JR西日本2022春改正（鳥取～米子間）

JR西日本の2022年春のダイヤ改正、山陰本線の鳥取～米子間では、快速を中心に平日４往復、土休日３往復を廃止することになった。

●とっとりライナーの廃止

鳥取～米子間では、平日4.5往復、土休日４往復あった快速のうち、平日朝１往復、土休日鳥取行１本を残して全廃する。鳥取～米子間の快速は、1985年3月改正時に『わかとりライナー』6.5往復を設定、国鉄最後の改正である1986年11月改正時には10往復体制となった。1994年改正で速達便のみ『とっとりライナー』の名称を投入、1996年改正では5.5往復まで本数を減らしたが、1998年改正では８往復体制まで戻している。2003年にキハ126系・キハ121系を導入、2008年に８往復が７往復なってから改正ごとに本数を減らし、2011年改正では平日6往復、土休日5.5往復となった。そのあと10年本数を維持したが、2021年春改正で土休日５往復に、その半年後には普通格下げで現行体制となった。

鳥取～米子間を１時間40分ほどで結んでいた快速が撤退したため、2時間20分から2時間50分かかる普通か、１時間ほどの特急かの二択になる。特急と普通の所要時間比は倍以上、新幹線と在来線くらい所要時間比は大きい。ただ、倉吉以西の特急も２時間以上広がるので、特急から逃げ切るケースも所々にある。
倉吉以西へ行く特急は少ないので、『スーパーはくと』の一部を倉吉で米子発着の普通に接続させることで米子までの有効本数を増やしている。その場合、鳥取～米子間の所要時間は１時間50分台と快速より時間がかかるだけでなく、トク特チケットレスでも500円の課金が必要となる。

●鳥取→米子

平日朝は、鳥取発8時51分を米子行から倉吉行きに短縮変更する。その影響か鳥取発8時04分は、下市の10分停車、大山口での8分停車はなくなるものの、由良で10分、赤碕で26分停車するようになる。つまり、赤碕～名和間から米子へは時間短縮するが、赤碕以東からは時間がかかるようになる。米子着10時51分は11時14分に繰り下げ、区間廃止となった8時51分発と13分しか変わらない。

9時30分から15時近くまでの鳥取発を見ると、改正前は934※ 1022快 1120※ 1216快 1312倉 1401米 1453米の７本となっていたのが、932米 1110倉 1215※ 1311※ 1442米の５本となる。（※は米子行に接続する倉吉行）倉吉以西へ向かうのが特に不便にっており、改正前は9時34分と12時16分の間に米子方面２本あったのが、11時10分の倉吉行のみとなり、倉吉以西へは２時間40分以上も開くことになる。ただし、快速通過駅では元々２時間前後の間隔だったので、それほど不便になった感じはしない。

米子へは11時40分の特急があるが、特急料金を課金しなければならない。課金額は自由席で1,200円だが、WEB早特14だと2,730円だから、乗車券分を差し引くと課金額が1,040円と安くなる。この特急が普通倉吉行を抜くのは泊なので、鳥取大学前以外からは特急に乗り継ぐことはできない。それ以外にも10時13分の特急『スーパーはくと』が倉吉で普通に追いつく。
鳥取発12時16分の快速は、普通に格下げになることで、米子着は14時06分だったのが14時38分になる。益田行にはすぐに接続するから米子以西へ行くには支障はないけど、14時25分の『やくも』への接続がなくなる。『やくも』を伯耆大山に停車させたところで、タッチ差で接続しない。
鳥取発13時11分の普通は、青谷での23分停車を見直し、泊での12分停車を見直し、倉吉着14時46分だったのを14時10分に繰り上げる。鳥取発14時01分の普通は、倉吉発14時38分に区間短縮して、この普通に接続させる。つまり米子まで２時間で行けたのが２時間50分かかるようになる。倉吉発は14時55分から14時38分に繰り上げるが、赤崎で６分、御来屋で５分停車するようになったため、米子着は２分繰り下げとなる。

鳥取発16時00分の快速出雲市行も部分廃止で、米子発の普通となる。米子へ行くには、そのあとの16時24分の普通だが、米子着は18時41分と１時間近く遅くなる。それでも鳥取発17時39分の特急からは逃げ切る。

夕方は鳥取発18時28分の普通米子行を廃止して、17時54分の普通を18時03分に繰り下げる。16時51分の普通も17時13分に繰り下げるため、34-63分間隔は49-50分間隔に平準化される。17時13分の普通は20分以上繰り下げたものの、浜村での９分停車を見直し、倉吉着は13分繰り下げ、倉吉発は改正前と同じ18時16分となっている。淀江で10分、伯耆大山で12分停車していたのを大山口での10分停車に変更、御来屋での４分停車も見直し、米子着19時58分を19時42分に繰り上げ、３時間７分もかかった所要時間を２時間29分に短縮する。とはいえ、倉吉で追い抜かれる『スーパーまつかぜ』の倍以上かかる。米子着が繰り上がったため、米子発19時56分の『サンライズ出雲』に新たに接続するようになる。

19時09分の快速は19時08分の普通に格下げする。米子へ急ぐ場合は18時44分の『スーパーまつかぜ』ということなのだろう。倉吉までは新規停車は松崎だけだが、青谷で５分停車するようになったため、倉吉着19時55分は20時06分に繰り下げとなる。倉吉から先は快速の時には追い抜いていた廃止となった18時28分の普通のスジを踏襲、倉吉発は14分繰り下げるが、御来屋、大山口、淀江での４～６分停車を見直し、米子着は２分繰り下げの21時35分となる。

夜間は鳥取発20時25分の米子行を廃止に、19時44分の普通は20時07分に繰り下げる。先述の18時28分発の廃止も相まって40分前後だった運転間隔は60分前後に拡がる。（除く21時01分発から41分発）19時44分発は20時07分に繰り下げたため、鳥取着19時59分の『スーパーはくと』から接続するようになり、京阪神圏から特急通過駅への利便性が向上する。改正前の平日は青谷で、土休日は浜村で抜かれていたから乗り換えることはできなかった。また、19時59分着の浜坂からの列車からも新たに接続する。鳥取発20時49分の『スーパーまつかぜ』の待避駅は、平日が淀江、土休日が御来屋だったのを浦安に変更している。平日は米子着22時07分だったが、22時30分と土休日に揃える。この影響で西出雲行最終は米子発22時29分を22時32分に繰り下げる。

●米子→鳥取

午前時間帯は、米子発10時48分の快速を廃止、9時25分発の普通を9時35分に繰り下げるものの、11時28分発とは２時間近いタイムラグが発生する。その間には9時50分の『スーパーまつかぜ』があるもののそれでも１時間半以上のタイムラグだし、12時17分の『スーパーまつかぜ』まで待っても、鳥取にはそれが先着する。9時35分発の普通は10分繰り下げるだけでなく、倉吉での乗り換えが不要となる。赤碕での特急待避が下市に変更となるため、御来屋で９分停車、下市での停車時間を４分から21分に拡大して、赤碕まで36分繰り下げ、その先は倉吉まで24分繰り下げとなる。泊から湖山までは15～17分繰り下げで、鳥取着は10分繰り下げ、所要時間は改正前と変わらない。

米子発12時55分の普通鳥取行は12時30分の普通倉吉行（倉吉で鳥取行に接続）に繰り上げ変更する。このことで運転間隔が、87分、43分と偏っていたのが、62分、67分と平準化される。出雲市方面からの接続は12時53分着からの２分接続が12時10分着からの20分接続と余裕のあるものになった。土日運転の境線からの接続時間は46分から19分に短縮された。各駅での30分を越えた繰り上げはなく、鳥取着は15時07分だったのが14時40分となる。このことで、改正前は青谷で追い抜かれていた鳥取発14時54分の『スーパーはくと』に新たに接続するようになり、特急通過駅から大阪方面への利便性が向上する。

米子発16時15分の快速は廃止に、それに伴い15時46分発の普通は米子発を15時59分に繰り下げる。米子発を繰り下げるものの、快速に追い抜かれていた赤碕から浜村までは６分以上の時刻変更はない。末恒で米子発17時12分の『スーパーおき』の待避で８分停車するようになったため、鳥取着18時27分は18時35分に繰り下げ、快速よりも45分遅い到着となる。次の米子発16時52分は、赤碕での４分停車を９分停車に、下北条で７分停車するなどして、倉吉着18時06分を18時26分に繰り下げる。さらに泊で８分、青谷で６分停車、末恒での７分停車を４分停車に縮小するものの、鳥取着19時02分を19時36分に繰り下げて、廃止になった米子発18時00分の快速とほぼ変わらなくする。鳥取発19時07分の上郡行への接続は消滅する。

米子発18時01分の快速は普通格下げに、その前後にある17時36分と18時30分の普通２本は廃止する。このことで30分以下の間隔は消滅、20時00分から21時21分まで80分以上拡がるのを除いて、60分前後の運転間隔とする。快速が普通に格下げとなることで、倉吉着18時50分が19時23分に、鳥取着19時32分が20時22分となり、17時36分の普通を踏襲する。鳥取着が大きく繰り下がったが、浜坂行への接続は20時26分と変わらない。20時04分の智頭行（津山行最終接続）への接続はなくなったが。

土休日は20時03分の普通がなく、19時16分から21時18分までの２時間以上のタイムラグがあったが、今回の改正で20時00分発が設定され、タイムラグは解消される。