シネマ ア ラ モード

福山駅前シネマモード(広島県福山市)の映画&イベント情報。

最近、読んだ本。

2010-03-21 | Weblog
自由律俳句とゆうものをご存じですか?
季語や定形音数(五・七・五)にとらわれない俳句で、
有名なのは、尾崎放哉の↓とか。

咳をしても一人

なんかよるべのない初老の男がした「こほっ」ってゆう
小さな咳が聞こえてきそうな淋しい句でしょ。
でも、これ自由律だからいいんだと思うんです。
もし、定形句だったら「何、気取ってんだよ」
「わざわざ俳句なんかにしちゃってさ」と鼻白む気がする。
自由律だから、なんか、そうゆう“とるにたらないもの”を
見逃さないことが人生を豊かにするとゆうか、
人を救うとゆうか、なんかそんな気がするんです。

で、おもいろい本がある。

放送作家のせきしろと、お笑い芸人の又吉直樹による
句集『カキフライが無いなら来なかった』です。
私は、せきしろの句にかなり感じるものがあったので、いくつか紹介しよう。

喧嘩しながら二人乗りしてる

(感想)マヌケなんだけど、結局、仲直りしそうなほっこり感が。

すまないが狐の影絵しかできない

(感想)友だちに次々と影絵を披露されると、確かに申し訳ない気持ちになりそうだ。

マイケルジャクソンの物真似が聞こえ振り向く

(感想)読んだ瞬間、“ポー!”とゆう声が聞こえた。

スイッチ間違えて玄関が明るくなる

(感想)何の準備もしていないのにスポットライトを浴びたような気恥ずかしさ。

押すのか引くのかスライドかそもそもドアでないのか

(感想)たたみかけるようなリズム感で、追いつめられた気持ちが伝わる。

『カキフライが無いなら来なかった』
せきしろ×又吉直樹 幻冬社 1365円

ハート・ロッカー

2010-03-21 | Weblog
ずっと楽しみにしていた『ハート・ロッカー』をやっと観ることができた。

【作品紹介】
2004年、バグダッド。
イラク駐留米軍の爆弾処理班ブラボー中隊は、
前任者の爆死により新たな班長ジェームズを迎えた。
死を恐れない彼の指揮の下、中隊は残り40日の過酷な任務をこなす。

【コメント】
やー、これ凄いっすよ。
これまでの戦争映画だと、兵士は<ヒーロー>か、
もしくは戦場で体や心を壊した<被害者>のどちらかが多かったけど、
この映画はそうじゃない。
あるいは、一人ひとりの兵士の中に、
そのどちらもを見出しているともいえるかも。

今のアメリカに徴兵制はないわけで、
だから兵士たちは、個人的な事情はあれども、
心のどこかに「世界の平和に役立ちたい」
「テロの恐怖から祖国を守りたい」
とゆう気持ちがなければ、戦場になど行かないだろう。

その正義感と勇気に私は素直に敬意を感じるし、
観客がそう感じられるよう映画はつくられている。
しかし、戦場は、そのようなモチベーション(正義感)だけで
生きていけるような場所でないことも同時に描いている。

ドキュメンタリータッチの映像で、
現在進行形の戦争を見事に映画化した傑作!
観客にカタルシスを与えるエンターテインメント作品ではなく、
この映画に、作品賞・監督賞・脚本賞ほかを贈ったアカデミー賞も凄い!

●『ハート・ロッカー』は5/8(予定)よりシネマモードで上映!

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シネマモード上映スケジュール