「おまえ馬鹿だろ。」
本当によお、と溜め息とともに躯は言った。
視線の先にはもう一歩も動けません状態の飛影。
「飛影ー、ほら吐き止めと水。」
と、小走りに駆けて来ながら自家製の薬とペットボトルを
持って現れた蔵馬が隣に伴って来たのは
飛影の妹ー蔵馬と二人並んでいるとこちらのが姉妹か兄妹だがー雪菜。
「あの、飛影さん、有り難うございます。
本当に。私が我が儘言ったせいで。あの。」
「・・・・」
無言で首を振る飛影。
その傍らにヤンキー座りで座した躯が蔵馬に問う。
「なあ、キツネ。
何がどうしてこうなった?」
蔵馬は雪菜と顔を見合わせ喋り出した。
「骸工大学園祭メインイベントに飛び入り参加したんですよ。」
「和真さんは運営側で出場出来なくて。」
「黄泉はやだって言うし。」
「修羅さんは出たいみたいでしたけど物理的に無理で。」
「幽助に頼んだらホテル一回とか言うし。」
「私こちらの男の方の知り合い居なくて。」
「そうしたらたまたま。」
「ええ、飛影さんがいらして。」
「馬鹿か貴様ら、とか言いながら。」
「出場して下さいまして。」
お前らのが双子っぽいと躯は思いつつ飛影を
見下した。
「それでこの状態か。」
「あ、でも最後の追い上げ凄かったんです飛影さん。」
「ね、絶対2位だと思ってた。」
「はい。なのにスピードが上がって!」
「ラスト5分大会記録らしいですよ、凄いよ飛影!」
誉められて嬉しかったのか飛影の口角が微かに上がった。
(こいつ・・・・)
イラッとしながら躯は人混みの中から黄泉と修羅が
こちらに向かって来るのに気付いた。
黄泉の手には何かの封筒。
修羅の手には何かあまり可愛くない黄緑色の縫いぐるみ。
「邪眼師。賞品だそうだ。」
「これ観客特別賞の賞品だって。」
飛影は渡された封筒を雪菜に突き出す。
「本当に宜しいんですか?躯さんと行かれたりは・・」
「・・・いい。」
「でも。」
「飛影がユキナの為に頑張ったんだから貰いなよ!」
「修羅さん・・・」
「笑って有り難うで良いと思うよ。」
「そうだな。」
きゅと封筒を胸に抱き締めて雪菜は花が綻んだ様に笑った。
「飛影さん有り難う。」
いい、とそっぽ向いた照れ屋の兄を見ながら蔵馬と黄泉は
仕方ないな、と苦笑した。
(何だこのダセェホームドラマ)
「ねーこのヘンなのはー?」
修羅から受け取った黄緑色の物体を飛影はぽんと投げた。
ぽすっとそれは躯の組んだ腕に収まった。
「何だこれ。」
「やる。」
「何で。」
「・・・・フン。」
何がフン。だボケと縫いぐるみを摘まみ上げる。
尻のあたりにピンで止められた布には
『骸工大わんこそば大食い大会観客特別賞賞品』
と書かれている。
コイツ本当に馬鹿だなと躯は笑った。
~わんこそばは食べたことないっす。
黄緑色の縫いぐるみはデレマスの
ぴにゃこら太。
変な学園祭でごめん骸工大。出番なくてすまん桑ちゃん。
優勝賞品はさてなんでしょう?
本当によお、と溜め息とともに躯は言った。
視線の先にはもう一歩も動けません状態の飛影。
「飛影ー、ほら吐き止めと水。」
と、小走りに駆けて来ながら自家製の薬とペットボトルを
持って現れた蔵馬が隣に伴って来たのは
飛影の妹ー蔵馬と二人並んでいるとこちらのが姉妹か兄妹だがー雪菜。
「あの、飛影さん、有り難うございます。
本当に。私が我が儘言ったせいで。あの。」
「・・・・」
無言で首を振る飛影。
その傍らにヤンキー座りで座した躯が蔵馬に問う。
「なあ、キツネ。
何がどうしてこうなった?」
蔵馬は雪菜と顔を見合わせ喋り出した。
「骸工大学園祭メインイベントに飛び入り参加したんですよ。」
「和真さんは運営側で出場出来なくて。」
「黄泉はやだって言うし。」
「修羅さんは出たいみたいでしたけど物理的に無理で。」
「幽助に頼んだらホテル一回とか言うし。」
「私こちらの男の方の知り合い居なくて。」
「そうしたらたまたま。」
「ええ、飛影さんがいらして。」
「馬鹿か貴様ら、とか言いながら。」
「出場して下さいまして。」
お前らのが双子っぽいと躯は思いつつ飛影を
見下した。
「それでこの状態か。」
「あ、でも最後の追い上げ凄かったんです飛影さん。」
「ね、絶対2位だと思ってた。」
「はい。なのにスピードが上がって!」
「ラスト5分大会記録らしいですよ、凄いよ飛影!」
誉められて嬉しかったのか飛影の口角が微かに上がった。
(こいつ・・・・)
イラッとしながら躯は人混みの中から黄泉と修羅が
こちらに向かって来るのに気付いた。
黄泉の手には何かの封筒。
修羅の手には何かあまり可愛くない黄緑色の縫いぐるみ。
「邪眼師。賞品だそうだ。」
「これ観客特別賞の賞品だって。」
飛影は渡された封筒を雪菜に突き出す。
「本当に宜しいんですか?躯さんと行かれたりは・・」
「・・・いい。」
「でも。」
「飛影がユキナの為に頑張ったんだから貰いなよ!」
「修羅さん・・・」
「笑って有り難うで良いと思うよ。」
「そうだな。」
きゅと封筒を胸に抱き締めて雪菜は花が綻んだ様に笑った。
「飛影さん有り難う。」
いい、とそっぽ向いた照れ屋の兄を見ながら蔵馬と黄泉は
仕方ないな、と苦笑した。
(何だこのダセェホームドラマ)
「ねーこのヘンなのはー?」
修羅から受け取った黄緑色の物体を飛影はぽんと投げた。
ぽすっとそれは躯の組んだ腕に収まった。
「何だこれ。」
「やる。」
「何で。」
「・・・・フン。」
何がフン。だボケと縫いぐるみを摘まみ上げる。
尻のあたりにピンで止められた布には
『骸工大わんこそば大食い大会観客特別賞賞品』
と書かれている。
コイツ本当に馬鹿だなと躯は笑った。
~わんこそばは食べたことないっす。
黄緑色の縫いぐるみはデレマスの
ぴにゃこら太。
変な学園祭でごめん骸工大。出番なくてすまん桑ちゃん。
優勝賞品はさてなんでしょう?