- プ ラ ク テ ィ ス レ ポ ー ト -
< 第 10 回 - SIDE:B > 2007_1209
前回は初めての突撃となった和歌山・TMサーキットの概観をお伝えしました。今回も引き続き、その遠征の模様をお送りしたいと思います。後編ではサーキットのレイアウトやコンディション解説に加え、走行時の模様も詳しく見ていくことにしましょう。一見フラットに整えられていると見えたコースも、走らせてみれば中々の手応えで十分に楽しめました。
この日の空は午前中のほんの一時以外、ずっと一面に雲が広がっているような状態。屋根があるのはピットだけですから、やはり何よりも恐いのは降られることなんですが、今回はなんとか予報通りに持ってくれたので助かりました。こちらとしてはお祭り並みの盛り上がった気分で行っているのに、そんな形で水を差されてしまうのはイヤですからね。
それでは早速、コースレイアウトの紹介から進めてゆきましょう。構成そのものに大きく目を引く点はありませんが、土だけは比較的珍しいと思われる性質のものが敷かれており、それがそのままこのコースの特徴と言えそうです。
【奇をてらわないオーソドックスな構成】 右の写真は操縦台から撮影したコースのスナップショット。上から順に右側、真ん中、左側を納めたものですね。全体のイメージを把握しやすいgifアニメも用意しましたので、併せて参照されたい方はコチラをクリック。このオフロードコース、実は我々が訪ねる二日ほど前に大規模な改修を受けていたようで(TMサーキットの店長さんブログからキャッチ)、そういう意味ではかなり良いタイミングで走らせてもらったのではないかと思っています。ザッと見た感じでは直近の加西T&Tサーキットと同じく、中~高速域での走行帯が目立つレイアウトですね。敷地としてはかなり横長な印象で、奥行きは加西の半分程度しかないかも。コースウォールはよく見る軟質の樹脂製ホースですので、よほど激しい接触でもしない限り、マシンが壊れてしまうことはないでしょう。 ジャンプ台は盛り土をした小さなものが4つ、ホームストレート中のテーブルトップタイプ(写真中赤丸をつけた箇所)が1つの計5台です。この内のテーブルトップに関しては直後に長いストレートが控えているため、派手に跳び越えるよりは向かいの斜面に落とし、素早く加速モードに入った方が速そうな感じ。ただそれだと面白みには欠けますので、あえてマシンを粉々にするくらいの勢いで踏み切る |
【難易度を左右するもう一つの要素とは】
目で確認するだけではわからないこのコースの難しさは、先にも触れた特異な性質の土にあります。文章では現しにくいのですが(路面のアップ写真も撮っていません…)、土というよりは長微細な軽石のようなものが敷かれている感じなんですよね。○協に勤める友人Tは『苗の生育に使われる培養土みたい』と言ってました。ただオーナーさんの話ですと、使われているのは運動場のものなどもミックスされたブレンド土だとのこと。色は加西に比べるとかなり灰色っぽい感じで、これも軽石の類を想像させる一因となっています。…でですね、結局それがナンだという話になるのですが、つまりはアレです、この土がどうにもグリップしないという事が問題なんです。路面のμが極端に低い状態では、このコースの各所にもあるような中速コーナーで車体の安定を保ち続けるのが大変。掲載写真には所々、水色の矢印が書き込まれていますが、これらはいずれも上記の説明に該当する中速コーナーとなります。特に私の501Xはフロントワンウェイ仕様ですので、こういったポイントでは加速も減速も簡単には出来ないところがツライ。二駆のアルティマを持参していた友人Tは私以上に苦戦していました。
加西に行った時は次のレースを見据え、それなりに練習の方針なども考えていたりするのですが、今回のような遠征時であれば、そんな細かいことに捉われることもありません。まぁ早い話が楽しんだ者勝ちということで、気の赴くままにやりたいことをやってきました。
【遠征時には必携の『あの』タイヤが今回も活躍】
まずは様子見ということで、前後ともチビり気味の二軍タイヤを装着して走り始めます。路面の性質を見て大体の予想はついていましたが、さすがに全くお話にならない滑り具合で、真っ直ぐ走るのも難しいような状態。たまらず数周で引き揚げ、リアを ボウタイ M3 に換装します。このボウタイ、加西で走らせている分にはあまり出番の回ってこないタイヤなのですが、遠征に出る時はとりあえず持って置いた方が良いかな~…と思わされるものの一つですね。しまりのない路面に対してはかなり広く適応性があるようなので、今回も保険のつもりでキャリアーに入れておいたのです。走らせた印象ではTMとの相性も悪くはなく、結局この日のリアタイヤはずっとこのままでした。友人Tはロッシ系のタイヤも色々と試していたようですが、最終的にはやはりボウタイがいいという結論になったようです。
一方のフロント。機体の挙動バランスとしては、フロントのグリップはむしろ多少甘い方が操縦し易い感じでした。後半はちゃんとピンのあるホールショット M3に交換してみたものの、つんのめっ
たような動きが出るため一概に良いとも言い切れません。感覚的にもピンのないタイヤの方が、わかりやすい大きなミスは少なかったように思います。 【シークレットシューズの様なパーツを投入】 中盤から気まぐれで装着したのが、J CONCEPTSよりリリースされているオフセットスプリングカップです。私はダンパースプリングにRC-10B4用のものを流用しているのですが、特にフロントはスプリングの全長が短い為、実用的な車高を得るためにリテーナーをかなり下げる必要がありました。しかしこの状態ではシリンダーにダンパーブーツを深く履かせることが出来ず、下手なつけ方ではすぐにブーツがズリ落ちてしまうので困っていたのです。今回交換したカップは、ストローク量を変えずにスプリング座位置を上げてくれますので、その分だけリテーナーも上に戻すことが可能。やたらと下に降りたリテーナーはビジ |
【交換をケチったツケを払わされる】
ちょっとしたトラブルもありました。6パック目の終了間際、駆動系が突如ロックし、ブレーキを掛けたかのように急停止して動かなくなってしまいます。原因はかなり意外なところで、ボールデフのプロテクトシールが大きく破れてめくれ上がり、他パーツに干渉したことで起こったものでした。この日は走行開始直後より、アンダーカウルの損傷箇所(コレです、第12回を参照)から内部に砂がワサワサ入ってきてウンザリしていたのですが、この一件はその砂が引き起こしたトラブルと考えるのが自然でしょうね。新しいプロテクトシールを貼り直す為だけに、ボールデフを降ろすという作業は欝でした…。シールの保護を失ったボールデフ本体もジャリジャリでしたし、何だかトホホな感じです。
それにしてもアンダーカウルの傷に関しては、加西では全然問題がなかったため油断していました。穴が開いていても砂の入りにくい場所なんだろう…などと勝手な解釈をしていたのですが、この日は入り放題だったところを見ると、実際は状況に拠りけりのようです。う~ん、そろそろ取り替えようかな…。
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いやぁ、今回も楽しい遠征でした。距離的にかなり近いことを考えれば、現地のオフロードブームを加速させる為にも、これから積極的に足を運んで行きたいところですね
TRF501X |
※重量はバッテリー(IB3800バラセル:420g)を含む全備重量
京商 KYOSHO アルティマ ULTIMA RB5 DF-03 ダークインパクト DARK IMPACT キーンホーク KEEN HAWK アバンテ AVANTE DF-02 グラベルハウンド GRAVEL HOUND ライジングストーム RISING STORM DT-02 MS ファルコン FALCON サンドバイパー SAND VIPER デザートゲイター DESERT GATOR スーパーファイターG SFG