真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

中国の古文書で隕石落下による死者の記録を調べたJPL(ジェット推進研)研究者の1994年論文をよむ

2009-06-15 | 読書-歴史
以前、隕石の本で読んだ「昔々、中国で鉄の雨が降って死者多数」の話がたいそう印象深くて、ブログに2回も書いてしまったので、もう少し確かめずにはいられなくなってね(笑)。
白髪三千丈の類でしょう、なんてことになるのか、ならんのか。。。

データベースは素晴らしい!!
The SAO/NASA Astrophysics Data System

こういう論文がないかな?と思っていた通りのものが!
Meteorite falls in China and some related human casualty events

Authors: Yau, K., Weissman, P., & Yeomans, D.
Journal: Meteoritics (ISSN 0026-1114), vol. 29, no. 6, p. 864-871
1994年の論文ね。中国系らしき研究者がリーダーで、中国語の原文にきちんと当たっているようだし。

専門用語というほどのことはないし、数式は最小限しか出てこないし、中国の地名の英字表記は検索すれば分かるし(雰囲気でも分かるし)・・・ということで、モンガイカンにも読みやすい!
(高校で世界史をインチキ履修した向きにはちょっと辛いかも?)

以前挑戦したこれ(Science 1980年6月6日号の歴史的論文!)は大変でしたけどね。
サイトの由来にも関わるところであるので意地で読んでみたが:Extraterrestrial_cause_for_the_cretaceous-tertiary_extinction
雰囲気(フインキでないぞ)味わっただけ。

閑話休題、867ページの表1が人的被害(の、記録)。
616年隋代、賊軍某の陣地に落下、城壁攻略用の塔(攻城塔というの?)が倒壊して死者10名以上
というのが記録された最古の死者。
でも、これは落下物に直撃されたのではなく、間接的なのよね。
正史なもので、日付や叛乱者氏名まで明記されていて信頼性は高い由。

1341年?(1321~1361年など各種史料でばらつきあり)雲南省
鉄の雨で云々とは、このことね、たぶん。
正史でなくて地方史の記載なもので、発生年や落下場所など、文書によって何通りかあり、正確なところは不明だが、ひとつの出来事についての記載が年を経るにつれて写し間違いなどでばらけてしまったのだろう、と推測。
白髪三千丈だろうが、と一笑に付すわけにはいかない?

ははあ、各種英語サイトの記載は、この論文がネタだな!
1490年山西省で1万人以上または数万人が犠牲に、ってほんとかよ。
ほかに、家が倒壊して農民一家が犠牲に、などの例はあるようだ。

つづく

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