さかさまの虹 -憂鬱な日々の記録-

管理人が日々思うことを延々と綴ります

シン・ゴジラ

2016-08-26 11:00:29 | 映画


シン・ゴジラ

ゴジラが私の住んでいるところを重点的に蹂躙していきました(笑)


レビューの前に、一言。

面白かった!けれど二度と見たくありません。

ではレビュー。


この作品は、非常に多くの要素を含んでいます。

まず、前半。
これはゴジラよりも国家公務員の組織だったり、業務の仕組みに焦点が当てられています。

民主主義のアンチテーゼのような内容でした。

会議、会議、会議。
会議のための会議。

曲がりなりにも公務員の私ですが、日本の行政は本当に会議が多い。

勿論、ボトムアップをしていき、合意形成を図るという意味では良いことですが、非常時には迅速に物事を決められない、というデメリットが強調されていましたね。

会議の事務局の大変さを、改めて感じました。。


そして中盤。

またしてもゴジラは東京の南から現れました。
川崎の映画館で観ていたので、真面目に頭上を通るのでは・・・などと考えてしまいましたね(笑)

中盤のハイライトは、ゴジラが口や背びれから光線を放ち、東京を燃やし尽くすシーン。

数年前、東京都現代美術館の特撮展で放映された「巨神兵東京にあらわる」のオマージュのようなシーンでしたね。

あの恐怖を思い出す、本当におそろしいシーンでした。

ここでまさかの閣僚ほぼ全滅。。

草薙素子が言っていましたね。

「戦闘単位としてどんなに優秀でも、同じ規格品で構成されたシステムは、どこかに致命的な欠陥を持つことになるわ。組織も人も、特殊化の果てにあるのは緩やかな死」

やはり、組織のメンバーは分散させなければ、最悪の場合、全滅してしまうんですね。


そして終盤。

前半との対比のように、今度は民主主義の良さに焦点が当てられました。
皆で知恵、意見を出し合えば、逆境もはねのけられるんだ!
という、救いのある終わり方でした。


あとは、物語を通じて思ったことを。

・今作はあれだけ街が破壊されながらも、人が死ぬシーンはほとんどありませんでした。
描く必要がないからだと思います。
下手に恐怖を煽るだけではないということですね。
この点を評価したいです。

・最初、おそらく多くの方が政治家=無能、優柔不断、と思われたと思いますが、個人的にはそうは思えず、寧ろ有能な人が多かったイメージです。
どうしても経験がものをいう仕事なので、今の政治の仕組みは合理的な気がします。
緊急時の課題については、歴史を積み重ねることで解決していってほしいものです。。

・タイトルについて。
シン・ゴジラのシンという言葉。
新、真、神・・・・・・。
どれも当てはまるような気がします。
製作側も、そういう遊びを残したかったのでしょう。

・そして、ラストの尻尾。
個人的な解釈としては、あれは人智を超えたものを、人類は協働することで超えられた、ということを意味すると思っています。
これもまた議論を呼びそうですね。


最後になりますが、前評判どおり、非常に多くのファクターが詰まった面白い作品でした。

日本人もこれだけのものを作れるぞ!

日本人だからできた作品だぞ!

という内容だったと思います。


しかし、あまりにも生々しく、心に突き刺さるのも事実。

そういう意味で、また観たいか?と聞かれるとイエスとは言えません。。


評価:9点



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