大好きな小説の最終巻を読むというのは
わくわくしながらページをめくりつつ
段々ページをめくるのが惜しくなってきたりしませんか?
何度でも読み直せるのが本なのに・・それでもその世界が終わるのが寂しくて
『妖琦庵夜話』榎田ユウリ著。
10作品目の『妖奇庵夜話 千の波 万の波』をもって約14年間続いた物語も
終わりました。
拙いい表現ですがこの小説に出会えてよかった。
哀しい展開もあるし、胸が苦しくなるような表現もある。
物語は穏やかな日常と深刻な事件を行き来する、そこには小さな希望がある、
そんな物語。
東京下町にひっそり立つ妖琦庵。
そこは妖人茶道家・洗足伊織の茶室で、”管狐”の夷、”小豆とぎ”のマメと
猫さんが住んでいて・・という設定です。
もしかしたら、どこかに本当にあるのでないかしら?
物語は終わっても、そこでひっそりとみんな住んでいるのではないかしら?
なんて思ってしまいます。
中村明日美子さんのコミック(←かれらのわちゃわちゃとした日々)も最高。
今回の物語は、冬の海から始まって、夏の海で締めくくられます。
しばし、その余韻にひたりつつ真夏の休日はおわっていきました。
あ~あ。