らくがき・澪

澪。
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らくがき・ユールベル

ユールベル。
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名探偵コナン「雨の夜の脅迫者」

事件がないと嘆く小五郎。そんなに事件が好きだとは知らなかったよ。まるでコナンだよ(笑)。事件というより依頼がほしいんですかね。金銭的な問題で。

とか思ったてたら、千葉刑事が助けを求めに。これが正式な依頼なのかどうかが気になるところ。警察としてではなく、個人として来てますもんね。依頼料は払うのだろうか。それとも知り合いのよしみということで、小五郎タダ働き?

千葉刑事の話を聞くと、明らかに美緒さんの策略っぽいと思ったんですが、実際に千葉刑事の立場になると気付かないものかもしれませんね。お人好しだとなおさら。美緒さんは千葉刑事を警察の人間と知って利用したみたいですが、どうして知ってたんだろう。千葉刑事がそういう自己紹介をしたんですかね? それともどこかで刑事として動いているところを見かけたのかな?

殺された被害者が美緒さんの殺意をあえて受け入れたというのは、やっぱり状況証拠でしかないよなぁ。暗くなった画面に映ったのは確かだろうけど、画面を見ていたとは限らないし、気付いても逃げる余裕がなかっただけかもしれないし。

被害者が美緒さんに出した手紙。「出所したら挨拶させてもらう」ならまだわかるけど、「出所したらきっちり挨拶させてもらう」だと、普通はお礼参りだと思うよな…。もし美緒さんに本当のことを話そうとしたのなら、濁す感じではなく、もう少しわかりやすく書けばよかったのに。いや、他の部分はどう書いてあったかよくわからないけれど。千葉刑事が読んでも脅迫だと思ったくらいなんですよね。

この事件は、コナンが解決しなくても、警察がそのうち解決できてたでしょうね。いろいろ計画が粗すぎる。調べればいくらでも物的証拠が出てきますよね。マスクもサングラスもそうだし、車もそうだし。

千葉刑事がやたら美緒さんの肩を持っていたのがちょっと気になったというかヒヤヒヤした。うん、わかってますよ。単にお人好しなだけということは。でも、刑事としては私情を挟みすぎて冷静になれていない感じだし、初恋の彼女がいるのにと思うとなんかモヤモヤしてしまってね。

▼名探偵コナン アニメ感想等
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らくがき・レイチェル

レイチェル。
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らくがき・澪

澪。
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「東京ラビリンス」第26話・翻弄

「そう……」
 さして広くなく、必要最低限のものしかないシンプルな部屋。
 その端に置かれた清潔そうなシングルベッドに、誠一は遥と並んで腰掛け、出来うる限り主観を交えず今日の出来事を話した。しかし、彼は溜息まじりに相槌を打つだけで、特にこれといった反応を見せることなく、ただ無表情で前を見据えるだけである。
 本当に話して良かったのだろうか――。
 何があったか教えてほしいとせがまれたので、ありのままを話したが、この判断が正しかったかどうか自信はない。しっかりしているとはいえまだ未成年だ。妹は殺人犯に攫われて行方不明、母親は警察に追われて逃亡中、父親は警察に囚われの身という状況で、平気であるはずはないだろう。そのうえ、頼るべき保護者代わりの悠人が、あのような状態になってしまったのでは――。
「僕ではダメなんだよね」
 遥はどこか遠いところを見つめ、独り言のようにぽつりと呟いた。その声にも表情にも悲壮感はない。だが、言葉はひどく思い詰めたもののように感じられた。
「遥……」
「心配しないで。どうすればいいか考えてただけだよ」
 遥は天井を仰いだ。
「師匠が望むなら、僕は澪の代わりでも何でもやるつもりだけど、ニセモノなんかじゃ何の慰めにもならないよね。顔や背格好が似てたって肝心なときに役に立たない。それどころか、澪そっくりの澪じゃない人間がそばにいたら、余計につらく感じてしまうかもしれない。難しいよ……」
 淡々と心情を吐露すると、遠くに向けた目をそっと細める。彼のもどかしさ、やりきれなさ、そして隠しきれない寂しさが、その言動の端々から滲み出ていた。誠一は胸を衝かれ、掛けるべき言葉を見つけられないまま口を開く。
「その、あまり無理はするなよ」
「優しいね、誠一は」
 遥はふっと表情を緩めて振り向いた。
 ドクリ、と誠一の心臓は痛いくらいに跳ね上がる。その儚い微笑は、遥がこれまで見せたことのない表情だ。本人は決して認めないだろうが、やはり、だいぶ打ちのめされているように思われる。
「でも、誠一の方こそ無理しないで。もともと誠一には関係のないことなんだから」
「澪が攫われてるんだから関係なくはないだろう。見捨てるような真似は絶対にしない」
 悠人たちとの協力は、誰に強制されたわけでもなく、誠一自身の意志で決めたことだ。もっとも、ここまでの事態になるとは思っていなかったが、だからといって手を引こうなどとは考えていない。
 しかし、遥は難しい顔になってうつむいた。
「そのことだけどさ……誠一は刑事だから言うまでもないと思うけど、人質として生かされてはいても、どんな仕打ちを受けているかはわからない。もしかすると、心も体もボロボロにされてる可能性だってある。それでも、僕は家族だから支えていくつもりだけど……」
 そこで一息つき、続けて低く言葉を落とす。
「誠一にその義務はないから」
「っ……!」
 誠一は頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けた。思わず、彼の方に大きく身を乗り出して訴える。
「義務なんかなくても、俺は……」
「簡単に結論を出せることじゃないよね」
 冷ややかな一刀両断。
 金縛りに遭ったように口が動かない。もし、澪が最悪の一歩手前の状態で戻ってきたら――想像するだけで背筋が震え、身も心も凍りつきそうになる。果たして自分に支えていけるだろうか。無言のまま、シーツに置いた指先にグッと力をこめる。
「今はまだ何も言わなくていいよ。澪が帰ってきてからでいいから」
 遥の声は少し和らいでいた。
 しかし、その猶予の言葉にさえ、誠一は何も答えることができなかった。

 翌日――。
 誠一は定められた時間より幾分か早めに登庁した。だが、部屋の扉を開けると、楠長官はすでに執務机で仕事に取りかかっていた。少しばかり気まずいものを感じたが、あえてそのことには触れずに一礼する。
「おはようございます」
「おはよう」
 楠長官は悠然と挨拶を返し、意味ありげな笑みを浮かべる。
「悠人の様子はどうかね」
「落ち着いていました」
 昨夜、橘家へ戻る悠人に同行したときには、すでに冷静さを取り戻していたようだ。自分に出来ることをやるしかないのだと、自分たちの力で澪を捜すしかないのだと、淡々と前向きな決意を口にしていた。だが、それはおそらく虚勢だろう。何かを必死に堪えるような張り詰めた表情からは、今にも崩れ落ちそうな危うさが見てとれた。
「あの子を頼んだよ」
 楠長官は書類に目を落としながら軽い調子で言う。からかっているのか、本気で心配しているのか、誠一にその真意は汲み取れない。しかしながら、いずれにせよ悠人を放っておくつもりはなかった。無難に「はい」とだけ返事をすると、自席に着き、机に置かれたノートパソコンをゆっくりと開いた。

「南野君」
「はい」
 頼まれた書類を作成していた誠一は、キーボードを打つ手を止めて顔を上げた。
 楠長官はちょうど電話を終えたところのようだ。節くれだった手で白い受話器を戻すと、大きな椅子にゆったりと身を預けて視線をよこす。
「私は、何も意地悪で澪ちゃんを放置しているわけではないのだよ。まだ高校生の女の子に犠牲を強いることは心苦しく思っている。ただ、国の安全を守るものとして優先すべきことがあってね。許すことはできないだろうが、せめて理解だけはしてほしい」
 そういえば、彼はきのうも同じようなことを言っていた。つまり――。
「橘美咲の研究は国の存亡に関わるもの、ということですか?」
「対未確認生物の要として必要不可欠なものなのだよ」
「未確認生物というのは、実験体の女の子でしょうか?」
「今、君に話せるのはここまでだがね」
 楠長官はニッと不敵に笑って切り上げた。が、すぐに真面目な顔になって提案する。
「我々が橘美咲を確保した折には、全力で澪ちゃんを救出すると約束しよう。だから、我々の側につきたまえ。君にとっても悪い話ではあるまい。君の目的はあくまで澪ちゃんの救出であり、橘に忠義を尽くす必要はないのだからな」
「私に何をさせたいのですか?」
「橘美咲を捜索するのに必要な情報収集だよ。その中には、君が私的に得た情報も含まれる」
 きのうと同じ内容の答えだが、幾分か具体的になっていた。
 ここにいる以上、職務として命じられれば遂行せざるをえず、ある程度は覚悟していたつもりである。だが、橘の情報を流すことだけは、どうにか誤魔化そうと思っていた。悠人を、遥を、ひいては澪を裏切ることにもなりかねないからだ。それが、たとえ澪を救うためだとしても――。
 楠長官は見透かしたように言い添える。
「君にも立場があることは理解している。返答は求めない。行動で示してくれればそれでいい」
 誠一はゆっくりと顎を引き、唇を引き結んだ。二重スパイのような真似はしないと、楠長官に籠絡などされはしないと、そう決意したはずの気持ちが徐々に傾いていることに気がついた。嫌悪と期待がせめぎ合う。しかし、いくら考えてみても結論は出せず、現実から逃避するように、ノートパソコンに向かって書類作りを再開する。
 しかし、楠長官の話は続いていた。
「さっそくだが、君にやってもらいたいことがある」
「何でしょう?」
 誠一は再び手を止め、少し警戒しながら尋ねる。
 そんな誠一の様子を楽しむかのように、楠長官は何も言わず、ただ意味ありげな微笑を浮かべていた。

 誠一が楠長官に連れてこられたのは、地下の取調室だった。
 取調室といっても警視庁のそれとは違い、厚いアクリル板で仕切られた、刑務所の面会室を模した作りになっていた。その両側にはそれぞれ見張りと思われる人物が控えている。仕切られた向こう側の中央に座っているのは、澪の父親であり、美咲の夫であり、剛三の息子である橘大地だ。シャツは少々くたびれているが、ヒゲは剃られ、髪も梳かれ、それなりにきちんと身なりは整えられている。彼は、楠長官とともに入ってきた誠一を見るなり、人懐こい笑みを浮かべて口を開く。
「今度はずいぶん人の好さそうな取調官ですね」
 楠長官は仕切りの前に用意されていた椅子に座り、誠一も促されるままその隣に腰を下ろす。そして、にこにこ微笑んでいる大地に、アクリル板を挟んで会釈した。
「彼は南野誠一君と言ってね。澪ちゃんの恋人なのだよ」
「本当に?」
 大地は目を丸くして誠一を見る。
 まさかそんな紹介をされるとは思わなかった誠一は、胸の内で慌てふためくが、この状況で言い逃れるなどとても出来そうにない。額に汗が滲むのを感じながら、消え入りそうな声で「はい」と頷く。それを聞いて、大地は腕を組みながら苦笑した。
「澪に彼氏がいたのも驚きだけど、よりによって公安とはね」
「事件の日までは捜査一課の刑事だったが、引き抜いてきたのだよ」
 楠長官のその補足に、大地は何かを察したようだ。一瞬、彼の瞳に強い光が宿る。
「なるほど、おじさんは相変わらずやることがえげつないですね」
「悠人にも同じことを言われたよ」
 二人はアクリル板を挟んで軽く笑い合った。表面上は和やかな光景に見えるが、実際はそうでもないような気がして、誠一は何ともいえない居心地の悪さを感じる。
「まあ、南野君のことを不憫に思うなら、早く白状してあげることだね」
 楠長官はそう言って立ち上がった。誠一も慌てて立とうとするが、左手で制される。
「後は任せたよ」
「はい……」
 一人ここに残されると思っていなかった誠一は、困惑と不安を露わにするが、楠長官は涼しい顔のまま取調室をあとにした。バタン、と重たい扉の閉まる音が、取調室に冷たく響き渡った。

「南野さん、それでは取り調べを始めましょうか」
「あ、はい……よろしくお願いします」
 誠一はそう言って頭を下げる。しかし、彼の娘と内緒で付き合っていたことを知られたばかりであり、気まずいのはもちろんのこと、どのように取り調べを進めるべきか大いに頭を悩ませていた。相手に反感を持たれては聞き出せるものも聞き出せなくなる。勝手に暴露してさっさといなくなった楠長官が恨めしい。
「澪とはいつから?」
 誠一が逡巡していると、大地は両腕を台にのせて身を乗り出し、好奇心に目を輝かせながらそう尋ねる。まるで友人の恋愛話を聞き出すかのような態度だ。誠一はますます困惑しながらも、今さら隠し立てするわけにはいかず、出来うる限りの平静を装い正直に答える。
「知り合ったのは彼女が中三のとき、付き合い始めたのは高一のときです」
「けっこう犯罪的な感じだよね。まだ何もない、ってことはないんだろう?」
「えっと、その……すみません……」
 誠一は釈明のひとつもできないまま、小さく身を縮こまらせてうつむいた。さすがに冷や汗が止まらない。大地の声に非難めいた色は感じられず、ただ面白がっているだけのように思えるが、実際のところはどうなのか判然としない。一般的にいえば、高校生の愛娘に手を出した男に、良い印象を持つはずはないのだ。
「悠人はこのことを知っているのか?」
「少し前に知られたみたいで……」
「反対してる?」
「はい……」
「だろうねぇ」
 大地はニヤニヤしながら楽しそうに言う。この口ぶりだと、悠人の澪に対する想いは知っていそうだ。彼は父親としてどう考えているのだろうか。やはり悠人と結婚させようとしているのだろうか。いっそ目の前の本人に聞いてみれば――。
 そこまで考えて、誠一はふと我にかえる。
 いつのまにかすっかり大地のペースにのせられていた。これではどちらが取り調べを受けているのかわからない。もちろん娘の恋愛が気になる気持ちは理解できるし、誠実に答えねばならないとも思うが、一刻も早く澪を救出するために優先すべきことがある。
「澪は……澪さんは、正体不明の男に連れ去られたままです」
「そのようだね」
 まるで他人事である。
 誠一は不快感を覚えたものの、理性的な態度は崩さない。
「橘美咲さんの居場所を教えてください。彼女が確保できれば、澪さんを救出することができます」
 それが楠長官との取引であることには言及しなかった。話していいのかわからなかったというのもあるが、どこかしら後ろめたさを感じていたことも否めない。それでも、訊かれれば正直に答えるつもりである。
「南野さん」
「……はい」
 先ほどまでとは打って変わり、大地は真剣な顔になっていた。台の上で両手を組み合わせる。
「君にとって澪がかけがえのない存在であるように、僕にとって美咲は何よりも守りたい存在なんだよ」
「でも、澪さんはあなたの娘ですよね」
「そうだね……僕は良い父親にはなれなかった。澪も遥も可愛いとは思っているけれど、美咲か子供たちかと問われれば、僕は迷うことなく美咲をとるからね。それは、これからも永遠に変わることはない」
 詭弁ではない、と誠一は思った。
 澪から聞いた話では、保護者としての役割はほとんど悠人が担っており、両親とは月に数回会えればいい方という状況だったようだ。それでも澪は両親を慕っているようなので、彼女には言えなかったが、いくら忙しいとはいえ少し異常だと感じていた。大地の愛情が子供に向いていないのであれば、残念ではあるが納得はいく。
「しかし、美咲さんも逃げ続けるのは大変なはずです。いつまで逃亡を続けるつもりですか? この先どうするか当てはあるのですか? 警察は罪に問わないと言っているのですし……」
「南野さん」
 大地の顔つきが険しくなった。
「あの実験を美咲に強要したのは公安だ。最初の何年かは言われるまま実験していたが、次第に反発するようになってね。もう言いなりにはならないと宣言した途端、すべての責任を美咲に押しつける形で捕らえようとする。しかも、僕らの家族を利用するという汚いやり口でだ。そんな奴らを信じられると思うかい?」
 その淀みない説明を聞くにつれ、誠一の鼓動は速さを増していく。
「……本当ですか?」
「証拠は提示できないけどね。どちらを信じるかは君次第だ」
 大地は一呼吸してから続ける。
「とにかく、僕は僕にできる方法で美咲を守る。警察のことは信用していないから、何ひとつ情報を渡すつもりはない。澪のことは……そうだな、君と悠人に頼むよ。勝手を言うようだが救ってやってほしい」
 誠一は眉根を寄せてうつむいた。楠長官も、大地も、まるきり嘘をついているようには思えなかった。おそらく、互いに都合の良いところだけを選んで、都合の良いように脚色しているのだろう。どちらに正義があるのかはわからない。それでも、澪の救出に利用できるものがあれば、用心深く利用していくしかないと思う。
「何か、ヒントだけでもいただけませんか」
「取調官とは思えないセリフだね」
 大地はくすっと笑うと、腕を組んでゆったりと椅子にもたれかかった。
「そうだな……ヒントというより忠告になるが、君は志賀篤史君を知っているか?」
「はい、直接の面識はないですけど、怪盗ファントムの仲間なんですよね?」
「そのことも知っているわけだね」
 彼は口もとを斜めにする。
「公安は彼のハッカーとしての腕を欲しているはずだ。不正を働いた証拠を掴まれれば、警察に拘留され、無理やり手伝わされることになる。僕は橘家の人間だから配慮してもらってるけど、篤史君だとどうなってしまうだろうね? 人生台無しになりかねないよ」
 その忠告には、篤史のハッキング行為を封じようとする意図が感じられた。橘の側であれ、警察の側であれ、篤史がハッカーとして動くことを怖れているのだろう。つまり――。
「それは、美咲さんの逃亡を有利にするために言っているのでは?」
「もちろんそうだよ。でも、言ったことに嘘はないからね」
 大地は悪びれもせずに言う。
「私が……彼を、篤史さんを警察に売り渡す、とは考えなかったのでしょうか」
「君はそういうタイプではないね。それとも、澪のためなら悪魔にでもなれる?」
 彼はゆっくりと頬杖をつきながら、誠一の瞳を見つめ、挑発するように悪戯っぽく問いかけた。
 誠一は膝にのせた手を握りしめる。彼の指摘どおり、おそらく自分にそんなことはできないだろう。報復を怖れているわけではなく、単純にやってはならないと思うからだ。どちらか一方しか助けられないのなら、迷わず澪を選ぶが、今はそういう状況にはなっていない。けれど。
 悠人ならどうするだろう――。
 その疑問が脳裏をよぎった瞬間、手のひらに爪が食い込むほど、握りこぶしにグッと強い力がこもる。小さく震えるそこに、頬を伝ったぬるい汗がぽたりと落ちた。


…これまでのお話は「東京ラビリンス」でご覧ください。

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らくがき・澪

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らくがき・沙耶

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らくがき・アンジェリカ

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らくがき・七海

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らくがき・レイチェル

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名探偵コナン「疑惑のイニシャルK」

真面目で親切で人がよい立野巡査とともに、殺人事件を発見したコナンたち。殺されいたのは大岡さん。血文字のダイイングメッセージは「K」。きれいすぎるので最初は偽装かと思ったけど、そういう話ではなかったです…。

大岡さんは複数の人を恐喝していたらしい。とんでもないやつだけど、なんでみんな素直に払っちゃうかな。大岡さんのやってることも恐喝という立派な犯罪なんだから、逆に脅し返すとか、警察に駆け込むとかすればいいんじゃ。甘いのかなぁ?

殺された前後あたりに訪問したのはどちらも恐喝されていて、なおかつイニシャルKの国分貴和子と小金井克俊。名前にしても、名字にしても、Kなんですね。偶然でこれはすごい…。

でも、それはイニシャルのKではなく警官のKだったと。そうじゃないかとは思ってました。ていうか、立野巡査を最初に見たときからこの人が犯人だと思ってました。ただの端役にしては声が良すぎましたから(そんな理由…)。

差し歯はすごかったですね…。上手いこと帽子に入ってくっついたなぁ…。

真面目で親切な人がああなっちゃうと、残念きわまりないですね。真面目で親切なのは嘘じゃなかったと思うけど、ただの保身に、正義という理由をこじつけて暴走ってのはなぁ。まだ、追いつめられてついやってしまった、という方がましのような。目暮警部の怒りもごもっとも。

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らくがき・サイファ

サイファ。
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「東京ラビリンス」番外編・ボーダーライン2

「おはよう、山田君」
「ん……ああ……」
 自席に座りながら声を掛けてきた澪に、隣の山田はビクリとして曖昧に返事をした。澪とはとても目を合わせられない。しかし、目を伏せるとギプスで固定された右腕が見え、嫌でもきのうの出来事が思い出される。お互いきのうのことは水に流したつもりだが、それでもバツの悪さと気まずさが消えるわけではない。
「あの……」
 澪は机から少し身を乗り出して、おずおずと声を掛けてきた。
「えっと、その、きのうはゴメンね。まだちゃんと謝ってなかったから」
 ほんのり頬を染めて目を泳がせながら、一生懸命に謝罪の気持ちを伝えようとする。山田としては、澪の「お互いさま」という言葉で終わった気になっていたが、よく考えてみれば、自分は謝罪どころかひたすら口を噤んでいただけである。彼女よりはるかにずっと情けない。
「俺も……ごめん……」
「うん、じゃあ仲直りだね」
 澪はほっと安堵の息をつきながらそう言うと、まだ少し頬を染めたまま、きのうまでと変わらない可憐な笑顔を見せた。山田もつられて笑顔になる。もう二人の間にわだかまりは感じられなかった。

 ただ、遥が後ろから仄暗い目で眺めていたことに、山田は気付いていなかった。

「くっそ、片手はけっこう不便だな」
 右腕を怪我したことで、着替えはもちろん、今まで意識せずにやっていたちょっとした動作も、片手では難しいのだとあらためて気付かされた。ズボンのファスナーを上げるのも一苦労である。今も、誰もいない放課後の男子トイレで、ひとり悪戦苦闘しているところだ。
 そのとき――。
 きれいな手がいきなり自分の手を払いのけ、力任せにファスナーを引き上げる。
「橘っ?!」
 山田は驚いて後方に飛び退き、その勢いでガラス窓に後頭部を打ちつけた。
 ここは男子トイレである。当然ながら、そこにいたのは澪でなく、双子の兄である遥の方だ。わかっていても、あまりにも似ているのでドキリとしてしまう。その面差しも、背格好も、きれいな手も、澪とそっくりでまるで女の子のようだった。
「それ以上、怪我しないでよ」
「あ、ああ……」
 窓側に張り付いたまま放心状態で見とれていた山田に、遥は冷たい目を向ける。その表情は、決して澪が見せることのないものだ。山田はゾクリと身体が震えるのを感じた。
「澪に変な期待するのはやめてくれる?」
「えっ?」
 前置きもなく突きつけられた遥の言葉を、山田は理解できなかった。変な期待というのはいったいどういう――不思議そうに見つめ返していると、遥は眉根を寄せ、若干声を低めて直接的な表現で言い換える。
「澪は君のことが好きなわけじゃない」
「そんなこと……おまえにわからないだろ」
「わかるよ。澪は誰に対してもああだから」
 彼の主張は理解したが、山田としては余計なお世話と言わざるを得ない。
「あんな顔で笑って、顔を赤らめて、顔を近づけてきて、あれで好きじゃなかったら何だってんだよ。キ……あのことだって……別に怒ってはないみたいだし。突き飛ばしたのは単純に驚いたからで、嫌がってたわけじゃないだろ」
「へぇ……」
 遥は平坦な声でそう言うと、大きく一歩踏み出して間合いを詰めた。そして、外見からは想像もつかない馬鹿力で左手首を掴み、踵を上げ、互いの息が触れ合うほどに顔を近づける。その肌は雪のように白く、きめ細やかで、柔らかそうで――至近距離で見るとますます女の子のようだ。澪と同様の大きな漆黒の瞳が、瞬ぎもせず自分を見つめている。山田の顔はみるみる熱を帯びていった。
「そんなに顔を赤くしてどうしたの? 照れてるの? 僕のことが好きなの?」
「ちがっ……」
 上目遣いで不敵な笑みを浮かべる遥にあたふたし、思わず後ずさろうとするが、後ろは壁で一歩も下がることはできない。掴まれた手首を振り切ろうとしてもビクともしない。遥はもう片方の手を山田の肩に掛けて、まるで寄りかかるように密着する。そして――。
「!!」
 あろうことか、山田の唇に、彼自身の唇を押し当ててきた。あたたかく、柔らかく、吸い付くような生々しい感触。頭の中は真っ白でもう何も考えられない。
 やがて、そっと唇が離れた。
 拘束されていた手首も解放され、山田はガクガクと膝を震わせて崩れるようにへたり込んだ。そこがトイレであることなど、今の彼には問題ではなかった。倒れかかった上体を支えるように左手を床につく。その手首には、くっきりと指のあとが残っていた。
「少しはわかった? 勝手に好きだと決めつけられて、無理やりキスされるのがどんな気持ちか」
 上から振ってきた声に、山田はおそるおそる顔を上げる。自分をじっと見下ろす遥の眼差しは、蔑みに満ちた冷淡なもので、その威圧感に全身から汗が噴き出すのを感じた。おそらく、これは報復であり警告だ。澪に近づくことは決して許さないという強烈なまでの意志を感じる。それだけのために、体を張ってこんなことまでするのだから――。
 遥は素っ気なく背を向けて去っていく。だが、出入り口の前で立ち止まると、扉に片手をかけて体半分だけ振り返った。
「そうだ、何か不便なことがあったら、澪じゃなく僕に言ってよ。何でもしてあげるから」
 そう言って、まるで挑みかけるようにニッと笑う。
 自分に向けられたその艶然とした表情に、山田は身震いとすると同時に、自然と鼓動が高鳴っていくのを感じた。またしても顔が熱くなっている。しかし、遥はそれに言及することなく、無愛想につれない態度で男子トイレをあとにした。

「わから……ねぇよ……」
 一人残された山田は、トイレの床に座り込んだままぼそりと呟く。
 いつまでも顔が火照ったまま冷めないことが、何とも歯がゆくもどかしかった。


…これまでのお話は「東京ラビリンス」でご覧ください。
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らくがき・澪

澪。
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