海流のなかの島々

狭く浅くな趣味のあれこれを
波の彼方から語ります

「LETTER -bring to light-」 前半 @DVD

2006-08-02 19:29:53 | 演劇
K.D earthの結樺健さんがまだ渡辺健さんだった頃のミュージカル。
2002年博品館劇場で上演です。
お相手の坂本真綾さんは、今やエポニーヌ女優ですね。


  川上たくみ(ドクターP)   渡辺健
  夏原あおい(野々村律子) 坂本真綾

ごくごくオーソドックスで真面目なお話です。

舞台は上手から下手まで空間全て黒い板塀で囲われています。
ところどころに大小の扉が切ってあって、窓、ポスト、ドアを表現。
板塀の後ろには照明があるので、扉を開けると光が射す仕掛け。
中央には3段の階段状の構築物があり、
役者はここに立ったり腰掛けたりできます。
照明は落としてあって、役者を照らすのは白か青のスポットのみ。
モノローグがずっと続く芝居なので、この黒っぽさがマッチしてますね。

健ちゃんは黒T、柄シャツにメガネ。真綾ちゃんは寒色系の花柄ワンピースです。


アニメ「アリサが静かに眠っていた」の主人公アリサの声優、野々村律子。
彼女のもとに一通のメールが届く。

  『CM明けのワンシーンだけ声がおかしかったのは何故ですか?
  詳細かつ明快な回答をお待ちいたします。  声優の声を守る会代表 ドクターP』

怖いですね~、こんなメールが来たら
そう、健ちゃんはアニメオタクのストーカーです。

当たり障りのない返事を返していた律子も、あまりのしつこさに辟易。
パソコンの調子が悪いので、と返事を返すのをやめてしまいます。

メールアドレスまで変更されてしまったドクターPは、ワープロの手紙で質問を繰り返す。
「僕は見かけ倒しのストーカーです。危害を与えるつもりはありません。
声の違った理由を教えてくれたら2度と手紙を出しません。」

あのシーンだけ違う日にアフレコしたから、と返事をする律子。
しかしドクターPは納得しません。

手紙を気にして何度もポストを覗きにいく健ちゃんの芝居がいいですね~。
ワープロを打ってはポストに走り、
寝ころんで本を読んではポストに走り、
歯を磨いてはポストに走り…。
健ちゃんの舞台は2本しか見てませんが、
正直、歌は120点だけど芝居はまだまだ…と思ってました。
でもこのあたりの「異常な感じ」は凄くうまかった

少年時代のドクターPは、見かけはカッコ良かった。
でも、中身はたいしたことがなく、
「期待はずれ」と言われることに傷ついていた。
これが自分を「見かけ倒しのストーカー」と呼ぶきっかけのようです。

ちょっとドクターPに興味を持つようになった律子。
いろいろな質問を書き送ります。
「本名は?
仕事は?
手紙がワープロなのは何故?
実は私が知ってる人で、手書きだといたずらがバレるから?」

自分は亀の世話をするカメシッターだというドクターP。
なんか可愛いぞ、カメシッター

本名は夏原あおいだと告げる律子。
「野々村律子という名は好きではないので、本名で呼んで欲しい。
あなたも本名を教えて。」

自分はドクターPで、名前も野々村律子のほうが好きだというドクターP。
期待はずれと言われて傷ついた彼の複雑さが表れてますね。
自分の中身を見せたくないし、他人の中身を知るのも怖い。
でも、ひとつだけ自分をさらけ出します。
ワープロなのは字が汚いから。
小4の時、猫田という犬によく似た担任に「字が汚いのは心が汚いから」と言われ、
それ以来字を書くのに抵抗がある。

私の小4の担任も猫田だと驚くあおい(律子)。
小学校は世田谷区立南が丘だと告げる。
同級生であることに気付くドクターP。
驚きから喜びへと変化していく健ちゃんの表情がとてもいい。

ここまでの健ちゃんの歌は、イライラ感漂う激しい歌ばかりでした。
照明も赤や緑の落ち着かない感じ。
ここで初めて少年時代を歌う美しいバラードを歌います。後半はデュエット。

前半はこれまで。


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