海の地政学―海軍提督が語る歴史と戦略
スタヴリディス,ジェイムズ【著】〈Stavridis,James〉/北川 知子【訳】
価格 ¥2,376(本体¥2,200)
早川書房(2017/09発売)
目次
第1章 太平洋 すべての海洋の母
第2章 大西洋 植民地支配のはじまり
第3章 インド洋 未来の海洋
第4章 地中海 ここから海戦は始まった
第5章 南シナ海 紛争の危機
第6章 カリブ海 過去に閉じ込められて
第7章 北極海 可能性と危険
第8章 無法者の海 犯罪現場としての海洋
第9章 アメリカと海洋 二一世紀の海軍戦略
Dean James Stavridis - Faculty Profile | Tufts Fletcher School
Admiral James G. Stavridis - Navy.mil Leadership Biographies
苗字がね、ギリシャ系っぽいでしょ。
His paternal grandparents were Asia Minor Greeks, born and raised in Western Anatolia, who emigrated to the United States.
ということでした。なるほど。
足立 真穂さん評
奥山真司氏による解説を特別公開!
TED「海軍大将が考えるグル―バルな安全保障のすがた」
もう絶賛の嵐で。
ロバート・カプランも、各地を歩いた時の話が出てきて臨場感があってよいが、いち旅行者としてのもの。
スタヴリディス提督は、若手の、それこそ士官候補生時代の思い出から、駆逐艦の艦長時代のエピソードから、四つ星の提督(海軍大将のことね)としての経験やら、圧倒的。
すばらs。
なぜ、すばらしいにならないかというと、翻訳はレベル高くて結構なのだけれど、海軍軍人の階級の表記が残念な箇所が散見される件ね。
commander(CDR)は中佐なのに、全部「司令官」にしてしまう。
「海軍少佐」Lieutenant Commander(LCDR)をちゃんと訳しているのに、中佐Commander(CDR)だけ「司令官」にしてしまう不可解さ。
U.S. Navy: List of Ranks, Insignia, and Pay Range
提督になってからの、どこかの司令官(担当役員みたいなものと、現代日本人向けに説明しておこうかね)としてのケースもあるが、
初めて駆逐艦の艦長になったときに(106ページ~)、スエズ運河の水先人にチップをケチってむくれられて…というくだりなど、明らかに中佐という階級としてcommanderと書いてあったはずなのに(ここから管理職という感じだわね)、「司令官」にしてしまっており、意味が通じないぞ。
もしエジプト人の水先人の言うとおりに操艦していたら座礁していたはずで、そうなったら海軍中佐だった自分は退役して民間人になって別の人生を歩んでいた云々という回顧で、「海軍司令官」にしてしまう。
また、その時、正確な航路を提示してくれた航海長(当時、大尉)は、後年ペンタゴン勤務となり、9/11テロの際には著者に呼び出されていて国防総省ビル内の別の部屋に行っていたおかげで旅客機突入の難を逃れた(所属部門の部屋では死者が出た)というくだりも、「チャドウィック司令官」ではなくて、中佐(または少佐)が正当だろう。たぶん少佐。
~ちょっと修正~
准教授だけど、教授と表記してしまうことがあるのと同様に、LCDR(少佐)だけど、 Lieutenantを省略してCDR(中佐)と表記することあるからね。
USSフィリピンシーの副長当時のチャドウィク少佐
Captain Robert B. Chadwick II
USS BARRY (DDG 52)乗組み、砲術士官から、スタヴリディス艦長(中佐)のもとで航海長ね。
巻末謝辞でお礼を言われている、手伝ってくれた「司令官」のジェレミー・ワトキンスや、30年来の友人で同僚のビル・ハーロウ「艦長」も、それぞれ中佐と大佐だろう。
この人だろな。
Bill Harlow (born May 30, 1950) is a Retired Navy Captain, author, and public relations specialist.
スタヴリディス,ジェイムズ【著】〈Stavridis,James〉/北川 知子【訳】
価格 ¥2,376(本体¥2,200)
早川書房(2017/09発売)
目次
第1章 太平洋 すべての海洋の母
第2章 大西洋 植民地支配のはじまり
第3章 インド洋 未来の海洋
第4章 地中海 ここから海戦は始まった
第5章 南シナ海 紛争の危機
第6章 カリブ海 過去に閉じ込められて
第7章 北極海 可能性と危険
第8章 無法者の海 犯罪現場としての海洋
第9章 アメリカと海洋 二一世紀の海軍戦略
Dean James Stavridis - Faculty Profile | Tufts Fletcher School
Admiral James G. Stavridis - Navy.mil Leadership Biographies
苗字がね、ギリシャ系っぽいでしょ。
His paternal grandparents were Asia Minor Greeks, born and raised in Western Anatolia, who emigrated to the United States.
ということでした。なるほど。
足立 真穂さん評
奥山真司氏による解説を特別公開!
TED「海軍大将が考えるグル―バルな安全保障のすがた」
もう絶賛の嵐で。
ロバート・カプランも、各地を歩いた時の話が出てきて臨場感があってよいが、いち旅行者としてのもの。
スタヴリディス提督は、若手の、それこそ士官候補生時代の思い出から、駆逐艦の艦長時代のエピソードから、四つ星の提督(海軍大将のことね)としての経験やら、圧倒的。
すばらs。
なぜ、すばらしいにならないかというと、翻訳はレベル高くて結構なのだけれど、海軍軍人の階級の表記が残念な箇所が散見される件ね。
commander(CDR)は中佐なのに、全部「司令官」にしてしまう。
「海軍少佐」Lieutenant Commander(LCDR)をちゃんと訳しているのに、中佐Commander(CDR)だけ「司令官」にしてしまう不可解さ。
U.S. Navy: List of Ranks, Insignia, and Pay Range
提督になってからの、どこかの司令官(担当役員みたいなものと、現代日本人向けに説明しておこうかね)としてのケースもあるが、
初めて駆逐艦の艦長になったときに(106ページ~)、スエズ運河の水先人にチップをケチってむくれられて…というくだりなど、明らかに中佐という階級としてcommanderと書いてあったはずなのに(ここから管理職という感じだわね)、「司令官」にしてしまっており、意味が通じないぞ。
もしエジプト人の水先人の言うとおりに操艦していたら座礁していたはずで、そうなったら海軍中佐だった自分は退役して民間人になって別の人生を歩んでいた云々という回顧で、「海軍司令官」にしてしまう。
また、その時、正確な航路を提示してくれた航海長(当時、大尉)は、後年ペンタゴン勤務となり、9/11テロの際には著者に呼び出されていて国防総省ビル内の別の部屋に行っていたおかげで旅客機突入の難を逃れた(所属部門の部屋では死者が出た)というくだりも、「チャドウィック司令官」ではなくて、中佐(または少佐)が正当だろう。たぶん少佐。
~ちょっと修正~
准教授だけど、教授と表記してしまうことがあるのと同様に、LCDR(少佐)だけど、 Lieutenantを省略してCDR(中佐)と表記することあるからね。
USSフィリピンシーの副長当時のチャドウィク少佐
Captain Robert B. Chadwick II
USS BARRY (DDG 52)乗組み、砲術士官から、スタヴリディス艦長(中佐)のもとで航海長ね。
巻末謝辞でお礼を言われている、手伝ってくれた「司令官」のジェレミー・ワトキンスや、30年来の友人で同僚のビル・ハーロウ「艦長」も、それぞれ中佐と大佐だろう。
この人だろな。
Bill Harlow (born May 30, 1950) is a Retired Navy Captain, author, and public relations specialist.