スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
(当ブログに掲載している文章や画像など、無断転載することはご遠慮ください)

小学校就学前の知能検査と多言語育児

2017-03-23 | 育児
今日はネルカは小学校見学に行ってきます。幼稚園からみんなで小学1年生の授業を1時間見学しに行くのだそうです。そして来月には小学校入学の申し込みと知能検査があります。ネルカの通う予定の小学校は義母の勤務する地元の公立校、今通っている幼稚園はその付属幼稚園です。

一昨日幼稚園にその知能検査の内容が掲示されていて、自宅で練習するようにと書かれていたそうでマルツェルが携帯で写真に撮ってきて早速家で練習を開始しました。が、そのレベルが以外と高くて驚きました。幼稚園入園前は日本語の方が強かったネルカも、幼稚園に入園したらすぐに逆転し、今はほとんど日本語では話してくれないほど、スロバキア語力に問題がないのがせめてもの救いだなと思うほど、練習問題は全部で38個、私も理解できない質問がありました。

当日は保護者が付き添い、子供数人ずつを面接形式で検査するのだそうです。マルツェルが携帯を見ながらネルカに質問します。

まず始めは「お名前は?」― フルネームで答えます。スロバキアの場合、通常愛称を使うことが多く、子供が名前で呼ばれるのは怒られるときぐらい、案の定ネルカ(これが愛称です)も「ネルカ○○」と愛称で答えています。もちろん、それではダメです。次は年齢、家の住所、そして両親の職業、兄弟の有無など答えます。

その他聞かれる内容はざっとこんな感じでした。

・スロバキアの首都は?
・乗り物の名前を言いなさい
・花の名前、野に咲く花と庭に咲く花を答えなさい
・木の名前
・動物、家畜と野生動物の名前を言いなさい
・動物の家族(例:雄牛、牝牛、子牛等)
・数を数える
・図形(正方形、長方形、三角形、円、立方体、球、円柱、円すい等)
・挨拶
・一週間は何日?
・物語のあらすじを聞き、その物語のタイトルを答える
・物語の悪い登場人物と良い登場人物をあげる
・お父さんかお母さんの絵を描く
・歌、もしくは暗記している詩の朗読
・左右の認知(右手で左の耳を持ちなさい等)
・義母からはネルカの場合は日本語の歌も聞かれるかもしれないから何か考えておきなさいと。

等々です。

一日目は義母の家のキッチンで練習していたのですが、義母はもう黙ってみていられず、マルツェルが質問するとネルカが答える前に先に義母が答えてしまいます。マルツェルは質問の意味をきちんと理解しているか、時間がかかってもネルカからまず答えを聞きたい、でも義母はこういう風に答えれば良いのよ、と解答例をいくつかあげてあげたい。どちらの気持ちもわかるのですが、半ばケンカになっているそのやりとりが傍目の私には面白かったです。

まぁ、日本でも、そしてスロバキアでもきちんと回答できれば良いにこしたことはないのでしょうが、たとえ全部答えられなくても、検査の目的はきちんと受け答えができるかをみることにあるのではないのかと思うので私としてはそれほど心配していません。「はい、いいえ、と大きな声ではっきり言って、質問の意味がわからなかったらわかりませんともう一度聞けば良いんだよ」とそれだけ言っておきました。

ちょうど良い機会なので6歳になったネルカの言語について備忘録兼ねて記録に残しておきたいと思います。

我が家は私は子供たちには日本語のみで、マルツェルはスロバキア語のみで接しています。そして私とマルツェルの会話は英語です。

ネルカは幼稚園に入るまでは私と過ごす時間が圧倒的に長く、一番強い言語は日本語でした。1言語だけで育っている子よりも話し始めが遅かった上、話すときにまず出てくる言葉は日本語だったので入園当初少し心配して幼稚園の先生に問題がないか相談もしましたが、スロバキア語の聞く力も話す力も同年代の他の子供と比べて全く劣ることないレベル、もしくは言葉の遅い子と比べるとだいぶしっかり話す方だということでした。
英語は全く教えても話しかけてもいませんが、私とマルツェルの会話から自然に覚え、この頃はネルカは自分の身の回りに関係する英単語、お風呂に入る、寝る等を理解していました。

6歳になったネルカ、スロバキアで生活し、幼稚園、祖父母、お友達の中でスロバキア語にどっぷりつかり、私が日本語でいくら話しかけても悲しいことに返ってくる言葉はほとんどスロバキア語ばかりになってしまいました。でももちろん私の言うことは全て理解しています。
面白いのは全く教えていない英語を結構理解することです。私とマルツェルの会話を聞くのと、以前英語で見ていた好きなアニメ番組で覚えたようです。英語で会話することはできませんが、私とマルツェルの会話はほとんど全て理解でき(もう内緒話はできません)、英語からスロバキア語への変換も問題ありません。ただし、英語は全くの受け身なので逆のスロバキア語から英語に訳すのはあまりできません。
それにしても私たちの会話を聞いているだけで英語もこれだけできるとは子供の吸収力ってすごいなと感心するばかりです。

さて、幼稚園生活、クラス替え後の後半2年間はクラスメートにも担任の先生にも恵まれず、今でも事あるごとに泣きながら通う日々ですが、小学校生活は楽しい、実り多きものになりますように。


2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (PeachJello)
2017-04-11 05:37:54
はじめまして。
他言語教育されてるんですね!うちは3歳なんですが、日本語を嫌がり、もうあきらめてしまったのでうらやましいです。
返信する
PeachJelloさん (chihirko)
2017-04-13 05:06:45
はじめまして。コメントありがとうございます。
そして読者登録もありがとうございます。
アメリカにお住まいなんですね!うちも下の子は3歳、私との年も近そう、お仕事もされているとは。国は違っても共感することありそうですね。ブログ時々お邪魔します。

お子さん日本語嫌がってしまうんですね。お友達と話す言葉だってそうだし、やっぱり生活する国の言語が強くなってしまうのは仕方のないことですよね。
うちも返ってくる言葉はまったくスロバキア語ですが、私が発音も文法も自信のない英語やスロバキア語で話しかけるのが嫌だったこと、そして話さなくても理解はしてくれることもあり、一方的に日本語で話しています。
でもやっぱり嫌がるところを無理に押しつけたくはないので、日本語で話しなさいと厳しくは言わないし、これから読み書きをどこまで教えていくかも迷うところです。
子供の様子を見ながら(子も親も)お互いストレスを感じずできると良いですよね!
返信する

post a comment