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6、シュステル枢機卿の取りつぎ

2018-11-15 20:41:57 | シュステル枢機卿
『シュステル枢機卿 - 模範的な司牧者』カスティリオニ神父・デルコル神父共著

★2、興味ぶかい事件 アルベルト・カスティリオニ神父

◆6、シュステル枢機卿の取りつぎ

 こうして手術室の外で弟が兄の死をつげられていた頃、わたしは、どうだったでしょう。話は手術の2~3日前に戻りますが、ひとりの婦人が、わたしの病室を訪れました。たしか聖ビンセンシオ・ア・ポロ会の方だったと思いますが、名前さえいってはくれませんでした。

 かの女がもってきたのは、その時はすでに帰天していたあのシュステル枢機卿のこ絵だったのです。ご絵の中の枢機卿は、ひざまずいて祈っており、その服から切りとった小さな布の断片が遺物としてはりつけてありました。このこ絵を、わたしに渡しながら、婦人はいいました、

「この方は、よく奇跡を行なうといわれています。神父さまも取りつぎを願われたら、どうでしょう?」

 わたしにとって、このこ絵は何と不思議なめぐり会いでしょう。お目にかかったあの時の慈父のような微笑が、ありありと心によみがえってきました。わたしは、ご絵の裏に書いてあった祈りをよみながら、深い感謝をおぼえ、心の中でこういいました、

「閣下、どうか先生方が、せめてものことに、わたしの病気の原因だけでもみつけだしますよう、かれらを照らしてください」と。


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