も う ん た い ん 。

かつてはRCレースの楽しさを発信するブログでした。次は何についてのブログが良いか、ご意見募集中です。

RC Tips No.001【バラセルの組立】

2007-04-09 00:35:05 | RC Tips & Column


- R/C TIPS -
【 File No.001 : バラセルバッテリーの組み立て方 】

 新たにTips系のカテゴリを立ててみることにしました。ここでは電動RCカーというジャンルにおける汎用的な事項を扱っていく予定です。今回取り上げるトピックはバラセル。ストレートパックのバラしから組み上げまでを、以下で解説していきます。



   まずはバラセルを組み上げるために必要な道具の説明から。作業を進めるに当たり、最低限用意しておきたいものが左の写真です。真ん中に位置するのが6本のセルですが、これは元からバラで販売されているもの。パックバッテリーを組み直す場合は、まず中身を取り出して写真と同じバラバラの状態にする作業が加わります。続いてはハンダハンダゴテ。値段・品質にはピンキリあるようですが、私が使用しているのは100円ショップの模型工作用
ハンダと60Wの太陽電機産業製こてです。ハンダなどは私にいい悪いの区別などつくはずもありませんので、取りあえず『くっつけばいいや』といった感覚ですね。

 一番上に写っているものは組み立てジグという補助具で、ハンダ付けの際はこれにセルを立てて作業を行います。入手しやすいのはEAGLE RACING製のものでしょう。ホビーRCカーで用いられるセルは大抵SUB-Cというタイプなのですが、このSUB-Cにも大きさが2つあります。基本的にはニッカド / 容量3600mAh以下のニッケル水素が通常セル、容量3700mAh以上のニッケル水素がラージセル…と覚えておきましょう。組み立てジグもこれらサイズごとに用意されているわけですが、私はラージセル用だけを持っていれば十分だと思います。両者の大きさの違いはわずかですので、通常セルにラージセル用のジグでも作業は問題なく進められますよ。

 お次はシャンテ(バッテリーバー)。ハンダごての真横に並べてある金具がそれで、これとハンダを使ってセル同士を接続します。バラセルを購入した場合はこのシャンテもセットされていることが多いようですが、なければ別途RCショップで購入する必要があります。最後にケーブルコネクタですが、これらの使用はマシンへの搭載環境に拠ります。ケーブルが不要な場合もありますし、2ピンヨーロピアンのどちらのコネクタを使うかは、ユーザーの好みで決めてしまえるケースも多いでしょう。





   それではストレートパックの分解作業について説明していきます。外装のパックにカッターを入れてシュリンクを破り剥がす際、注意したいのはセル本体に傷をつけないようにすること。パック中央、横方向に一本の線を入れる感じで切り込みを作り、後はそれに手を掛けて強引に引っ張って剥がしてしまいましょう。

 下の写真は外装パックを剥がし終えた状態のパックバッテリー。この製品はセル本体にもシュリンクがされていますが、特にコストパフォーマンス型のバッテリーの場合は、中のセルに包装が施されていない事もあります。銀色の缶が剥き出しのセルに対しては、ショート防止の為必ず単セル用のシュリンクでパッキングを施して下さい。この手のものはバラすと判別がつかなくなってしまいますので、最後にネームシールを貼って容量だけでも記入しておくことをお勧めします。

 外装パックを剥がせば、次はバッテリー同士を接続している金具を取り除く作業です。薄いバッテリーバーとセルはスポット溶接で接合されており、当然ながらハンダごてを押し当てても外れるものではありません…ではどうするのか? 答えは『力任せに手で引っペがす』です。接合面積は非常に小さい(複数の点です)ので、セルをしっかり握ってゆっくり引っ張れば「ブチブチッ…」と外れてくれます。どちらか片方のセルが取れたら、今度はバッテリーバーをペンチで掴み、もう片方のセルからもバーを除去。あまりせっかちに引っ張ると、バッテリーバーが千切れて端子に残ってしまいますので、ガムテープを剥がす時のような感覚で力を入れていくのがコツです。

 このバッテリバーは薄くて非常に鋭利な為、少しでも油断すると即怪我をしてしまいます。特に千切れて起き上がった状態の先端部は本当に危険。私が初めてストレートパ
  


ックの分解を行った時は、この工程で手を三箇所も切ってしまいました。快適にお風呂に入る為にも、作業は慎重に行ってください。




   やっとセルがバラバラになりました…が、もう一つやることがあります。左上の写真はバッテリーバーを外し終えた直後のセル。これはまだ比較的うまく引き剥がせている方なのですが、それでも溶接部分が突起となって残っているのがおわかり頂けるかと思います。このままハンダ付けをしてしまうと、走行中の衝撃で外れてしまう危険性が高くなるのです。突起が邪魔になって端子とシャンテの接触面積が小さくなってしまい、ハンダがキッチリ踏ん張れなくなるのがその理由。仕上げはこの突起の除去作業となります。

 基本的にはヤスリでガシガシ削れば良いわけですが、ここで是非ともお勧めしたいのが電動リューターです。鉄切削用のビットを用いて作業をすれば、1セル当たりの所要時間は1分にもなりません。安物であっても作業のはか
どり方が大きく変わって来ますので、楽をしたければ手に入れておきましょう。

 処理後の写真も一緒に載せておきます。仕上がりが汚く見えると思いますが、ここは手で触って突起が感じられなくなればそれで十分です。神経質にならず、ザクザクと終わらせてしまって問題ありません。


 やれやれ…これでやっとこさ組み立てに入れます。ジグにセルを+-があべこべになるように差し込み(写真の"3300"の文字が互い違い)、端子間をシャンテで接続してゆく作業です。予め両の端子にハンダを薄く載せておき(ハンダメッキ)、それからシャンテを置いて本付け。こて先を長時間当てるとセルが熱を持ち過ぎて壊れてしまいますので、うまく行かない時は少し時間を空けて再トライした方が良いと思います。作業中はシャンテもかなり熱くなります  
ので、位置補正はペンチなどを上手く使っていきましょう。6セル全てをシャンテで繋ぐ場合、必要なシャンテの本数は5本となります。

 コネクタやケーブルの有無など、最終的なバッテリーの形態がユーザーのマシン環境によって変化することは既述した通り。トップの写真は二駆バギー向けにこしらえたもので、コネクタは利便性の高い2ピンタイプを当てがっています。一方、右のバッテリーは振り分け(3+3セパレート)搭載のTRF501Xに対応させており、コネクタはフレキシブルに取り回せるヨーロピアンタイプです。この他L字シャンテを用い、ESCから来たケーブルを直接ハンダで接続してし  
まうようなやり方も存在します。これは手間を惜しまないエキスパートな方々が好むパターンですね。基本的にパフォーマンスの追求と簡便性は相反する要素ですので、どの辺りで妥協するかは各々の判断となります。

 完成したバッテリーは必ずバッテリーケースに入れて保管して下さい。マシン搭載時以外は、このケースがストレートパックでいうところの外装シュリンクとなります。裸のバラセルバッテリーは端子が剥き出しの危険物。セル同士を接触させないよう、取り扱いには常に注意を払うようにしましょう。





 バラセルバッテリーは出力の向上だけでなく、セルのケア・保護の面から見ても優れた点を持っています。しかしメリットばかりというわけではなく、扱いそのものにはかなり気を使っていかなければなりません。導入を検討の際はよく下調べを行い、本当に自分に必要なものなのかを十分考えてから手を出すようにして下さい最後にそんな締めはないだろうとも思いましたが、まぁ一応…



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3 コメント

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逆でした…。 (jazz)
2007-04-25 00:30:13
満充電状態のほうがよかったとは…。しっかり放電しきったあと50~60%充電してほっておけばよいと思ってました。自分はまだまだ勉強が足りませんね。
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リポ!! (ふ~ぢぃ)
2007-04-20 22:59:56
 こんばんは、ご無沙汰しております(更新せな…)。

 リポには私達も魅力を感じています。何せ我等は揃いも揃ってブラシレスのレギュ違反集団ですので、今更二の足を踏むこともありません(笑)。セパレートのやつ出ーへんかなーって、友人Tともいつも言ってますよ。


 ニッ水の管理方法ですが、長期に渡って使用しない時は満充電状態にしておくことをオススメします。本当にノロノロ走行になるまで使ったバッテリーの場合、6本のセルの中には必ず絞り切られてしまっているものが存在します(一つとは限りません)。このセルが長期の放置による自然放電で転極を起こして死んでしまいます。パワー重視のRC用二次電池は、民生用のような扱いやすさは考慮されておりませんので、自己放電率がとっても高いんです。本当に次いつ使うのかわからないような時は、いっぱいに充電して冷暗所に保管するようにして下さい。特にヤバイのは夏場。温度が高いと自己放電率も上昇しますので、万全を期すなら…冷蔵庫に入れてしまいましょう。
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バラセルはエキスパートの証。(笑) (jazz)
2007-04-18 01:57:56
お久しぶりです。しばらく訪問していない間にデザゲ+バラセル特集・・・まとめて拝見させていただきました。
バラセルにしないと501に乗らないですしね。
自分もバラセルにしたかったのですがNIMHは自分には向いていないようで…仕事柄、出張が多くて家に帰ると大体バッテリーが一本死んでるんですよね…(泣)というわけで自分はリポにスイッチしたのですが、バラセル対応のマシンは一切扱えなくなってしまうという罠…。3セルの大きさくらいで2つに分かれているようなバッテリー出ないですかねぇ。
ともかく、バラセル専用マシンを買ったらいつかはそうしないといけないわけで。NIMHバッテリーの上手な長期保存の方法ってわかりますか?教えていただければと思います。
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