ヤマトフリークならば小説も読まねば。
豊田巧著 小説 宇宙戦艦ヤマト2199(上・下)
全エピソードを2冊の小説にまとめるのは難しいので
端折れるエピソードはできるだけ端折ってあるが
上手くつなげてあるので違和感は無い。
エンケラドスへ行くエピソードは旧作をモチーフにしたようだ。
旧作も愛するヤマトフリーカーにとってはなんとも嬉しい。
さて、力説したい、この小説は是非とも読むべき小説である。
何故かというと、デスラー総統のこころ内が描写されていて
映画で見た限りでは謎だったデスラーの狂気な行動の意味が
理解できるように書かれている。
デスラーが総統になった経緯とその地位を維持し続けるため
勝ち続けることを要求されたプレッシャー。
イスカンダルの理想とのギャップに苦しむ心の葛藤。
何故、デスラーは首都バレラスを葬ろうとしたのか
大統一とはなにか
デスラー登場シーンは、雰囲気の描写だけで時間が足りず。
昔のアニメのように「説明しよう(富山敬風)」とナレーションを入れるわけにも
いかない。映画だけでは絶対理解不能。
デスラーファンの間でブーイングとなってしまったのだが
これを読めば、「なるほど」デスラーは決して狂った独裁者ではない。
崇高な理想がデスラーの頭の中にあるんだということがよくわかります。