真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

『国をつくるという仕事』~泣く副総裁、退職後に読者を泣かせる

2009-10-25 | 読書-現代社会
『国をつくるという仕事』
西水 美恵子【著】
英治出版 (2009/04/20 出版)

国を食い物にする稼業(家業でもあったりして)のからくりを暴き、貧困に起因する人々の苦しみを救うために戦うなかで、リーダーとは何かについて深く考える事例に多く遭遇した著者・・・。

当局者や地方の幹部に会うだけでは実情は分からない。
NGO関係者などの手引きで一般家庭にホームステイし、女たちから話を聞くと、実に色々なことが分かるという。

勇ましい!とても勇ましい。
でも、大丈夫?
というのは、統治機構側には都合の悪いことも見出され、結果として地位を追われたりする人(腐敗していた人、ということになるが)が出ることもあるのでは?

「国体が維持できなければお金は戻ってきませんので、世銀職員には、国体持続の判断が求められます。」ということで、国までひっくり返してしまうわけではないが、「どうかひとつ穏便に」と望む気持ちが統治機構側には強いのではないか。

腐敗を暴かれる可能性があるようならば、物理的にそれを防ごうと考える人も出てこないだろうか。
世銀職員に危害を加えたら加害者側も無事では済まない、という後ろ盾が周知されているので大丈夫、ということ?

西水女史の退任後も、スタッフは同じように草の根の声をくみ上げて融資政策に生かしているのだろうか?
翻って、日本の機関の場合、どこまで草の根の声を聞いているのだろうか?

こんどその筋に訊ねてみようかな。
「もちろんしっかり聞いているよ」というのだろうな。

著者の講演: 「ブータン王国に学ぶリーダーシップの形」
(平成18年10月10日学士会館における講演の要旨)

西水美恵子 - オーディオ・アーカイブ

本書について:
「水際だって」すばらしい一冊、と小飼 弾氏2009年04月06日

今年はまだ8ヵ月以上残っていますが、本書を読みおわったとき、本年のベスト1を予感させる感動を覚えました浅沼ヒロシ氏2009-04-15

ブータンについて:
GNHがブータンで生まれた背景 気候風土、隣国の存在、そして宗教 
~最近訪問されたという伊藤洋一氏

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