スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
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海外で鬱になったら

2017-03-24 | 海外生活の強い味方
今週から職場にスペインからのインターン生が来ています。月曜の朝、出社したら私の席の隣に知らない男性がいるものだから驚きました。誰も紹介してくれないので自分たちで自己紹介をしてインターン生だと発覚、その後上司から改めて紹介(で、彼の担当はChihirkoだから任せたよ!と…)と彼に任せる業務を知らされましたが、みんな忙しいとは言え誰も言ってくれていないんですもんね。昨日は朝行くと同僚がいつもよりおめかししています。テーブルの上にはケーキとジュース、聞けばハンガリーからお客さんが来るとのこと。どうりで同僚たちが先週オフィスの掃除や片づけをしていたわけです。これまた私は何も知らず。。。まぁ、私が当日知ったところでどうってことはないので全く問題ないのですが、サプライズの続く1週間でした。

インターン生はまだスロバキアに来てようやく2週間経ったところとのこと。とても社交的な青年でもう友達もできたようです。それでもまだ一週間しか滞在していないのに、一人の時間が多くてもう一カ月くらいいる気分と先日ポソッとこぼしていました。私もなんだか自分がスロバキアに来たばかりの頃を思い出し、「何か困っていることはない?」「チーズが好きならこれがお勧めだよ」、「この辺りの観光名所は・・・」、「今度家に来る?」等々、おせっかいなおばちゃんと自覚しながらもあれこれ、話しかけてしまいます。

日本であれ海外であれ、学校や仕事、育児、日々の生活で何らかのストレスを感じることってありますよね。みなさんそれなりにストレスの発散方法を生みだされていると思います。私の場合は友達や家族に愚痴ることと、ランニングでした。でも環境が変わるとその自分の生み出したストレス発散方法が使えないこともありますよね。そういうときは辛いものです。

私にはスロバキアに来て以来辛い時期が2度ありました。まずは来た当初の3カ月です。たった一人の友人を頼りに単身渡ったスロバキア、彼女の会社で働くことで私のスロバキア生活はスタートしたわけですが、日本にいるときは実家を出たと言っても妹と二人暮らしで全くの一人暮らしもここに来て初めて、語学を教えるという経験も初めて、そしてこういうときに冬だったこともあり私のストレス発散のランニングもできず、そしてたった一人の友人以外に友達も知人もいなかったので愚痴る相手もいなく、ちょっとばかり辛く寂しい時期でした。でもこのとき常に自分に言い聞かせていたのは3カ月の辛抱

これまでの経験で3カ月頑張れば新しい環境、仕事に慣れ、そして気づけば友達もできている、そんなものでした。だから3カ月頑張れ。不思議とその通り、春には仕事にもそこそこ慣れ、ランニングも再開、愉快な友達に囲まれスロバキア生活を謳歌していました。

それより辛かったのはスロバキア生活が1年以上過ぎてからのことでした。スロバキア生活にも慣れたはずでしたが、マルツェルに出会い結婚、妊娠し、仕事を辞めることにより、また新しい環境になってしまいました。スロバキアでの私の最初の友達は皆ヒッピーだったので、それはそれは自由なものです。たとえば金曜日の仕事帰りに待ち合わせして遊びに行くと、そこから週末温泉へキャンプに行こう!なんて誰かが言い始めます。着替えと寝袋を誰かが貸してくれ、ヒッチハイクで温泉へ向かいます。温泉と言ったって自然に湧き出た天然温泉で、そのそばに勝手にテントを張り、近くの森から枯れ木を切り出しキャンプファイヤーをします。そんな友人たちでしたから独身時代は良いけれど、結婚してからはマルツェルに遠慮してその友人たちとも疎遠になりました。その後妊娠。初めての妊娠生活でただでさえ不安な気持ちになることも多いのに、妊娠・出産本に書いてあるできないこと色々と、医者や周りの人から受けるスロバキア流のアドバイス、妊娠してできなくなってしまったことが倍もある気分になりました。そんなときにまた愚痴る友達もいなければ、ランニングもできません。このときは本当に辛かったなと思います。冷たい風が吹き荒れ、何もかもが凍てついている外へ気分転換に一人で散歩に行きたいと言い出すあの頃の私を振り返って、あのときは本当にどうなるかと怖かったと何年か経ってマルツェルに言われたことがありました。ちょっとしたことで涙がポロリ、親切な言動も逆効果、気分は余計に滅入る、どうにかしたいけれどどうして良いか全くわからない、そんな日々が続いていました。そんな時、パッと日本にちょっと帰ってしまえば良かったのかもしれませんが、そんなことは思いつきもしませんでした。それで何をしていたかって、ひたすらパソコンに向かい、ちょうどスロバキアで初めて妊娠、出産した方のブログを見つけ、その方のブログや、その他の国で頑張っている人たちのブログを毎日毎日読んでいました。

今では読むことも好きですが、こうして書くこと、発信することも私の精神安定剤のようなものだと気づきました。数週間書く時間が取れないでいるとだんだんイライラしてくるんです。誰かに読んでもらえるのはもちろん嬉しいのですが、誰かのためというよりは今はもうほとんど自分のために書いています。

それで何が言いたいのかというと、もしかしたら私のブログにその頃の私のような気持ちでたどり着く人もいらっしゃるのではないかとふと思ったのです。本当に海外で鬱になってしまったら、日本に気分転換で帰ってしまうか、専門のカウンセラー等に相談するのがもちろん良いと思います。でも私のように誰かのブログを読んで気持ちが落ち着くのなら、読んでくださいね。そして誰かに愚痴をこぼしたくなったら、的確なアドバイスができるかはわかりません、でも話を聞くことはできるので私に愚痴をこぼしてくださいね。PC画面でブログを見ていただくと右側にメッセージを送るボタンがあります。メールアドレスをご記入いただければ、なるべく日をあけずにお返事しますので。

辛い時期があっても必ず道は開けるので、その時の自分にできる、そして自分にあったストレス対処方法を見つけてお互い頑張りましょうね!





4 Comments

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ステキな記事ですね! (Keiichi)
2017-06-08 19:54:28
優しさと思いやりにあふれたステキな記事ですね。
鬱とは違うんでしょうけれど、
私は、「寂しい」という感情ほど危険なものは無いと思ってます。
「寂しい」と思ったとき、誰かがそばにいる、誰かが話を聞いてくれるというのは、心強いですよね!
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Keiichiさん (chihirko)
2017-06-09 18:58:28
ありがとうございます。
そうですね、「寂しい」って危険なものですね。
それを発端に引き起こされるネガティブなことってたくさんありますよね。

セルビアへ行かれるんですね!
ブログ拝見しました。記事もですが、とても素敵なレイアウトですね!
私はその辺りはスロベニアとクロアチアへしか行ったことがないのですがきっと文字は違っても言語的にはスロバキア語とも似たような感じなのでしょうね。
難しい言語だと皆口をそろえて言いますが、私もKeiichiさん同様、文法はそれほど大切ではない(正しい文法が分かればそれに越したことはないのですが)と思っています。こちらの方たちもスラブ系の言語が難しいことは分かっているので外国人が話そうとするだけで好意を持ってくれます。私はスロバキア語の知識は皆無でこちらへきて、もう8年目になります。普段の生活から覚えただけなので6歳の娘に時々聞いてしまうほど、文法はめちゃくちゃ、読み書きは小学1年生よりもひどいほどです。でもコミュニケーションて取れるんですよね。相手の姿勢次第です。嫌な思いをすることも時々ありますが、私が日本人とわかると大概対応も変わります。先人の築いてくれた「日本」というブランドに感謝です。

セルビアでの生活が素敵な機会と出会いに恵まれ、実り多きものでありますように!
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涙! (Kumie)
2017-07-26 15:06:11
一時帰国すると聞き、久々にChihirkoのブログを読ませてもらいました(Facebookを最近あけてなくて、読めていなかったの)。
「何かあったらメール下さいね」という優しさが、どれだけ海外で頑張っている方達の支えになることか
育児や家事、仕事と忙しいのに自分が経験した辛い時期に居るであろう他の人にまで目を向け心を寄り添えるChihirkoの優しさに触れ、泣いちゃった

来月、会えるのを楽しみにしてます
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Kumie (Chihirko)
2017-07-27 05:36:24
ありがとう!
相談にのるとか、そんな大それたものではないんだけど、でも私も誰かのブログを読んで気持ちが落ち着いたりしたものだから私もそういう存在になれたらなと。
ブログ読んでくれてありがとう!
来月会えるの楽しみ!忙しいところ時間の都合つけてくれてありがとう!!
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