スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
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海があってラッキーだったよなぁ

2016-09-27 | 旅行

クロアチア マカルスカ

今回クロアチアを訪れて何より感じたのはクロアチアって(それも暖かいところに)海があってラッキーだったよなぁです。

こんなことを言ってしまったら反感をかってしまいそうですが、これと言った産業はなく、とにかく観光業で国は成り立っている感じで、それは車で走っているだけでも肌で感じられるます。スロバキアの自然も綺麗だけれど、観光業界で華やかな脚光を浴びるには程遠く、なんだか羨ましくなってしまうくらいです。スロバキア~オーストリア~スロベニア~クロアチアと車で横断・縦断ましたが、クロアチアの高速道路はどこよりも立派で、何年かかっても途切れ途切れにしか開通していないスロバキアのそれとはほど遠く、そしてオーストリア、スロベニアと比べても、スロベニアの国境を越えクロアチアに入ると道路がなめらかで車は滑るように心地良く走ります。その高速道路を颯爽と走るはほとんどが近隣諸国のナンバープレートの車。


バーンと立派に国を縦走するクロアチアの高速道路


山間部だってトンネルに高地の山あい、どこだってスイスイ走り抜けます。


サービスエリアで途中休憩。
子供たちは車内で適当に寝て、適当に遊んで、ネルカには渋滞に備えて紙おむつまでして座り続けること11時間。それだけ乗っても退屈することも、ぐずることもなく、むしろ私たち大人が疲れて途中休憩だの、オーストリア泊だのしてしまい、そうでなければクロアチア~スロバキアどころかこのままロシアまでも車に乗り続けていられるのではないかと思うほどの旅っぷりでした。

ヨーロッパの高速道路料金は無料のドイツを別にして(速度無制限で料金無料とは車の運転が大好きなマルツェルには夢のような国です)、スロバキアもオーストリアもスロベニアもガソリンスタンドや国境付近の売店で1週間や1カ月等、期間に応じた料金を支払い券を購入するのが一般的です(シールになっていてそれを車のフロントガラスに貼ります)。料金がオーストリアよりもスロベニアの方が高く、そしてクロアチアに入ると料金の支払い方法は日本形式で、ステッカーを購入するのではなく、高速道路に乗るときに券を受け取り、降りるときに料金所で料金を払います。その金額だってシーズン中に観光客相手にガッツリ稼いでるなぁと思わず苦笑いしたくなってしまうほど高額です。

参考までに料金比較
オーストリア  10日間で8.8ユーロ
スロベニア   7日間で15ユーロ(ですが私たちが利用したのはたったの75キロほど)
クロアチア   スロベニア国境からマカルスカ近くスヴェティ・リヤのトンネルまで35.78ユーロ

高速道路からの眺め




私たちの行ったマカルスカはクロアチアでも比較的南の方ですが、みかけた車のナンバーは隣国ボスニアヘルツェゴビナ、スロベニア、オーストリア、ハンガリー、イタリア、チェコ、スロバキアはもちろん、ドイツ、スイス、イギリス、ポーランド、スペイン、オランダ、スウェーデンだったかなはるばる北欧から来ている車もあり、ヨーロッパ中から夏のバカンスを過ごしに集結しているようでした。

高速道路を走る限りでは雄大な自然を横目に快適な旅をすることができるのですが、帰りは不運にも出発前日からの強風のため高速道路上の橋とその後に続くトンネルが閉鎖されてしまい、70キロほど一般道を迂回、その迂回路も大渋滞だったためさらに迂回。高速道路を降り、地図を頼りに走る世界は全く異なり、エミール・クストリッツァの映画を思い起こさせる小さな村々とギア1でしか上がれなかったヘアピンカーブとところどころ落石の見られる山道、ロバが通るために作ったとしか思えない細い石橋、美しいけれど、幼い子供たちを連れてとんでもないところに迷い込んでしまったと心細くなるような世界でした。


高速を降りて一般道を走る。
トンネルが閉鎖されてしまったので、一般道でこの山を越えます。
道路はスロバキアと同じ、デコボコだけれどこのあたりはまだまだ余裕です。


新しく建てられているけれど、どれも未完成の家々。
これがクロアチアの素顔だと感じながら車を走らせしばらく行くと、


ここで車は完全に停まってしまいました。
全く動かないので意を決してここでUターン、更に迂回することにしました。


どこかの村の細い道。
村には修道院があったり、道端に老人が座っていたり、車の外には普段目にすることのない光景が広がっていたのですがあまり精神的に余裕がなく、カメラも向けられませんでした。


ギア1で山道を登りながらふと眼下に目をやるとこの絶景


高速道路に戻るとホッとします。「空色の車」なんてことを思う余裕も。

スロベニア、オーストリアの車窓は撮り忘れてしまいました。


ようやく見えたタトラ山脈
行きは窓の外の景色を飽きることなく見続け、海が見え始めるとテンションが上がり、帰りはオーストリアに入るとなんだかホッとし、そしてタトラの山々が見え始めるとあぁ帰ってきたなぁと感じます。

帰りは大渋滞に巻き込まれ、映画の世界のような村に迷いこみ、もう今後10年は車でバカンスなんか行かないと言い放ったマルツェルですが、またそんなことは忘れて車で旅にでるんでしょうね。
とにかく長旅で疲れますが、車での旅もまたロマンがあって良いものです。


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