カトリック情報 Catholics in Japan

スマホからアクセスの方は、画面やや下までスクロールし、「カテゴリ」からコンテンツを読んで下さい。目次として機能します。

ヴェルシリア司教 カラヴァリオ神父4 回心

2018-08-01 02:13:42 | ヴェルシリア司教 カラヴァリオ神父
『愛と潔白の殉教者 ヴェルシリア司教 カラヴァリオ神父』企画:デルコル神父 文:江藤きみえ 4

 そのうち、まもなく夏休みになって家に帰って来ました。途中まで汽車で、それから先は乗り合い馬車です。「やあ、ヴェルシリア、大きくなったなあ、おまえ今にりっぱな神父さんになるぞ、わしには、ちゃんと分るんだ」と、かれと同じ町の御者はからかいます。「いやなこった!少年は馬車を飛びおりて歩いて帰ります。「あきれた子だ、冗談だよ」と叫ぶ御者の声。

 ヴェルシリア少年の好きなものは、数学と馬です。「ぼく大きくなったら獣医になるんだ」と」口ぐせのようにいう少年のとなりに、ひとりの軍人が住んでいました。りっぱな馬をもっているこの人と、少年は仲よしになりました。馬の世話をしてあげるかわりに乗馬をゆるされたヴェルシリアは、大よろこび。夏休みを馬に乗ってかけまわります。『やっぱり、ぼくの未来は、将校がいい。すてきな馬に乗り、戦場をかけめぐる軍隊の先頭を行くんだ!』と、はてしない空想に胸をおどらせながら・・・

 イタリアでは、10月から新学期が始まります。トリノに帰った少年は、もう中学3年生です。ドン・ボスコも病状が悪化したので、トリノに帰ってきましたが、少年は、まだドン・ボスコの所へはいきません。たとえ行こうと考えても、不可能になっていました。それにしても、ドン・ボスコは、天国から少年の心に話しかけたのでした。中学3年生を卒業したヴェルシリアが、8月には、志願者の黙想会にあずかっているではありませんか!

 あとで、おかあさんの話によると、あんなに軍隊や軍馬のことに心を奪われていたのに、かれは、中学3年の途中で、ドン・ボスコのもとにとどまる決心をしていたのです。

 心の秘密は知るよしもありませんが、その頃学校のそばのキリスト信者の助けなる聖マリアの大聖堂で宣教師の送別会がありました。祭壇の上からドン・ボスコのあとをついだルア神父の話がひびきます。これに全員参加した生徒たちの間から、ヴェルシリア少年の熱い視線が宣教師たちの中のひじょうに若いひとりに注がれていました。

『ぼくもサレジオ会の神父さまになりたい』と、ヴェルシリアの心が思わず熱い決意を叫ばずにいられなかったほど、その人の態度は深い印象を与えました。やっぱり、そのとき、ドン`ボスコが、かれの心に叫びかけていたのです。かれは、以前から信仰に対して熱心でしたが、それからは、ますます燃えていきました。


よろしければ、フェイスブックのカトリックグループにもご参加ください。FBではここと異なり掲載が途切れることもありません。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。