食材余っちまってよ」
「うらめしさあ」
口いっぱいに頬張ったピザを飲み込んで
「なんで蔵馬んちいるの?」
そうだ、そうだった。
あまりにも幽助が自然に自分達と接しているせいで疑問に思わなかった。
黄泉は幽助を凝視する。
「何でって」
「うん」
「何でだ」
「オレ、ここに住んでるから」
〜もんの凄い久しぶりにS S🤣
朝からピザって若いデスね〜。
餃子の皮でピザ作ると罪悪感が減って良いよね!ってお話(違う)。
人間界への渡航禁止令が開け久々に蔵馬家へ訪れた翌朝。
襖の向こうから漂う匂いを不審に思い、まだ寝ている蔵馬を
寝室に残し(なんでまだ寝てるのかは秘密)、簡易型頭伝針を
装着し、台所のテーブルの上を見て黄泉は呟いた。
「おはよ〜、パパ。
なんかいいにおいする〜」
寝ぼけまなこで二階から降りて来た修羅が黄泉の脚にしがみ付いた。
「これ……どうしたの?」
蔵馬がキッチンに立っていないのを瞬時に判断した修羅は
恐る恐る視線を黄泉に向ける。
「いや、オレじゃない」
「あ、良かった……、じゃあこれなんで?」
ほっと息を吐いた修羅になんとも言えない感情が込上げて来たが
それを飲み込んで黄泉は再び、テーブルの上を見る。
テーブルの上には皿が二枚。
小麦粉で作ったらしき薄っぺらい生地の上に
赤いソースがかけられ卵やらハムやらじゃがいもが載っている。
もう一つは、生地の上に香辛料を使った挽いた肉の煮込み料理
(以前食べたことのある蔵馬の母が作ったキーマカレー?と言う
料理に酷似している)をソース代わりに塗り、その上に
油で揚げた茄子をたっぷりと載せている。
……どちらかと言えば後者の方が黄泉の好みだったりする。
「おいしそ〜」
修羅の目はキラキラと輝いている。
無理も無い。
子供の好きなものがふんだんに載せられ、ダメ押しにとろけたチーズが
誘惑しているのだ。
「れーぞうこのジュースと食べていい?」
ちらちらと上目遣いする修羅はー可愛い。
可愛いが。
この食べ物は怪しい。
何故、こんなものがここにあるのか。
黄泉は作っていない。
修羅も勿論作っていない。
蔵馬は疲労で起き上がれていないので作れない。
昨日こんなものが作れる食材は買っていなかった。
確か朝餉は和食にしてと修羅が頼んでいた覚えがある。
ならばデリバリーかと考えたが、蔵馬の暮らす町には蕎麦屋以外に
出前を頼める店はない。
「いや〜雨すげーわ、タオルタオル〜」
「……」
「……」
「……」
ガチャリと開いたドアから入って来たのは。
「うらめし?」
「おう……って、オメーら来てたんか」
手に持っていた袋から酒を取り出し朗らかに幽助は笑う。
「ねーこれ作ったのおまえ?」
「そー。これじゃなくてピザな。
あ、一緒に食わねえ?一人じゃ食いきれねえし」
「いいの?」
「いーぜ、いーぜ。
あ、手と顔洗ってからな、口もちゃんとゆすげよ」
「わかったー」
ぱたぱたと洗面所に駆け出した修羅を見、元気だなと幽助は呟く。
「あ、おまえも食うだろ?
ついでに飲む?」
差し出された缶ビールを手に取って黄泉は頷いた。
「ちょっと冷めちまったからあっためなおすからよ。
その間におまえも、顔洗って来いよ」
「ああ、そうだな」
「ねーこれ美味しいけどボクの知ってるピザとちがう?」
口の周りをソースで汚しながら修羅が問う。
「お、気づいた?
これよ、餃子の皮で作ったんだよ。
まだ客が少なくて買い込んだ食材余っちまってよ」
「うらめしさあ」
口いっぱいに頬張ったピザを飲み込んで
「なんで蔵馬んちいるの?」
そうだ、そうだった。
あまりにも幽助が自然に自分達と接しているせいで疑問に思わなかった。
黄泉は幽助を凝視する。
「何でって」
「うん」
「何でだ」
「オレ、ここに住んでるから」
〜もんの凄い久しぶりにS S🤣
朝からピザって若いデスね〜。
餃子の皮でピザ作ると罪悪感が減って良いよね!ってお話(違う)。
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