海流のなかの島々

狭く浅くな趣味のあれこれを
波の彼方から語ります

「Once(ワンス)」 @BERNARD B. JACOBS THEATRE

2013-09-18 18:14:06 | 演劇

アメリカにはさほど興味がないけど,BWでミュージカルは観てみたい。イチローのおかげでこの夢も叶えることができました。


 

   




最優秀ミュージカル賞のほか、 2012年度のトニー賞8部門を受賞した作品。ロンドンのWEでも今年から上演が開始されています。モトは2006年に公開された同名のアイルランド映画。アメリカでは最初しみじみと上映されていたのが、やがて話題を呼びスマッシュヒットに。それがミュージカル化に繋がったようです。

ヒアリング力に自信がないので出発前に映画は観ておきました。アイルランドの首都ダブリンの街角で出会った男女の小さな奇跡、という感じかな。90分ほどの短い作品です。主人公ふたりには名前がなく、男はGuy、女はGirlとエンドロールに表記されていて、それがふさわしい、世界中のどの街角にも起こりうる、何気ない、でも美しい大人の物語でした。音楽も一度聴いただけでも耳に残り心に響くものばかりだったので、ミュージカルで観るのが楽しみ!とワクワクしながら劇場へ。

するとそこは長蛇の列。私たちは外の写真を撮ったりしてゆっくり入場したら、既に舞台上ではキャストがアイルランド音楽を演奏中。ありゃ~これは早めに入っておけばよかったと後悔。アイリッシュパブ風にしつらえられた舞台上はすごい人数で演奏者の周りにもたくさんの人が。後で分かったけど上がりたい人は自由に上がっていいみたい。始まる直前にさーっと自分の席に降りていってました。

ちょっと驚いたのが、チケットをもいでもらって入場するとロビーもなくすぐ客席だったこと。最後列の後、壁ぞいがドリンクバーになっててみんなお酒とか飲んでました。これが舞台装置のパブのカウンターとマッチして素敵な雰囲気。ぎゅっと濃縮された小さな空間で居心地良し。


Guy はARTHUR DARVILLではなくスタンバイのBEN HOPE。ちょっと残念だけど初見の私には特に不足な面は感じず。Girl 役のJOANNA CHRISTIEと子役の女の子と、後はアンサンブルが…何人?10人くらいかな?彼らには父親とか母親とか決まった役もあるんだけど、それ以外の時も演奏したり歌ったり小道具を出したり引っ込めたりと大活躍。主人公たちの出会いのきっかけとなるのはhoover(掃除機)。「壊れちゃったから修理して」 「いいよ。今度持ってきて」 と言うと、アンサンブルの男性が舞台袖から引っ張り出してきてGirlの横に魔法のように置いた時は客席かなりウケてました。街角でたまたま掃除機持ってる女性なんていないってw

音楽はギンギンのロックはなく、大雑把に分けちゃうと、バイオリンが印象的な心浮き立つアイルランド音楽と、しっとりとしたバラード系。特に「Falling Slowly」は映画で初めて聴いた時から気に入っちゃいました。この舞台最大のウリはバンドがいなくて出演者全員で楽器を演奏しながら歌うこと。Guyがギター、Girlがピアノ。後はバイオリンが2台 、アコギ、エレキ、ウクレレ、バンジョー、アコーディオン、マンドリン、ドラム、カホン、チェロ、ピアニカなどなど… 。1幕終わりの「Gold」は全員が楽器をかき鳴らし、歌い、フォーメーションを組換え、最大に盛り上がる曲。まるでアイリッシュパブにいるように(行ったことないけど)楽しかった~。

本当に大人の作品という感じで大いに気に入ったのですが、残念ながら私のヒアリング力では細かいところや歌詞なんかはさっぱり???。映画を観たから大筋は分かるんですけど… 。だから是非是非日本でもやって欲しいです!もちろん楽器ができて歌えて芝居ができて、というキャストを揃えるのは大変でしょうけど。主人公ふたりはギター、ピアノとメジャーな楽器だから弾きこなせる役者さんはそこそこいそう。日本人なら若く見えるからGuyは20代後半から40代前半くらいまではいける?イケメンである必要はなし。Girlなら20~30代前半?こちらも目の覚めるような美人でなくてもOK。どちらかというとアンサンブルを揃えるほうが難しそう。ちっちゃい劇場で観てみたいなぁ。誰か、よろしくお願いします!

 

オリジナルキャストのCDを買っちゃいました。車の中で聴いてます。

あちこちでこのポスターも見かけましたよ。



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