シネマ ア ラ モード

福山駅前シネマモード(広島県福山市)の映画&イベント情報。

キャラメル

2009-07-31 | Weblog
レバノン映画『キャラメル』を観る。
おっと、これはひさびさの拾いモノだ。

ベイルートにあるヘアエステサロンのオーナーで30歳のラヤールは、
妻子ある恋人からの電話を待ちこがれて仕事もままならない。
スタッフのニスリンは、婚約中の恋人に隠しごとをしている。
常連客たちも、それぞれに事情を抱えて生きている。
20~50代の女性5人の人生を皮肉とユーモアを交えて描く
ハートウォーミングストーリー。

どんな女性にも起こりうる小さな事件(当人にとっては大問題だが)を
モザイクのように組み合わせて物語は進む。
どのキャラクターも魅力的で、色彩の美しさや音楽も効果的。
ペドロ・アルモドバル監督やロドリゴ・ガルシア監督の作品が好きな方にオススメ。
(オススメしといてアレですが、シネモでの上映予定は今のところありません)

シネマモード上映スケジュール

インスタント沼

2009-07-30 | Weblog
三木聡監督の最新作『インスタント沼』を観る。

仕事も恋もうまくいかない、じり貧のヒロインが、
自分の本当の父親(らしい)男を訪ねると、
そこにいたのはうさん臭い骨董屋のオヤジ。
一見、ガラクタのような品物に囲まれて、
店主やその友人のパンクロッカーの若者と時間を過ごすうちに、
いつしか日常の小さな幸せに気づいてゆく…
的なお話を、三木監督にしかできない小ネタの連打と
ゆるい空気感でつづるコメディ。
ヒロインは麻生久美子。

加瀬亮は、エキセントリックな外見(髪型)と、
お人よしの性格がミスマッチなキャラクターにハマっていた。
そして圧巻は風間杜夫。
実は落語の名手らしく、そのセリフまわしになんとも味がある。

ナレーションで「じり貧とは、状況がじりじりと悪くなることだ」と言ってたが、
なるほど、すごくピッタリですごくヤな言葉だなぁ“じり貧”。

『インスタント沼』はシネマモードで9月に上映を予定しています。

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グッド・バッド・ウィアード

2009-07-28 | Weblog
映画会社から借りた資料用DVDで韓国映画『グッド・バッド・ウィアード』を観る。

1930年代の満州を舞台に、宝の地図をめぐって、
犯罪者や賞金稼ぎ、そして日本の軍隊までもが出動して闘いを繰り広げる。
出演/ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、チョン・ウソン

列車強盗や馬に乗ってのアクションなど、ウェスタンへのオマージュが楽しい。
疾走する馬上でガン・アクションを見せるチョン・ウソンにしびれるし、
演技面ではソン・ガンホ、イ・ビョンホンはさすがの安定感だ。
西部劇ばりの男たちの争いを、逆に華やかな色彩感覚と流麗なカメラワークで見せる映像感覚にもうなった。

とにかく、一流のスタッフ&キャストで思いっきり痛快な活劇をやろう!
とゆう心意気が胸躍る快作に仕上げている。

『グッド・バッド・ウィアード』はシネマモードで10月に上映を予定しています。

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『ディア・ドクター』ぶっちぎり!

2009-07-26 | Weblog
招待券プレゼント企画で、応募の際に、
来月のシネモ作品より、ご覧になりたい映画を書いていただいていますが、
『ディア・ドクター』が2位以下を大きく引き離してトップに立っています。

ほとんどの批評家が絶賛または好評価、
そして観客の満足度も軒並み高ランクですもんね。

上映する立場としても、ひじょうに奥深い良作であり、
しかも娯楽映画として誰もが楽しめる本作は、
安心してオススメできる嬉しい作品です。

ちなみに“来月、観たい映画ランキング”のベスト3は以下のとおり。
(7/25現在)

1位 ディア・ドクター(8/22~)
2位 おと・な・り(8/8~)
3位 レスラー(8/8~)

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趣味のいい映画

2009-07-23 | Weblog
これといったとりえのない私ですが、
“映画の趣味がいい”ということだけはほめてもらうことがあります。
ま、人に映画をすすめるのが仕事ですから、
当たり前っちゃあ当たり前のことなんですが。

ちなみに私の考える趣味のいい映画は、
人間のこっけいさと哀しみを(できれば愛しさも加味して)描いている映画かな。
ただし、自己憐憫(かわいそうな俺・私)やナルシシズムになっちゃあダメですけどね。
恥ずかしいから。

そして、欠かせないのが上質でシニカルなユーモア(毒)。

今年の作品でユーモアのセンスがいいなと思ったのは
『ダウト~あるカトリック学校で~』。
あの映画って、ある意味ブラックなコメディだと思うんですよ。
エイミー・アダムス演じるシスターが、
その善意ゆえに場をひっかきまわす。
自分が最初に疑いをもっていながら、神父の釈明を聞いたとたんに
パッと明るい表情で校長に「これで疑惑が晴れましたね!」って。
いやいやいや、オマエが言い出したんだろ!
“悪気がないゆえにハタ迷惑”というこっけいさを強調する
エイミー・アダムスの無垢な瞳がおかしくておかしくて。
メリル・ストリープのオーバーアクトも明らかに狙ったものだし。
ラストには、人間の弱さや宗教的な洞察もあって、
ひじょうに知的で趣味のいい映画でしたね。

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大阪で映画のハシゴ。

2009-07-22 | Weblog
今日は大阪で映画のハシゴをしてきました。
観たのは『サンシャイン・クリーニング』『扉をたたく人』『精神』の三本。
どれもなかなか見応えのある映画でした。

『サンシャイン・クリーニング』は9月の公開が決定しています。
(ほか二本は現在のところ上映予定がありません)

3作品が全部別の劇場で、地下鉄での移動もあったし、
タイトなタイムスケジュールで動いたので、お昼ゴハンも食べられなかったけど、
月に1~2度の遠征はやっぱり楽しい。
来月は『キャデラック・レコード』が楽しみ。

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愛を読むひと

2009-07-19 | Weblog
エーガルから移動してきた『愛を読むひと』を昨日より上映しています。

やー、ケイト・ウィンスレットって凄いわ。
『レボリューショナリー・ロード』といい、本作といい。
まぁ、アカデミー賞を含め、賞を独占しているので、
今さら私が言うのもあれですが…。
いわゆる熱演タイプじゃなくて、
すごくナチュラルに役になりきる人ですね。
で、巧い俳優だけがもつオーラがある。

日本人の女優でゆうと『浮雲』の頃の高峰秀子とかね。

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『レイチェルの結婚』シネマトーク

2009-07-17 | Weblog
『レイチェルの結婚』上映中に4日ほど、
上映後に、私がこの映画の魅力について5分ほどお話する
シネマトークを実施しました。

以下は、そのかなりザックリした要約版です。
(当然、ネタバレあります、ご注意を)

映画の前半で描かれるのは、
レイチェル、キムの姉妹と、現在は離婚している両親の4人の
コミュニケーションのチグハグさでした。
幼いイーサンの死によって出来た溝は、
数年を経ても埋まるどころか、むしろ深くなっているようです。

そして、結婚式の準備~本番を通して、
今度は、それでも家族にしかわからない絆を4人は確認します。

それは、4人ともが今もイーサンの死を引きずっていること。
その悲しみを本当の意味で理解できるのは4人だけでしょう。

また、レイチェルと喧嘩をしたキムが
一晩、帰ってこないというシーンでは、
どんなにわずらわしい妹でも、いなくなれば心配するし、
無事に帰ってくれば、ほっとして体を洗ってやる、
切っても切れない姉妹というつながりを描くあたたかいシーンも。

ベタな映画なら最後に、再び家族が一つになるんでしょうが、
そうならないのがこの映画の良さでした。

父親は、レイチェルから
「キムばかり心配してたから、私はずっと淋しかった」となじられても、
式が終わったとたんにキムの就職の心配をしている。
(キムの考えも聞かずに)
そして、母は仕事を理由にそそくさと帰ってしまう。

両親ともに娘たちへの愛情をもっていながら、
あいかわらず娘たちが期待しているような形で愛情を表現することができない。

キムは、いつか家族の理解と愛情を得て、
そこから自分は回復すると夢見ていたかもしれませんが、
両親は変わらないし、レイチェルは結婚してハワイに行ってしまう、
やはり、更生施設でサポートしてくれる人たちの手を借りながら
自分自身で人生を切り開いていくしかないんだと決意したから、
施設に戻っていくんでしょう。

レイチェルもまた、両親への幻滅を感じたでしょうが、
彼女はもう、親の愛情に飢えた娘ではなく、
ステキなパートナーの大きな愛に支えられた花嫁です。
施設へ帰るキムを見送ったあと、レイチェルが階段を上がったところで
ピョンとジャンプするしぐさに、
心配の種だった妹に、少し希望が見えてきたことも含め、
家族の悩みが吹っ切れて、彼女の気持ちが軽くなったことを感じました。

深い傷を負った家庭から二人の娘が、その傷を乗り越えて、
それぞれの人生に向けて一歩を踏み出すラストシーン。

ちょっとビターで、でもあたたかい、とっても洗練された映画でした。

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『サンシャイン・クリーニング』公開決定!

2009-07-16 | Weblog
多数の方からリクエストを頂いていた
『サンシャイン・クリーニング』の公開日が9/12で決定しました!

『リトル・ミス・サンシャイン』のプロデュースチームが手掛ける心温まる人間ドラマ。
人生の負け組だった姉妹が新しいビジネスを通して成長し、
ぶつかり合いながらも絆を深めていく様子を繊細につづる。
出演/エイミー・アダムス、エミリー・ブラント

リクエストはコメント欄よりお気軽にどうぞ。

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『ミルク』はカード会員1000円!

2009-07-14 | Weblog
ショーン・ペンがハーヴィー・ミルクを演じて、
アカデミー賞主演男優賞を獲得した『ミルク』を8/29~上映します。
この作品は、フューレックカード会員さんは、
いつでも1000円でご覧いただけるサービス作品です。

アメリカで初めてゲイをカミングアウトして公職についた人物、ハーヴィー・ミルク。
しかし、就任して1年も経たないうちに、彼を凶弾が襲った。

性嗜好や性別や年齢で差別されることのない生きやすい世の中にしたい、
そんな素朴な思いから立ち上がるハーヴィーの姿は、
今も多くの人々に希望を与えるものだ。

繊細でチャーミングなハーヴィーの魅力を
体全体で演じた(笑顔がステキ!)ショーン・ペンは必見です!

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