公園の中を歩いた。夜の雨が強かった為か、樹々の葉が下の方は残っているが、梢の上の方は殆ど落ちていた。淋しくなったものだと思いながら歩いていると、突然落葉が舞い上がった。風もないのに私をかすめた。雨に濡れて地面にへばり付いているのにと思ったが、よく見ると雀。何十羽もの雀が地面から飛んだのだ。低い木の陰や茶色の葉の上にいた雀。枯れ葉と同じ色で分からなかった。私が歩いて来たのでびっくりしたのだろう。私の近くの雀が飛び立ったものだから、少し遠くにいた雀もその音でびっくりして飛び出したようだった。少しの間、飛ぶ鳥の中でとても嬉しい気分だった。
随分前に、夢で見たことを思い出した。落葉が全部鳥になって私の周りを飛んだ。カナダの北部の方に、そのような民話があるということを聞いたことがある。樹々に葉がなくなっても、淋しくないように鳥が来る。