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しーさるの鉄日記

扇沢から長野への特急バスと大屋駅

扇沢からは15時40分の長野行の特急バスに乗ることにした。以前は長野側からのアルペンルートのアクセスは、信濃大町から路線バスで行くしかなかったが、北陸新幹線が長野まで開通した数年後の2001年頃に長野から扇沢までの特急バスが設定された。15時40分の特急バスに乗った場合、長野着は17時25分、37分の『はくたか』に乗り継げば19時12分に東京に到着する。一方、16時05分の路線バスに乗れば信濃大町着は16時40分、17時16分の大糸線、松本発18時40分の『あずさ』を乗り継ぎ、新宿着は21時15分となる。目的地が八王子だったら2時間差はどうにかなるが、山手線の東側だったら2時間半も開くことになる。在来線時代の『あさま』は上野~長野まで3時間だったから、大糸線の接続を考えると、需要があったと思う。設定されてなかったのは白馬長野有料道路が1995年に開業するまで道路事情が悪かったのかと。東京から扇沢までの運賃+料金については、『あずさ』から松本乗り換えで信濃大町に抜けた場合が9040円に対し、長野で新幹線に乗り継いだ場合は11840円となっている。

12分でホリデイ・インリゾートくろよんに到着、路線バスは県道沿いの日向山高原停留所に停車するが、特急バスはホテルの前に停車する。標高は892mで扇沢との標高差は541m、扇沢からの距離は9kmぐらいだから、100m進むごとに6m降りる計算だ。高原バスが弥陀ヶ原から室堂までの7.8kmで480m上がるのと平均勾配は変わらない。ただし、特急バスは曲線区間が少なく勾配が一定のため12分で走行するのに対し、道路が曲がりくねって集中して標高をかせぐ高原バスは登るのに20分かかる。下がるのは15分だが、それでも特急バスより遅い。冬季のアルペンルート閉鎖時は路線バスは日向山高原折り返しに、特急バスは信濃大町駅折り返しとなり、どちらも3往復に減らされる。また、冬季でなくても日向山高原~扇沢間の県道で雨量規制がかかれば、バスだけでなく扇沢~黒部ダム間の電気バスも運休となり、富山側から来た場合は黒部ダム折り返しとなる。篭川沿いの狭い場所を走るから仕方がない。日向山高原から数分走ると、標高830mの大町温泉郷に到着、さらに10数分走り、16時10分に標高714mの信濃大町駅に到着した。扇沢から30分足らず、35分かかる路線バスより少し速い。

特急バスは信濃大町駅では乗車専用で、降りることはできない。降りることができれば、16時34分の大糸線の松本行に接続、松本では『しなの』に21分で接続、長野まで乗った場合より1時間以上早く名古屋方面へ行ける。一方、この大糸線から『あずさ』への接続は悪く、後続の路線バスでも同じ『あずさ』の接続となる。シーズン時には特急バスの5分前に路線バスがあるとはいえ、それ以外に名古屋方面へ行くのは不便なところだ。ただ、最近はバスの運転士不足もあるから、特急バスと路線バスを統合する可能性もあり得る。その場合は信濃大町駅までの停留所での下車が可能となる。

信濃大町駅を出たバスは北上、北大町駅の北側で大糸線をアンダーパスして県道31号大町・長野線を北上する。山を挟んで大糸線と木崎湖となる。標高910m以上と日向山高原の少し上まで登り、信濃大町駅から13分で標高897mの新行に到着する。新行からは下車も可能に、信濃大町駅へ行くのに遠回りで乗り換えが必要となるコミュニティバスよりは使い勝手はいい。そのあと標高960mまで登り峠を通過、その先4kmで270m降りて標高は700m以下と信濃大町駅並みになる。旧中村家住宅を左手に、白馬からの道と合流右折すると標高655mの美麻ぽかぽかランド前に到着、信濃大町駅からは22分かかった。山を挟んだ大糸線では簗場の辺りだ。そこからトンネルを通過すると数分で標高581mの千見に到着、さらに数分走ると小川村に入り標高560mの日影、そして5分後、16時42分に小川新田に到着する。標高は485mと立山駅より10m高いだけだ。白馬からのバスも同じルートを走るが、千見の次は長野駅で小川村には停車しない。大町市のコミュニティバスは千見の少し先の境の宮まで運転、長野からの路線バスは日影の少し手前の初引まで運転する。境の宮と初引の間は550mしか離れてないから昔は繋がっていたのだろうか。なお、コミュニティバスは平日のみ運転、路線バスの初引乗入も平日昼間のみで、それ以外は小川新田の1km手前の高府折り返しとなる。小川新田は、美麻ぽかぽかランド前同様、近くに道の駅がある。

小川新田からは長野までの路線バスがあるため、特急バスの停留所はない。特急バスは白馬長野有料道路を経由するが、長野までの所要時間は路線バスと変わらない。トンネルを抜け、犀川を渡ると、小川新田から13分で国道19号に合流する。この辺まで来ると標高420mまで下がってくる。さらに10数分走ると、標高370mの安茂里の市街地まで降りてくる。しなの鉄道と新幹線をアンダーパスして、定刻より3分早い17時22分に長野駅に着いた。扇沢から1時間40分ほど、信濃大町から1時間10分ほどかかったことになる。信濃大町から松本までの大糸線は1時間近くかかるから。大して変わらない。松本からだと新宿まで2時間40分かかる『あずさ』が毎時1本だが、長野まで出ると東京まで1時間20分から1時間40分かかる新幹線が毎時2本前後運転されている。

バスが到着したのは、善光寺口と逆側の東口、白馬、志賀高原方面へのバス、ビッグハット、須坂方面への路線バスや観光バスが乗り入れる。ここ最近で再開発されたようで、商業施設はほとんどなく、新しい雑居ビルが点在している。東口の駅前を撮影して、17時30分にしなの鉄道のホームへ、2両編成だが発車10分前でボックスを確保できた。長野発17時42分、席がある程度空いているものの立ち客が少しいるくらいの利用率だ。篠ノ井である程度降りて、ボックスに1人ずついるくらいの利用率になった。戸倉で少し乗り込み、上田で一気に乗り込んできたが、ボックスの対面には誰も来なかった。

上田を出で6分、大屋には18時33分に到着した。大屋駅は今年2月26日に新駅舎を供用開始、新駅舎に国道沿いの大屋郵便局を180m移転させた大屋駅郵便局が入居する。郵便局の入り口は待合室から右に入ったところにあるが、降りた時は営業時間外だった。地方鉄道における駅業務と郵便局の一体運営は、この大屋駅あ全国初の事例とのこと、地方鉄道だからJR内房線の江見駅は該当しない。屋代高校前駅は最近郵便局が入居したが、駅業務を行わないから該当しないのだろう。只見線の会津川口駅の日原駅のようなもので。郵便局は窓口業務と駅業務を兼ねているため、郵便局が営業している時間帯は、シルバー回数券、軽井沢・長野フリーきっぷ、通学定期乗車券といった券売機で買えない切符を郵便局窓口で購入ができる。近代化産業遺産群だった駅舎は老朽化で新駅舎に建て替え、焦げ茶の外壁、赤茶の屋根は旧駅舎を踏襲して、海野宿の玄関口らしい駅舎は維持している。新駅舎は三井ホームが初めて施工した駅舎、、木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)を採用している。郵便局部分の屋根はトラス構造となっており、柱は使われてない。壁も待合室と郵便局が仕切られた分だけだ。ただ、郵便局が設置された分、待合室は狭くなった。スロープの前にはポストが置かれている。江見駅のような荷物電車イメージで湘南色に塗り換えればいいのだけどね。

大屋発19時08分の長野行で折り返し、宿のある上田へ向かった。

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