セスタバジカ Cesta Basica

「基礎的なバスケット」という意味のポルトガル語。
ブラジルでは「日常生活を送るための必需品のセット」を指します。

お年玉のつづき

2009年12月17日 | 日記
お母さんから教えられたこと その2
「信じる」ということ
どんな中にあってもきっと神様が助けてくださる、と信じて疑わない。
そして本当にそうなのだ。

入学に必要なお金がなくて困っていたのに、まさしく娘の高校入学式の日の朝
夜勤から帰ってきたお父さんの手には解雇予告通知が握られていた。
私はその日お父さんとお母さんをお連れして仕事を探しに行ったけど、見つからなかった。
遅くなったので、娘と合流して直接入学式に行くことになった。私も入学金の交渉を高校とすべく一緒に行くことにしていた。
けれど、「ない」と言うのだ。娘が高校に来るまでの電車賃が。

お母さんが近所の友人に電話でお金を貸してとお願いするが、どこからも断られる。
私の知り合いで彼女の家を知っている人は・・・
そうだ!!セスタバジカ配りを手伝ってくれた伊藤さんがいる。
気がついたら電話をしていた。
なんてド厚かましい、今でも思い出すと恥ずかしくて穴に入りたくなる。
けれど、伊藤さんはお金を貸してくれて生徒を駅まで送ってくださった。
だから、入学式に出席する事ができた。本当にありがたかった。

お金の交渉は・・・一部金を払わなければ授業を受けることができないという。
銀行にその額はあるけれど、それをはらうと定期券が買えなくなる。
奨学金も市の支援もいろいろ探したが即必要なお金には対応できない。
方法が見つからず、家に帰ってきた。

友人にこぼす。「一番お金のかからない定時制にも行けないなんて・・・」
友人は言った。「そういうこともあるかと思って基金を作っているの、使ってください。はんこもいらないし返し方も決めていませんから」私はそんな事知らなかったし、もうだめだ・・・と思っていたのでまるで神様の声を聞いているようだった。

元生徒はがんばって遠い道のりだけど毎日高校に通っている。
行く高校などない、と言われたけど
入学式に来るお金もなかったけど、
入学金もなかったけど、こうして通っている。

お母さんは言う。
ひらぁた 神様がちゃぁんと助けてくれる、だから私はなぁんにも心配していない、と。
本当にその通りだと思う。どんな困難な中にあってもあの信じきったお母さんの笑顔が周りを動かしているのだと思う。(ひ)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿