スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
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病気で会社を休んだら絶対に家にいないといけない話

2017-01-23 | スロバキア2017
先週半ばからマルツェルと二人仲良く気管支炎で自宅療養しています。

先週日曜日、マルツェルが39度の熱を出し救急のお世話になりました。39度前後の熱は3日続き、子供たちにうつっては面倒なのと、幼稚園へ連れて行って出社では私が大変だろうからと義父母が子供たちをずっと預かってくれていました。それでも私はマルツェルの食事を作り仕事へ、仕事帰りに買い物をし、帰ってきたら幼稚園へ子供たちを迎えに行き、お稽古へ連れて行き、義父母宅に子供をまた連れて行き、少し遊んでからマルツェルの待つ家へ、と少し忙しい生活を送っていました。ようやくマルツェルの熱も37度ちょっとの微熱と言えるまでにおさまったところで今度は私がやはり39度の熱を出してしまいました。やはり同じく気管支炎でしょう、翌日病院へ行き、抗生物質を処方され一週間仕事は休むようにとの診断でした。先生が書類は出しますか?と聞いてくれたのでマルツェルにアドバイスされた通り発行してもらいます。(ちなみにマルツェルも今この書類をもらって休んでいます)

今日はこの病欠に関するお話です。
先生が聞いてくれたのはスロバキアでは俗にPN-kaと呼ばれる書類で、健康上の問題で就業困難な場合に発行され、この場合会社は有休ではなく病欠扱いに、給料はその月分は減給されますが、その代わり社会保険の方から扶助が受けられます

スロバキアに限らずヨーロッパのあちこちの国で病気で会社を休んだら絶対に家にいないといけないというのを耳にしますが、それってこの病欠のことなんですね。「そんな、ちょっとくらい家から出たっていいんじゃないの?」と初めて聞いたときはそのあまりのまじめさに「大げさな」とおかしく思ってしまいましたが、本当に家にいた方が無難です。なぜなら保険会社の担当官がチェックのため家に来ることもあるからです。

真面目で小心者のマルツェルと私ですから病院から真っすぐ会社へこの書類を提出しに行き、そのまま家に帰って以来、本当に一歩も家から外に出ていません。買い物も、幼稚園の送り迎えも義父母にお願いし、先週も今週も昼夜ずっと気温はマイナス続き、寒い外に出るのも億劫でゴミ捨てにすら出ていないほど本当に家から全く出ていません。それなのに、不覚にも私たち、この「保険会社のチェックに出られなかったかも。。。」とビクビクした療養生活を送っています。

それは先週金曜日の朝8時、玄関のベルが鳴りました。私もマルツェルも病人ですからもちろんベッドで寝ていました。私は前夜寝付きが悪かったので尚更熟睡中、呼び鈴の音に飛び起き、慌ててマルツェルを起こし(マルツェルは耳栓をして寝ていたのでこちらもまた熟睡中)、出てもらいましたが誰もいなかったと。呼び鈴は4回鳴りましたが、それでも呼び鈴の鳴っている内にインターホンに出たのだから誰かいたのならまだマルツェルの声の聞こえる距離にいたはずです。「それなら、マンションに広告配布に来た人とかじゃない?(その人たちは手あたり次第に誰かにオートロックのドアを開けてもらえるまで鳴らすので)」と軽く流す私に、郵便受けまで確認しに行き、「郵便受けにも何も入っていなかった。保険会社の人かもしれない」と不安な顔のマルツェル。今だかつて周りに実際保険会社のチェックが来たという人の話は聞いたことがありませんが、チェックに来るのは本当にあり得ること、マルツェルがネットで検索すると、保険会社の人は不在届けを郵便受けに入れることもあればいれないこともあるとのこと。

保険会社がチェックに来たときに家にいなかった場合、扶助が受けられないのはもちろんのこと、罰金や解雇なんてこともあるそうで、家でのんびり休養するはずのところなんだか気は晴れず、モヤモヤと過ごしています。保険会社の人ならばピンポンダッシュのようなことなどせず、呼び鈴を鳴らしてもだめなら、電話するとか、せめて郵便受けに通知を残すとか何かしてくれても良さそうなものというのが私の見解ですが、私の感覚はあくまでも日本人ですからね。一体私たちを一気に不安な気持ちにさせたあの呼び鈴の正体は誰だったのでしょう。

保険会社のチェックに加え、私においては「体調が良くなったら家からでいいので仕事してくれ」と上司に言われ今日から自宅で仕事もしています。「家からでいいから」と一見親切に聞こえますが、家にいる間は病欠でその分しっかり減給中ですから、すなわちタダ働きです。
なんだかねぇ、病気のときくらいゆっくり休ませてくれれば良いのに・・・と思わずにいられないのは私だけでしょうか。

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